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カルチャー
西方凌

西方凌「我が家にベストな大型食器棚は無骨で清潔」【理想の家具をDIY 】

その男前なDIYerっぷりが反響を呼んだインタビュー記事を受けて、西方凌さん自身がDIYライフをさらに深く語る連載の第2回。今回は、無骨で清潔、実用性も満載という一見相反するイメージを詰め込んだ、理想の食器棚についてのお話です。

自慢のキッチンに合う理想の食器棚をDIY

今回は、キッチンには欠かせない大型の食器棚です。

家を建てる際、家具やカーテンなどのインテリアは出来るだけ自分で作りたいと思っていたので、我が家の引き渡しの際には、ハウスメーカーさんに「未完成のままお渡しするような気持ちです」と言われたほどインテリアのないスケルトンな状態でした。

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キッチンは、どーんとステンレスの塊。料理好きな主人に似合うよう、レストランの厨房をイメージして作っていただきました。我が家の顔と言ってもいい、自慢のキッチンです。

となると当然探すべきは、このキッチンに合い、収納力と実用性の両方を兼ね揃え、しかも最初に製作した壁付きの棚とも馴染む棚……! さすがに大きな家具ですし、造りも丈夫でなくてはいけないので、一から作ろうとは考えていませんでした。

でももし、これだというものが探して見つからなかったら、近いものに手を加えて、完全理想の家具に変えてみようと思っていました。

イメージを固める

無骨? それとも清潔感? 矛盾しているけど両方欲しい

完成

食器棚にも実にさまざまなタイプのものがあります。

大きくて全面に扉が付いているものや、食器を飾りながら収納するような可愛いものも。今回は最初からイメージが固まっていたので迷いはなかったのですが、そのイメージ通りのものに出会うまでに苦労しました。

というのも、頭のなかに思い描いた棚が「無骨で清潔感もあって、実用性もあるもの」だったからです。そもそも無骨と清潔感・実用性は矛盾していますからね(笑)。

しっかりした食器棚を無骨に仕上げるか、無骨な棚に清潔感を持たせるか。

掘り下げていったところ、ガレージにあるような……もしくは片田舎の小さなレストランでパントリーで使われているような……そんな棚のイメージにたどり着いたので、無骨な棚に清潔感と実用性を備える方向で進めていくことにしました。

 

塗装する

アイアン塗料で落ち着きある印象に

元のシェルフ

そして見つけたシェルフ、なかなか無骨ですよね。もとの色はシルバーでした。シルバーの雰囲気も悪くないのですが、ステンレスのキッチンに合うよう落ち着きのある感じに仕上げたいと思い、使用したのは……

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皆さまご存知のアイアン塗料です。

刷毛を使って、落ち着きのある鉄色に塗装していきます。ちなみに、こういう特殊な塗料ってそこそこなお値段するので、陰になる裏側の部分は普通のラッカーを塗って節約します。

塗装アップ

私はこの塗料が大好きで、リピ買いしていろんな家具に使用しています。なんでも鉄にしちゃうってすごい。しかもかなりリアルに。

ひと手間加えるだけでガラッと雰囲気が変わるんですよね−−。あ、でもここで話すと長くなっちゃうのでアイアン塗料の魅力は、次回にお話ししたいと思います(笑)。

 

実用性をプラスする

ほこり対策に、フレームの穴を利用してベニヤ板を取り付ける

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さて、次は実用性を備えていきます。

メインの役割は食器を収納することですから、当然清潔でなくてはいけません。食器を収納する部分に、できるだけほこりが入らないよう対策を施していきます。

まず、シェルフの裏側と側面をベニヤ板で覆います。フレームにナット用の穴がたくさん空いているので、これを利用してナットでベニヤを留めていきます。

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ぐるりと囲うだけで、ほこりの侵入をかなり抑えることができます。毎日使用する食器類はこれだけでも十分ですが、たまにしか使わない大きなお皿を収納する部分には扉をつけていきます。

なるべく軽量になるように、一枚板ではなく小さな木材を何枚かつなげて扉を作成。簡単なものでも図面を描くとその後の作業がスムーズに。

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つなげた木材の周りには、飾りにモールディングをつけました。

塗装には、前回のグラス棚と同じ塗料「ワトコオイル」を使用することで、キッチン全体に統一感を持たせます。

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こちらもナットを利用して蝶番をフレームに固定。

 

すのこで段を作り、内部をさらに使いやすく

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大きなお皿は重ねると取り出す際に重たいので、棚の中にすのこで段を設けました。持っているお皿に合わせて高さを変えたので、ぴったり収まって使い勝手も良いです。

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また、取り出す際に扉が開いた状態で止まるようにとステー(支柱)を取り付けたのですが……、扉の重量を軽くしすぎて閉まらなかったので、結局 アナログにつっかえ棒を使用しています。

 

環境に応じて、自在に形を変えられる棚

全体

上部は使用頻度が中程度〜の大きめのお皿を収納。その下は、よく使う食器類。

今は一番下の段にはお酒類や、買い置きの物が入れられるようにワインの箱を置いていますが、写真でもわかるように、まだまだDIYの余地がたっぷり残っています。

棚の高さもいつでも変えられるので、この先変わっていく環境に応じて棚も変化していくことができます。

自分で手を加えたものなら、その後も自由自在。形を変えながら、共に成長していく家具って素敵だと思いませんか? 作った物をどんどん変えていくことができるのも、DIYの魅力の一つだと思います。

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西方 凌(にしかた・りょう)

1980年生まれ。愛知県出身。短大卒業後、左官職人として働きながら日本テレビ系恋愛トーク番組『恋のから騒ぎ』に出演。第9期生として2002~2003年の全ての回に出演し、「左官屋」の愛称で親しまれた。2004年よりタレントとして活動を開始。CM・PV・雑誌に活躍の場を広げる。2011年によしもとクリエイティブ・エージェンシーに移籍。2012年 5月に、タレントの木村祐一氏と結婚。自身のブログでは、自らが手がける子供服ブランドの情報や、本格的な自宅DIYの様子などを発信している。
西方凌オフィシャルブログ