- 藤屋翔子
- フリーライター・編集者。編集プロダクションでガーデニング誌やインテリア誌などの編集とライティングを経験。おもに暮らしや手づくりにまつわる記事・コンテンツ制作に携わる。
植木鉢の選び方 サイズ・土の量・号数【初心者から上級者まで】
園芸店の鉢売り場に行くと、いろいろな植木鉢がありますよね。でも、実際にどのサイズの植木鉢を買えばいいのかわからない、鉢に対して土はどのくらい用意すればいいの? という人も多いのではないでしょうか? そこで、正しい植木鉢の選び方を園芸店「プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店」に教えてもらいました。
植木鉢のサイズは【1号=3cm】
「号」という表記は、植木鉢のサイズの単位。1号は直径(口径)3cmで、号数が大きくなるにつれ3cmずつ直径が大きくなっていきます。
鉢の裏には直径でなく「号数」が書かれていて、ネットショップでも「3号」「5号」と記載されているはず。購入前には、こちらの「植木鉢のサイズ早見表」を使ってサイズをチェックしてくださいね。
また、次の4つのことにも注意しましょう。
※土の量は目安です。根鉢の大きさや鉢の形によって前後します。
【Point1】最適なサイズを選ぶ
植木鉢と同じで、苗にも号数がふられています。苗と植木鉢を同時に購入するなら、苗の号数より1〜2号大きなサイズの植木鉢を選びましょう。
植木鉢のサイズは植物の種類によってもちがうもので、たとえば生長がゆるやかな植物ならまずは苗よりひとまわり大きいサイズの鉢でOK。生長が早ければその分、根の生長スピードも速いので苗よりふたまわり大きな鉢を選んでおいたほうがいいでしょう。
根に対して植木鉢のサイズが小さいとすぐに水切れを起こしてしまいますし、大きいと水が土の中に留まりやすく根腐れの原因になります。
【Point2】植木鉢の“深さ”もチェック
高さが口径より小さな植木鉢を浅鉢、口径より大きな植木鉢を深鉢といいます。
浅鉢と深鉢にも適した植物があり、根が横に広がる多肉植物のようなタイプは浅鉢に、根が長く伸びる樹木のようなタイプは深鉢に植えます。
【Point3】植え替えの場合はひとまわり大きなサイズの植木鉢をチョイス
定期的に行う植え替え作業では、それまでの植木鉢よりひとまわり大きくして根が生長できるようにしてあげます。
3号の植木鉢だったら次は4号の植木鉢、4号の植木鉢だったら次は5号の植木鉢と、少しずつサイズを大きくしていくのがポイント。
【Point4】受け皿も忘れずに
鉢底には、排水のための穴があいているので室内で育てるときには受け皿がないと床を汚してしまいます。
受け皿がセットの植木鉢か、別売りの場合も一緒に買うようにしましょう。
植木鉢の種類
鉢は素材にもさまざまなものがあり、各素材にメリットがあります。素焼き鉢、プラスチック鉢、陶器の化粧鉢、木製鉢の4種類をご紹介します。
- 素焼き鉢
- 素焼き鉢は粘土を焼いてつくられる鉢。表面が多孔質で、空気を通したり、水分を適度に排出します。水はけのよい環境をキープできるので、根腐れ予防にはぴったり。
ただし重いので、大きなサイズの植木鉢になると移動に少し苦労します。
- プラスチック鉢
- プラスチック製の植木鉢は、とにかく軽く、丈夫で割れにくい点が魅力です。
素焼き鉢とちがい、プラスチック鉢の表面は非多孔質なので通気性と排水性が悪くなりがち。水分が長く土の中に留まるので、過湿を嫌う植物にはおすすめしません。
- 化粧鉢
- 陶器の鉢に釉薬をかけたデザイン性の高い鉢で、塗り鉢とも呼ばれます。いろいろなデザインがあるのでインテリアに合わせて選ぶことができるのがうれしいところ。
ただし、化粧鉢も非多孔質なので排水性と通気性はよくありません。
- 木製鉢
- ナチュラルな雰囲気を求めるなら、木製鉢がおすすめ。性質は素焼き鉢に近く、通気性も排水性もあります。
ただし、水に弱く腐りやすいのが玉にキズ。屋外で使う場合は、直接地面に置くのを避けたり、雨ざらしにならないよう注意が必要です。
【インテリア性の高い”鉢カバー”もおすすめ!】
観葉植物なら、購入時のプラスチック鉢のまま鉢カバーにすっぽり入れて育てるという手もアリ。
手軽ですし、鉢カバーには鉢底穴がないのでお部屋を汚さずに済みます。
上のようにカゴを鉢カバーとして使って、ナチュラルな雰囲気に仕上げるのもGood! インテリアに合わせてコーディネートできちゃうのもうれしいですね。
ちょっとお部屋の雰囲気を変えたいときには鉢カバーだけチェンジするというのもひとつのアイデア。
植木鉢の種類やサイズ、選び方をまとめてみましたが、いかがでしたか?
植物のすこやかな生長のためには、適したサイズの植木鉢を選ぶことが大切。サイズを決めたら、素材やデザインから好きなものを選んでみてください。
(写真 木村 武司)
監修「プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店」
今回監修いただいたのは、都内最大級の園芸店「プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店」。観葉植物以外にも樹木から、花苗、野菜苗、エアプランツ、多肉植物まで豊富な品ぞろえが魅力です。
ガーデニング初心者さんにもあつかいやすい土や肥料などもあり。