- 坂本 圭子
- 管理栄養士として病院、介護老人保健施設、保健センターで10年の経験を経てフリーランスに転身。
現在は、執筆、レシピ開発、オンラインダイエット食事指導、サプリメントの商品企画、監修の仕事をしております。
牡蠣は低カロリー?ダイエット中は食べてよいのか詳しく解説
牡蠣は海のミルクと呼ばれるくらい栄養価も高い食材です。ヘルシーなイメージを持つ方もおられるかもしれませんが、間違った食べ方をすればカロリーを多く摂ってしまうことも。ここでは牡蠣のカロリーや糖質、牡蠣のレシピなども合わせてご紹介します。
牡蠣のカロリーってどのくらい?
牡蠣の種類と旨味
牡蠣と言えば冬が一番美味しい季節と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本では夏が旬とされる岩牡蠣、夏でも冬と違った風味を味わえる真牡蠣があります。そのため、通年味わえる食材です。
生牡蠣とレモンの相性
牡蠣は暖かい温度になると旨味を感じる温旨系有機酸が含まれています。しかし、生牡蠣は生食するので温旨系有機酸が活かせません。
レモンに含まれているクエン酸は冷旨系有機酸であり、生牡蠣に含まれているグリコーゲンと相性が良くなり、美味しさがアップします。牡蠣は生食やフライまでいろいろな種類がありますが、カロリーはどのくらいになるのでしょうか。
牡蠣のカロリー
100gあたり
牡蠣(養殖 生)56kcal、牡蠣(養殖 水煮)90kcal、牡蠣の燻製油漬缶詰 288kcal、牡蠣フライ256kcalになります。
油漬けにしたり、揚げてしまうと油脂が入りますのでカロリーが高くなってしまいます。ダイエット中などで牡蠣を低カロリーで食べたい場合は、揚げたり、味付けをしていないシンプルな生牡蠣を選ぶとよいでしょう。
牡蠣の栄養価や糖質量
牡蠣の栄養価
牡蠣は大部分が内臓になりますが、ビタミンB12や亜鉛、鉄などのミネラルやグリコーゲンなどが豊富に含まれています。
ビタミンB12
神経や血液細胞を正常に保ったり、遺伝物質に関わるDNAの合成をサポートしてくれる働きがあります。また、ビタミンB12の吸収過程は2つあり、胃酸がビタミンB12からたんぱく質を切り離し、胃内の内因子と結びついて体内に吸収されます。
亜鉛
たんぱく質を合成に関わる栄養素です。骨や皮膚、臓器などに存在していますが、体内で合成できないため、食品から摂る必要があります。舌には味蕾と呼ばれる味覚を感じる受容体がありますが、細胞は新陳代謝を行い、生まれ変わりをします。
その材料には亜鉛が必要な栄養素になりますので、亜鉛をしっかり補うことで味覚の維持にも働きます。
鉄
赤血球の材料になったり、全身の細胞にすみずみまで酸素を運ぶ働きがあります。体内の鉄は機能鉄と貯蔵鉄の2種類があります。
機能鉄は筋肉のミオグロビンや赤血球のヘモグロビンの主要成分になります。一方、貯蔵鉄は、骨髄、脾臓、肝臓などに蓄えられ、機能鉄が不足した時に補充されます。
牡蠣の糖質量
100gあたり
牡蠣(養殖 生)4.9g、牡蠣(養殖 水煮)7.1g、牡蠣の燻製油漬缶詰 11.2g、牡蠣フライ32.9gになります。
生牡蠣が一番低糖質なので、糖質が気になる方は生牡蠣を選べるとよいでしょう。もし、ソテーなどにする場合は小麦粉などの糖質にも注意しましょう。
牡蠣をカロリーオフする方法
少ない油でソテー
牡蠣は揚げ物、炒めもの、生食などいろいろな食べ方ができる食材ですが、ダイエット中の方は調理方法にも気をつけたいところ。とくに、牡蠣フライは油で揚げていることに加えて、タルタルソースなども加わりますので高カロリーになりがちです。
しかし、ソテーなどシンプルに仕上げることで、素材の味を活かしつつ、香ばしさが加わるので満足感も得られやすいメリットもあります。ソテーの場合でも油は小さじ1あたり約40kcalありますので高カロリーです。油の量には注意して召し上がることができるとよいですね。
レモンの果汁を効かせる
牡蠣は生食用と加熱用があり、生で食べる場合は生食用を使用しましょう。牡蠣自体のカロリーや糖質は低めですが、味付けの調味料によってはカロリーが上がってしまうこともあります。そのため、レモンなどの果汁で酸味を効かせるのがポイントです。
その理由は、レモンは牡蠣との味の相性よく、消化酵素の働きをサポートしてくれます。牡蠣の旨味を存分に味わいたい場合は、味付けは控えめにいただくのがおすすめです。
牡蠣を使ったおすすめ料理
牡蠣飯
牡蠣の出汁で炊いたご飯に味付けした牡蠣をトッピングしたメニューです。鍋に水と昆布で取った出汁に牡蠣を加えます。そして、酒や醤油で味付けをして取り出しておきます。
残りの煮汁は水と合わせて炊飯器のお釜に入れて米と一緒に炊きます。炊いたご飯に牡蠣をのせたら完成です。牡蠣は炊き込むと火が入りすぎて硬くなったり、小さくなったりしますが、牡蠣を後のせすることでちょうど良い硬さに調整することができます。
牡蠣の柚子胡椒和え
牡蠣には油を使わずに和え物にすることでカロリーをおさえられます。作り方は、牡蠣をしっかり洗ってから茹でます。そして水切りしたら、すし酢、醤油、柚子胡椒を加えて全体を混ぜ合わせたら完成です。
牡蠣のレモンスープパスタ
味付けはレモン果汁などを加えて低カロリーに仕上げたダイエットにもおすすめのパスタです。パスタは牡蠣やきのこなどの具材と一緒にスープに入れるとかさ増しにもなり満腹感を得られます。
具材にはきのこの他、お好みの具材を合わせていただいてもよいでしょう。作り方は、きのこなど具材を炒め、レモン汁で酸味を加えます。そこにコンソメスープの素、塩こしょうで味付けします。茹でたパスタを加えたら完成です。
おわりに
牡蠣は栄養価も高く、低カロリー、低脂質な食材なのでダイエット向きと言えるでしょう。しかし、調理法や味付けによってはカロリーも高くなってしまうので注意しましょう。できるだけ素材を生かすようなメニューであればカロリーも低く、ダイエット中の方でも安心して召し上がることができます。