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DIY
藤岡みなみ

藤岡みなみ|最近のDIYライフについて【思い立ったがDIY吉日】vol.73

文筆家・ラジオパーソナリティの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。可愛くも愉快な世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回は、繰り返しとDIYについて!

藤岡みなみ
文筆家、タイムトラベル専門書店utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。
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ジャンボピーマンのタイムループ

繰り返しとDIYについて考えてみた。

 今年もジャンボピーマンが無事に実った。ただのジャンボピーマンではない。去年種から育てたジャンボピーマン、の、種から育てたジャンボピーマンである。まどろっこしいが真実だ。ジャンボピーマンの息子。子孫。2代目。今年も種をとっておけば来年はジャンボ孫ピーマンが誕生するのか。

 

ジャンボピーマンとの再会。

 育ててみた実感としては、子孫というよりも転生の方がイメージが近い。また会ったね。ジャンボピーマンの輪廻転生をサポートする私は何者だろう。私が種をまいたから芽が出て、実って、それを今年も繰り返したからまた出会えた。でも私だけがジャンボピーマンの運命を握っているとも思えない。どちらかというと、ピーマンに突き動かされている気すらしている。なぜってこのジャンボピーマン、おいしすぎるのだ。苦みがほとんどなくて生のまま丸かじりしたくなる。こんなにうまいピーマン、どうして植えずにいられようか。そうしてまた私は来年もピーマンを育てる。ジャンボピーマンの思惑通りだ。

 

飽きちゃう大人が子どもになるために

紙じゃなくてTシャツに描くだけで新鮮。

 最近、子どもとの過ごし方で一番楽しいもののひとつはやっぱりDIYだなあと思う。子どもと遊ぶとき、どうしてもたいてい大人が先に飽きてしまう。友人が「子どもは大人の7倍繰り返してやっと飽きるらしいよ」と言っていた。確かにあの集中力、没入力にはかなわない。自分が幼かった頃のことを思い出してもそうだった気がする。

ボールを滑り台から転がすのでも、気に入った歌のフレーズでも、もういいでしょ、と言いたくなるまで繰り返す。面白い!と胸が躍ったポイントを何度も確かめるように、ときめきの形を心でなぞるように。大人は慣れるのが早い。そうでないと、この日々の忙しいあれこれをうまくこなしていけないのかもしれない。立ち止まりすぎないように最適化された人々、それが大人。そんな大人が子どもの世界の味わい方に付き合うには少々根気がいる。

 その点、DIYは最初から最後まで新鮮な驚きに溢れているのがいい。大人が子どもにスッと戻ることができる。日常の動作ではないことがほとんどなので、そこには慣れ親しんだ回路がない。ある意味ピンチでもあり、とてもわちゃわちゃする。何かを教えたり付き合ったりするというより、同じようにあたふたできるというのが楽しいし、あたふたしている間は子どもと同じくらい〝いまここ〞に集中できている気がする。

 

躍るかぼちゃ団子たちの群れ。

 先日、子どもが絵本に出てきた月見団子を作りたいと言った。本には黄色と緑のまんまるの団子が描かれていた。家に白玉粉とかぼちゃがあったので、急きょ一緒に作ってみることにする。一人での料理はある程度慣れているけれど、安全確認をしつつ4歳にどの工程を任せるか、という作業には少し頭を使う。もしかしたら子どもと一緒になにかをすること自体、大人にとって十分クリエイティブな行為なのかもしれない。習慣を壊して、新しいやり方を見つける。

 お団子作りはほぼダンスだ。こねこね、もみもみ、ころころ、躍動しながら丸めていく。お湯から引き上げるサインは団子が鍋の中でゆらゆら躍り出したら。はちみつと牛乳をかけて食べると、甘くつるりとした食感にまた体が自然と動き出した。これは喜びの舞。

 

2日連続でも少し変化させたら楽しい。

 あまりにもおいしく、愉快だったのか、子どもは「あしたもおだんごつくる」と言い出した。出た、繰り返し。あのときめきをもう一度、ですね。ピーマンも子どももループの世界を生きている。だけどさすがに2日連続では味にも飽きてしまいそうだ。それで、翌日はほうれんそうを使って緑の団子を作ることにした。今度はアイスクリームとつぶあんを添えて。団子はまた、鍋の中で大いに躍っていた。