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完全保存版!開店祝い・開業祝いマナー|相場・人気の花と贈り物

家族や友達、元上司や取引先の方が晴れて自分のお店を持つことになったとき、どんな開店祝い(開業祝い)を贈れば喜ばれるのでしょうか? 開店祝いの花や贈り物などの選び方と、失礼のないマナーを解説します。

開店祝いの相場はどのぐらい?

友人・知人5,000円~10,000円程度
取引先10,000円~50,000円程度
親戚10,000円~50,000円程度
家族10,000円~100,000円程度

基本的な開店祝いの相場は上の表を参考にしてください。
開店祝いに掛ける金額は、相手との関係によって多少の違いがあるようです。

 

開店祝いにおすすめの贈り物【花】

開店祝いで一番多く見受けられるお祝いは「花」です。
では、どうして開店祝いに花が選ばれるのでしょうか。
よく選ばれる祝花の種類と、その理由を解説します。

 

開店祝いに選ばれる人気の祝花

花輪・スタンド花
【人気の理由】
街角で花輪やスタンド花を見かけると、「あ、あそこに新規開店したお店がある」と気をひかれることがありますよね。
開店祝いに花が選ばれる理由には、特に人通りに面した店舗などの場合には、その華やかさで新店舗を一層引き立てる効果があるのです。
もちろん、室内でも店内を明るくしてくれるインテリアとして喜ばれるお祝いとされています。

【注意点】
花輪やスタンド花には、形や高さの違いによって様々な種類があります。
開店祝いで贈る際には、先方の設置場所のスペースなどを事前に伺って、業者さんとも相談するようにしましょう。

 

アレンジメントブーケ
【人気の理由】
バスケットや箱などにアレンジされているものがあり、花瓶などがなくてもすぐ飾れるのが人気の理由。
スタンド花に比べるとリーズナブルな予算で用意できるはずです。

【注意点】
基本的に生花のため、3日から1週間ほどと日持ちが短いので贈るタイミングが大切です。お店の環境などを伺って花選びをすると良いでしょう。

 

プリザーブドフラワー
【人気の理由】
生花や葉を特殊液の中に沈めて色素を抜き、水分を抜いた素材にして、染料を吸わせる特殊加工した花です。
ドライフラワーや造花とは異なり、色鮮やかな美しさを長く保つことができ、カラーバリエーションも豊富で、予算に合わせた種類や先方のお店のイメージに合わせて選ぶことができます。

【注意点】
プリザーブドフラワーは高温多湿に弱いです。生花と見間違える方も多いので、渡す際は水を与えてはいけないことを必ず伝えましょう。

 

胡蝶蘭
【人気の理由】
飲食店などの開店祝いでは、花は香りや花粉が食事を妨げる恐れがあることから避けることが多いようです。しかし胡蝶蘭は、香りや花粉があまり出ないため、飲食店でも室内に飾っておくことができます。
また、一年中栽培されているので季節を問いません。高級感が漂い、枯れにくく、その美しさを2〜3ヶ月以上も保つことができるのが魅力でもあります。
さらに、胡蝶蘭の花言葉は「蝶」の字にちなんで「幸福が飛んでくる」ですから、開店祝いにピッタリといえるのです。

【注意点】
大ぶりなので、事前にスペースがあるか確認をする必要があります。
お祝いごとをする場合の数は「割れない数」とされているので、胡蝶蘭の本数は3本立てもしくは5本立ての奇数に揃えましょう。

 

観葉植物
【人気の理由】
観葉植物が開店祝いとして人気の理由は、「グリーンインテリア」としてそのままお店に置けて、明るい雰囲気にしてくるためです。さまざまな大きさや種類が多いのも魅力なのでしょう。
また、鉢のなかで根をはる観葉植物は、その業界や地域に「根づく」という意味から縁起がよいとされています。
風水的にも観葉植物は「吉」とされているだけでなく、開店祝いにピッタリな花言葉を持つ種類が多くあります。
例えば、次のような縁起の良い花言葉をもつ観葉植物があります。

オリーブ
花言葉:平和、勝利、知恵、安らぎ

ガジュマル
花言葉:健康

サンスベリア
花言葉:永久、不滅

ストレリチア(極楽鳥花)
花言葉:輝かしい未来、寛容、強運

ドラセナ
花言葉:幸福、真実さ

パキラ
花言葉:快活、勝利

フィカス・ウンベラータ
花言葉:永久の幸せ、すこやか

ポトス
花言葉:永遠の富、華やかな明るさ

【注意点】
観葉植物を開店祝いとして贈る際は、置き場所を配慮したサイズを選ぶこと。そして、贈る相手にできるだけ手間を掛けさせないように手入れが簡単で、丈夫で葉が落ちにくい品種を選ぶようにしましょう。

 

開店祝いに花を贈るときのマナー

開店祝いに花を贈る際に気をつけたい、贈り方のポイントと基本マナーを確認しておきましょう。

●マナー1【赤い花は避ける】
「赤い色」は赤字や火事を連想させるため縁起が悪いと思われる方もいますので、開店祝いのマナーとして避けるほうがよいと言われています。

●マナー2【祝い札をつける】
開業祝いで花や観葉植物をたくさんもらうと、並べて飾ることが多いため、誰からの贈り物か分かるように立て札をつけて贈ると良いでしょう。
贈り主のアピールにもなるフォーマルなお祝いには、木札を使うのが一般的です。
縦書き・横書きのどちらでも失礼にはあたりませんので、店名が英語名など、場合よって使い分けましょう。
胡蝶蘭や観葉植物などの鉢植え、アレンジメント、スタンド花を贈り物に選んだ場合、一般的には長方形の立札を立てて贈ります。
花や観葉植物を購入する時は、お店によって立て札の記入代行サービスがありますので、相談すると安心です。

●マナー3【お店の雰囲気やテーマカラーなどを聞いておく】
業種やお店の内装はさまざまなので、贈り先の雰囲気に合ったものを選ぶように心がけましょう。
あらかじめ店の雰囲気やテーマーカラーなどを聞くことができるのであれば、それを伺ってから花屋さんに注文するとよいでしょう。

●マナー4【開店当日に届くように手配する】
開店祝いの花は、開店当日までに到着するよう手配するのがマナーです。
花の手配が開店当日に間に合わなかった場合は、開店から一週間以内に届くよう手配し、お祝いの言葉を添えて贈りましょう。
開業日を大きく過ぎてから贈る場合は、祝い札の表書きに開店や開業という言葉を入れず、今後の繁盛を祈願するという意味の「祈御発展」などとします。

 

開店祝いにおすすめの贈り物【その他】

開店祝いには花を贈ることが多いようですが、ここでは花以外で喜んでいただける、おすすめの贈り物を紹介しますので、参考にしてください。

 

花以外でおすすめの贈り物

現金/商品券
【選ばれる理由】
開店祝いの品は他の人からも多く届くと思われるので、重複しないようにという気持ちと「好きなものを選んでもらう」という思いから、現金や商品券・ギフト券が選ばれています。
とくに飲食店などでは、食器を購入するのに全国百貨店共通商品券・ギフト券などが喜ばれるようです。

【注意点】
現金は、目上の方に贈るのは失礼にあたるとされていますが、開店や開業祝いの場合には現金等を贈っても失礼には当たりません。
ただし、先方がほとんど利用しない遠方のお店や、利用しないと思われる商品限定のギフト券などを選ばないように注意しましょう。

 

カタログギフト
【選ばれる理由】
オフィス用品から食材まで、最近は多彩なカタログギフトが出ているので、相手が必要とし喜ばれるような商品を自由に選ぶことができるのでお互いに便利です。

【注意点】
相手に合ったカタログギフトを選ぶように気をつけましょう。美容院なのに事務用品に特化したカタログを贈っても喜んでもらえるか分かりません。
相手に喜んでもらえる商品が掲載されているカタログギフトを選びましょう。

 

スイーツ
【選ばれる理由】
休憩の時など、お店のスタッフがみんなで分け合って楽しんでもらえるお菓子の詰め合わせは、相手を選ばないので安心できる贈り物です。

【注意点】
賞味期間や先方の人数を考えて、量や品物を選ぶように注意しましょう。

 

食器・花瓶など
【選ばれる理由】
花瓶やカップなど、実用的で記念にもなるものや、必要だけど自分では買わないような、ワンランク上のものをプレゼントすると喜ばれます。

【注意点】
喜んでもらうためには、先方の趣味やセンスに合うものを選ぶことです。分からない場合は避けるようにしましょう。
また、割れ物ですので、届ける際に、割れないようにしてください。

 

家電・インテリア用品
【選ばれる理由】
掃除機などの家電品や、趣味の良いインテリア用品は、どのような業種でも喜ばれるので、開店祝いとしてよく贈られています。

【注意点】
インテリア用品はそのお店の雰囲気など、お店側の意向などにマッチしたものを贈りましょう。

 

酒類
【選ばれる理由】
お祝いに欠かせないお酒は、樽酒からワインやシャンパンのラベルに名入れしたエッチングボトルなど、先方の好みやニーズに合わせて選ぶことができるので喜ばれます。

【注意点】
開店祝いとしてお酒を贈ってはいけないという業種はないようですが、先方が喜んでくれるか配慮が必要です。
樽酒など大きいものを贈る場合は、置けるスペースがあるかどうかの確認をしましょう。

 

名入れのギフト
【選ばれる理由】
開店祝いを贈る相手の名前と開業日・社名を入れた、ペン、エプロン、日用品などの名入れグッズは一生の記念となり、長く使用してもらえます。

【注意点】
記入する文字を間違えないよう厳重に注意しましょう。

 

縁起物(招き猫・風水にちなんだもの)
【選ばれる理由】
商売が繁盛するといわれる招き猫は、右手を挙げている猫は「お金」を招き、左手を挙げている猫は「人」を招くといわれています。
フクロウも「福来郎」「不苦労」と当て字されることから、縁起の良いものとして贈られているようです。

【注意点】
先方のお店の雰囲気やお店の方針などに似合うものを選ぶようにしましょう。

 

開店祝いの品にメッセージを添える時のマナー

贈り物にはメッセージをつけると、よりお祝いの気持ちが伝わります。
開業されるまでのご苦労と、その努力を労う気持ちを込めることばを送ると良いですね。
マイナスイメージの表現を避けた文面にすることがポイントです。
親しい方へのメッセージには、前文を省略してもかまいません。友人などに向けたメッセージは、堅苦しい文面にするより、素直な気持ちを自分の言葉で伝えるほうが、気持ちが伝わりやすいでしょう。ただし、親しき仲にも礼儀ありですので、マナーとして押さえるべき箇所はおさえておきましょう。

句読点はつけても間違いではありませんが、つけない方が「切る」「留める」などの意味合いの連想を避けることができ、上質な書き方と思ってもらえます。

【取引先などへの文例】
●文例1
この度の開店にあたり心よりお慶びを申し上げます
貴店のご繁盛と皆様方のご多幸を祈念致します

●文例2
ご開店おめでとうございます
千客万来・商売繁盛を心からお祈りいたします
平成○年○月○日

【友人など親しい人への文例】
●文例1
ご開店おめでとうございます!
多くのお客様に愛されるお店にしてください
○○さんのご活躍とお店のご発展を心からお祈りしています

●文例2
ご開店を心より嬉しく思っています
好立地で多くのお客様がいらっしゃいますね
近々 お祝いにうかがいます
○○さんとお店が繁栄しますよう祈っています
平成○年○月○日

《メッセージに使ってはいけない忌み言葉とは?》
赤字や火事を連想させるため、開業・開店祝いでは、赤いものをイメージする言葉は避けましょう。

縁起が悪いとされる言葉
「赤」「火事」「煙」「灰」「焼ける」「飛ぶ」「燃える」「枯れる」「落ちる」
など

経営破綻を連想するとされる言葉
「赤字」「敗れる」「失う」「傾く」「倒れる」「壊れる」「終わる」「さびれる」「流れる」「つぶれる」
など

 

開店祝いの基本マナー

開店や開業は、ご本人にとって人生をかけた一大事です。その門出をお祝いする上で、失礼のないよう基本的なマナーを知っておきましょう。

 

お祝いを贈る時期

花以外は、開店・開業日の1週間前から前日までに贈るようにしましょう。
お祝い金や記念品を贈る場合は、開業の知らせを受けた日から、なるべく日が過ぎないうちに贈るようにすると喜ばれます。

開店・開業日が過ぎてしまったり、開店したことを後に知った場合は、1ヶ月後程度であれば、ご挨拶を兼ね、お祝いを持参すると良いでしょう。
数ヶ月遅れてしまった場合は、1周年記念などの機会に贈っても喜ばれます。

また、先方が「大安」に合わせて開店・開業をする場合、「大安」の前日は「仏滅」なので、「仏滅」を避けて届ける気遣いは大切です。

 

贈り物をする場合は熨斗(のし)が必要

開店祝いで使う祝儀袋は熨斗のついたものを選びます。
祝儀袋の右上にある色紙を細長い六角形に折った飾りを「熨斗(のし)」といいます。
「喜びが伸びることを祈願する」という意味があり、お祝いごとの時に使用されますが、生ものを贈る場合はつけないとされています。

開店祝いに祝儀袋を購入する場合は、水引の結びに気をつけて、「蝶結び」のものを選びましょう。
水引とは、祝儀袋に付けられた紅白や金銀、赤金のひものことで、結び目を何度も結び直せるという意味合いから、何度も繰り返しても良い祝い事は「蝶結び」にします。

お祝いごとの表書きは、「開店祝い」「開業祝い」などの四文字は「死文字」といって縁起のよくない表現とされています。「開店御祝」は「御開店御祝」、「開業御祝」は「御開業御祝」というように、五文字にすると心配ありません。

名前はお祝い内容よりやや小さく、楷書で名字と名前を書きます。

お祝い事は濃い墨で書くのが良いとされているので、祝儀袋の表書きは、筆か筆ペンで、濃くハッキリと書きましょう。

 

開店祝いでタブーとされる贈り物

喜んでもらいたい気持ちから、誤ってタブーなものを贈ってしまわないよう、開店祝いのマナーとして、一般的にタブーとされている贈り物について、確認しておきましょう。
ただし、近年では、このようなことにこだわる人が、少なくなってきている傾向にあります。
どれも、先方が希望する品物であれば、贈っても問題はないといえるでしょう。

●ライター・キャンドル・暖房器具・灰皿など
火事を連想させるため、縁起が悪いとされています。

 

●赤いものなど
先ほど述べた花だけでなくものも「赤字」や「火」を連想させるため、避けるほうが無難です。
ただし、お店のイメージカラーや相手に頼まれた場合、先方が好きだという場合などは、こだわる必要はありません。

 

●マットやスリッパなど
「踏みつける」という意味を持ち、失礼にあたるといわれています。

 

●時計(業種によって)
「時間を忘れて遊ぶ場所」とされているバーやスナックなどでは、時計が置かれていないお店が多く、「時計」を贈っても、飾ってもらえないことがあるようです。

 
開店祝いのマナーはいかがでしたか? 新しくお店を開店することは、その方の人生の新たな始まりでもあります。そんな、おめでたい門出を心から応援し、喜んでいただけるお祝いをして差しあげたいですね。

 

監修:西出ひろ子

マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナー®とおもてなし礼法®を伝える第一人者。企業での人財育成やコンサルティングをはじめ、NHK大河ドラマや映画などで、多くの俳優や女優たちにマナー指導もおこなうマナー界のカリスマ。テレビ番組のマナー指導や監修なども多数。その教えを学びにすでにマナー講師として活躍している人々などが世界中から訪れ、マナー講師の育成指導もおこなっている。近年は、マナー評論家・マナー解説者として、メディアからの取材や出演依頼も多数。著書・監修本は国内外で80冊以上。
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