
- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんにガーデニングの魅力をお届けします!
土を使わなくても、観葉植物がすくすくと育つハイドロカルチャー。植え替えをしないで放置してしまうと、いつのまにか観葉植物は枯れてしまうことも。今回はハイドロカルチャーの植え替えの仕方、肥料を与える時期、植え替えで使う鉢や水位計などを紹介します!
目次
土を使わずに、水と粘土の石で観葉植物が育つハイドロカルチャー。水抜き穴のない植木鉢に、石と水を入れて植物を育てるだけという、シンプルな仕組みで、水耕栽培ともいわれます。
粘土を高温で焼いて発砲させてできたボール状の石は、ハイドロボールといわれる人工の石です。表面にはたくさんの細かい穴があいていて、その中に空気を取り込み、植物に酸素を供給する仕組みがあります。
石の粒が大きいので土のように散らばりにくく、植え替えするときも簡単。
はじめに、容器にハイドロボールをサッとすくい、そのまま植木鉢に入れます。水を植木鉢にたっぷりと入れて、石に十分に吸水させましょう。最後に余った水を捨てればOK!土を使った植え替えよりも簡単で、手間がかかりりません。
Step1. ポットに観葉植物を植える
はじめにポットの底にハイドロボールを敷き、観葉植物の高さを調節します。好みの高さが決まったらハイドロボールを足して、ポットいっぱいに入れましょう
Step2. 植木鉢(鉢カバー)に、ポットと水位計を入れる
観葉植物を植えたポットと水位計を、植木鉢(鉢カバー)に入れてます。水位計は、植木鉢とポットの隙間に挿し、ポットの底のレベルをそろえましょう。
Step4. 植木鉢とポットの隙間にハイドロボールを敷き詰める
ポットと水位計の高さが決まったら、ハイドローボールを足してポットが動かないよう敷き詰めます。植木鉢を揺すったり、叩いたりして中の隙間を埋めてくださいね。
Step5. 水位計を確認しながら水やり
最後に、植木鉢に水をたっぷりと入れ、数時間放置します。ハイドロボールに十分吸水したら、一度水を捨て、水位計のメモリにあわせながら水を継ぎ足せば完成です!
細かい穴がたくさんあいたハイドロボールは、水をスポンジのように吸収し蓄えます。常に湿った状態なので、直射日光に当たり過ぎたりすると鉢土が蒸れ、根腐れすることも。また、中が見えるようなガラス鉢などでは、藻(も)が生えやすいです。
根腐れや藻が発生しないよう、植木鉢は窓辺から離し、直射日光に当たらない場所に置きましょう。
粘土を高温で焼いてできたハイドロボールは無菌で、虫も集まりにくく清潔です。ただし、微生物がいないため、植物の根が出す老廃物を分解できず、鉢土が汚れやすくなります。
月に1〜2度は、鉢カバーから鉢ポットを取り出し、中を掃除して清潔に保つようにしましょう。
ハイドロカルチャーで育てる観葉植物は、水だけで生長するため大きくなりにくく、生長のサポートが必要です。比較的暖かい4〜9月ごろの春から秋には、根や葉が大きくなって見栄えがよくなるよう液体肥料を与えます。
ただし、観葉植物の種類や品種によっては生長時期が異なるため、一度植物の生態を調べてから、適切な時期に肥料を与えましょう。
また、猛暑日など極端な日に肥料を与えてしまうと、葉や茎に元気がなくなってしまい枯れてしまうこともあるので、天気や温度を確認しながら与えてくださいね!
ハイドロカルチャーで育てる観葉植物なら、土を使った植え替えよりも簡単で、片付けや掃除の手間も少ないです。育てるときは、定期的に液体肥料を与えることで、葉や根、茎や幹が丈夫で見た目の美しい姿になります。ぜひ管理がしやすいハイドロカルチャーで、観葉植物を育ててみてくださいね!