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家事
佐藤 恵子

意外と知らない!きゅうりとごま油の相性の良さ

きゅうりが最盛期を迎える夏の定番レシピ、きゅうりをごま油で和えた1品が、実は夏の健康維持にとてもよい相乗効果があることを知っていますか? そこで今回は、きゅうりとごま油の相乗効果についてご紹介します。

きゅうりの栄養と効果

きゅうりは栄養もないのに、ビタミンCまで壊す酵素を持っているから、食べない方がよいらしいよ…と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

でも、それは少し前の話です。きゅうりが日本に根付くまでの歴史を紹介しましょう。

 

きゅうりの歴史

きゅうりを世界一食べているかもしれない国が日本だということ、知っていますか?まるで日本固有の食材かと思えるほどの浸透具合ですが、実は原産はインドのヒマヤラ産地だといわれています。

 

古代ギリシャからヨーロッパに伝わり、シルクロードを経て中国へ。日本に渡ったのは、西暦1000年前後の平安時代でした。しかし余り食べれらることもなく時が過ぎ、日本に定着したのは、明治になってからです。

 

きゅうりには栄養がないという間違った認識は、ギネス世界記録で、『世界で一番カロリーが低い果実』として登録されたものが、誤解して和訳されたのが原因です。

 

またきゅうりには、ビタミンC破壊酵素のアスコルビナーゼが含まれており、他の野菜のビタミンCを壊すから、食べない方がよいと囁かれた時代もありました。

 

実際、アスコルビナーゼは確かにあります。ほかの野菜が持つ還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変えてしまうのも事実です。しかし、身体に吸収された二つのビタミンCは、同じビタミンCとして作用することが判明しました。

 

一時期、悪者扱いされていたきゅうりですが、今では立派に夏野菜の立役者的ポジションを確保しています。

 

ごま油が夏の健康維持によい理由

 

ゴマ油は、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸という、健康に最適な成分を大量に含んだ油脂です。ビタミンEも含まれているため、酸化しにくく、加熱にも強いという特徴があります。

 

食事が不規則になったり、栄養のバランスが崩れがちになる夏は、健康リスクも増大します。汗をかくことで血液がドロドロになり、心臓に負担がかかってしまうのも、夏のリスクの一つかもしれません。

 

ごま油に含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロール値を低下させ、リノール酸は血中コレステロール値の軽減と血管を強くする作用があり、αリノレン酸は、血液をサラサラにします。

 

1年中、健康によい成分ですが、特に夏には必要な栄養素ではないでしょうか。ごま油は、熱にも強く、炒めてもこうした栄養素が壊れることはありませんが、脂質ですからカロリーが気になります。

 

ごま油のカロリーは、大さじ1杯あたり120キロカロリーほどです。ごはんに直すと、お茶碗半分ほどのカロリーですから、かなり高カロリーといえます。

 

ただし、この脂質の内、約80%を占めるのが、前述したオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸です。カロリーを気にしながらも、できるだけ沢山摂取したい油がごま油だといえるでしょう。

 

ごま油の歴史

ごま油の起源は、インダス文明だったことを知っていますか?油を搾取するために、最初に栽培された植物の一つといわれています。

 

ごま油は、白ごまを焙煎したあとに絞ったもので、焙煎の度合いによって、ごま油の色が変わり、名称も異なります。

 

酸化しにくい油であることは古代から認知されていたらしく、エジプトのミイラの保存にも使われていました。

 

そんなごま油が日本に伝わったのは、縄文時代ではないかとされています。ごま油が多様されるようになったのは、仏教の渡来と深くかかわりがあります。精進料理や燈油として、その香りを楽しむ、アロマ効果もあったようです。

 

栄養価などが見直され、今また脚光を浴びているごま油を、きゅうりと一緒に美味しく食べらえるのはうれしいところです。

 

きゅうりとごま油が相性抜群なわけ

 

夏場に身体を冷やす作用を持ち、ギネスに乗るほど低カロリーのきゅうりと、高カロリーながら貴重な成分を大量に含むごま油という組み合わせは、栄養価的にも抜群の相性と言わざるを得ません。

 

また、淡白なきゅうりに香り豊かなごま油という、味の面からも相性がよい組み合わせです。

 

そのうえ、火を使うことなく調理ができ、時間もわずか数分という、夏には有難いレシピが沢山あるという点も、うれしいところです。

 

おわりに

歯ごたえ、味、簡単さ、全てを加味したうえで、栄養価にも優れたきゅうりとごま油の相性の良さに、『やっぱり!』と思わずにはいられません。猛暑を乗り切るレシピの一つとして、きゅうりとごま油の常備は必須ですね。