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ガーデニング
塩津丈洋植物研究所 塩津丈洋・久実子

これでもう枯らさない!簡単にできる旅行中の植物管理法【四季を楽しむ山野鉢】

和の植物の専門家・塩津さんと、身近な植物を育てながら豊かな暮らしをお届けする連載企画です。夏休みがある8月は、キャンプや旅行など何日か家を空けることもありますよね。そんなときに便利なのが「腰水」と呼ばれる植物の管理法。腰水をすれば3~4日家に帰れないときもでも安心。ぜひ覚えておきましょう。

長期の旅行のとき、植物の水やりはどうすればいいの?

ここ最近多いのが「2~3日出かけて帰って来たら、葉っぱが萎れてしまった」というお問い合わせです。それもそのはず。植物の種類にもよりますが、この連載で取り上げている和の植物は真夏に水をあげずに放っておくと、たった1日で枯れてしまうことも。

とはいえ、旅行や出張など数日家に帰れないこともありますよね。とくに8月は大型連休をとる人が多いので、なおさらです。そこでオススメしたいのが「腰水」と呼ばれる植物の管理法。
3~4日までなら、真夏でも安心してお出かけできますよ。

 

トレーに水を注ぐだけ! 「腰水」の方法とポイント

「腰水」のやり方

腰水に必要なのは、水が溜まる大きめの容器と水のみ!
あっという間にできて、とても手軽な方法なんです。
 
 

容器に植物を鉢ごと並べて、鉢の1/3程度の深さまで水を注ぐだけ!
 
 

 

容器の置き場所

水を注いだ容器は、必ず屋外の日陰に置いてください。
日向に置くと太陽の熱により、ものの1日で水が高温になってしまい、根を痛める原因になります。また、風通しの良くない室内に置くと、水が腐って根腐れを起こすことも。
 

 

お出かけから帰ってきたら

お出かけから帰ってきたら容器から引きあげて、頭からたっぷりとお水をあげましょう。
冬場なら腰水をしなくても、出かける前にたっぷりと水をあげて、室内の日が当たらない涼しい場所に置いておけば3~4日は大丈夫です。
 

腰水をするときの注意

もしかすると、みなさんの中には「普段から腰水で植物を育てよう」と考えた方がいるかもしれませんが、ズバリそれはオススメしません。なぜなら腰水はやむを得ず水をあげられないときの特別な育成技法であり、正しい育て方ではないからです。

正しい水のあげ方は、植物の頭から根元までシャワーで全身にかけること。
水と一緒に新鮮な空気も土の中に送り込みます。植物の根は、水を吸収するだけでなく土の中でしっかりと呼吸もしているのです。
 

あえて腰水以外の管理方法をあげるなら…

お出かけ時の管理法として、もっともスタンダードなのが腰水です。
でも、あえて腰水以外の方法を挙げるなら、以下の方法を試してみるのもオススメです。
 

隣人に預ける

腰水以外で僕がオススメしているのが「隣人に預ける」こと。
植物の世話は大変なこともありますが、基本的に植物が嫌いな人っていませんよね。
それに今の時代、お隣さんと交流する機会が減っていませんか? もしかすると隣に誰が住んでいるのか知らないなんてことも、あるかもしれません。

僕の生徒さんの中には、植物を預かってもらったことがキッカケで隣人と仲良くなった人も多いんです。引き取りに行くときは、お土産を持っていきましょう。きっと話に花が咲くはず。お隣さんと信頼関係が生まれることで、暮らしがより豊かになりますよね。
 

一緒に出かける

小ぶりな植物なら、外出先に一緒に連れて行くのもいいかもしれません。
手のひらサイズの鉢なら、写真のように車のドリンクホルダーにピッタリはまってかわいいですよ。大きめのものなら後ろの席あたりに置いて、1日1回水を頭からあげましょう。
また、車の中に植物を置いておくときは、窓を少しだけ開けて換気を忘れずに。
今年の夏は、植物と一緒のおでかけを楽しんでみてはいかがですか?

 

次回予告

澄んだ青空と虫の音が心地いい9月のテーマは、「身近なものを鉢に見立ててみよう」。
日常の食器が素敵な鉢に早変わり、オリジナルの鉢作りに挑戦してみよう!

 

 

執筆・編集協力/小林香織
撮影/猿田祐樹