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ガーデニング
河村ゆかり

ラッキーな運気をガーデンに取り入れたい人必見!「縁起のよい植物」5選

植物の中には、家族の幸せや長寿など、明るい未来を示す名前を持つのものや、あやかりたいような幸運な逸話に満ちたものがあります。新年の宴席や人生の節目など、おめでたい席にピッタリ。大事な方へのプレゼントにもどうぞ。

ずっと日本で愛されてきた「縁起のよい植物」を育てよう!

幸せや健康、長寿を願って、ぜひあなたの庭や部屋の彩りに、「縁起のよい植物」を育ててみませんか?ここでご紹介する「縁起のよい植物」は、栽培のコツをマスターすれば、長い間楽しむことができますよ。

 

オモト…千年以上前から「おめでたい植物」として有名

オモト(キジカクシ科)は、漢字で書くと「万年青」。一年じゅう青々とした葉を茂らせる、丈夫な多年草です。冬でも枯れ込まず、常に美しい葉を保つことから、めでたい植物とされてきました。また、冬に赤い実をつけた姿には、子孫繁栄の願いを託されます。

そのほか、古くから引っ越し・新築・開店・結婚など、さまざまな人生のお祝いシーンで贈り物として活用されてきたオモト。徳川300年の礎を築いた徳川家康が、江戸城に入城した際、その祝いに送られたオモトを手にしていたとの逸話も、今に伝わっています。

オモトは、日陰にも耐える強健な性質です。庭に地植えするなら、特別な水やりは不要。鉢植えのオモトは、鉢土が乾いたら、鉢底穴から水が染み出るくらいに水やりをしてください。

オモトは多肥にすると、根が肥料焼けするなど弊害が起こりがちです。春や秋の成長期に合わせ、少な目に施肥するのがおすすめ。液体肥料なら、規定より2倍程度薄めにしたものを、2週間に一度程度与えましょう。

 

ラン…中国で縁起のよい植物とされる「四君子」の一つ

美しさと花もちのよさで、多くのファンを持つラン。古くからランは、タケ・キク・ウメとともに、「四君子」と位置づけられています。

君子とは、徳の高い人格者、高潔な人物をさす言葉。そんな君子をイメージする植物に選ばれていというわけです。またランは春、タケは夏、キクは秋、ウメは冬を象徴するおめでたい植物として、「吉祥文様」にもなっています。

ランには膨大な品種があり、イギリス王立園芸協会に登録されているだけでも、10万種にのぼります。なかでもお祝い事に欠かせないのがコチョウラン(ラン科)。

「胡蝶蘭」の名の通り、蝶が羽ばたいて「幸せが飛んでくる」という花言葉が与えられました。コチョウランをプレゼントすれば、「あなたのもとに幸せが飛んできますように!」との願いが込められるのです。

コチョウランは、18度以上の環境を好みます。冬は室内で、春から秋は強い直射日光を避けて、戸外で育てるとよいでしょう。水やりは、冬は少なく、夏は多めに。ミズゴケなど植え込み材がしっかり乾いたのを確認して、水やりを行うのがポイントです。

上手に管理すれば、寿命は50年を超えるといわれるコチョウランを長く楽しめますよ。

 

ハボタン…葉が重なるがごとく吉も重なる

冬の花壇に彩りをもたらしてくれるハボタン(アブラナ科)。ハボタンは別名の「花キャベツ」が示すように、キャベツと同じ仲間のケールです。

もともとは食用として渡来したものの、園芸に熱心だった江戸時代の人々によって、「姿を愛でるための植物」として品種改良が繰り返されました。赤、白、ピンク、紫などカラフルな葉が重なる様子から、「吉も重なる」縁起のよい植物のひとつです。

ハボタンの本来の花の時期は4~5月ですが、花のような葉の鑑賞時期は11~3月。お正月はもちろん、春先までたっぷり楽しめます。花色だけでなく、直径15㎝程度の小型品種から、50㎝に達するものまでサイズもさまざま。葉のスタイルも、丸葉、切り葉、縮れ葉など、お好みで選べます。

ハボタンは耐寒性の強い丈夫な植物で、園芸ビギナーでもじゅうぶん面倒が見れるのも魅力です。寒さを経験することで、葉の発色がよくなるのが特徴のため、室内ではなく庭やベランダで栽培しましょう。

霜や北風を避けられる、日当たりと風通しのよい場所が最適です。

 

ユズリハ…子孫繁栄の縁起木

ユズリハ(ユズリハ科)は、古くから縁起木とされる常緑高木です。葉は長さ8~20㎝ほどの楕円形。お正月の飾りでも、よく見かけます。

ユズリハは、もともと中国や日本などに自生。大気汚染や潮風にも耐性があり、めだった病害虫被害もない強健な性質です。庭木にする場合、ユズリハより樹高が低い近縁種のヒメユズリハも、よく用いられます。

ユズリハは春から芽吹きはじめる若葉が出そろったら、まるで次世代に席を譲るかのごとく、古い葉がいっせいに落ちるのが特徴。その様子から、「家が代々続きますように」「よい後継者が得られますように」などの願いを込め、大事に育てられてきました。

ユズリハは、日当たりのよい場所を好みます。日陰でも生育可能ですが、ヒョロヒョロと徒長しがちになるので要注意。

また、乾燥を嫌うため、砂質土壌よりやや湿り気のある土が最適です。やせ地だと葉を落としやすいので、適度な施肥が不可欠。寒肥として、2~3月に有機質肥料を与えましょう。

 

キク…不老不死の妙薬⁈

日本では古来より、キク(キク科)を高貴な花として大切にしてきました。吉祥紋の代表的な柄である「菊紋」は、パスポートの表紙や硬貨でもおなじみです。

もともとキクは、奈良時代に中国から渡来した植物とされます。当時のキクは鑑賞用ではなく薬草とされ。「不老長寿の霊草」と信じられていたのだとか。

現代のキクは、鑑賞用や食用に利用されています。食用のキクは「もってのほか」「延命楽(えんめいらく)」「阿房宮(あぼうきゅう)」などが有名。苗を購入し、無農薬で育てれば、自家製のキクを食卓に上らせることもできます。

キクにはたくさんの種類がありますが、菊花展などでよく見られる大菊は、専門知識が必須。しかし、園芸店などで流通する洋菊、またはポットマムと呼ばれるコンパクトな品種は育てやすく、ガーデニングビギナーにもおすすめです。

ポットマムは耐寒性が強く、冬も戸外で育てます。寒さを体験させることで、気温が上昇する春からしっかり成長するため、室内に取り込まないのがポイント。3月ごろからどんどん芽が育ってきますから、ツボミが大きくなってくる10月くらいまで置肥を与えるとよいでしょう。

 

おわりに

いかがでしたか? 栽培のコツを押さえて、ぜひ縁起のよい植物を育ててみてくださいね。