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ガーデニング
Pacoma編集部

収穫量が変わる!「寒起こし」の正しい方法|家庭菜園

秋冬野菜の収穫が終わった農閑期にやっておきたいのが土の消毒作業「寒起こし」。春からの収穫量が格段にアップするので、畑で家庭菜園をされている方はぜひ実践してみてください!【家庭菜園の基本シリーズ】

加藤正明さん

練馬区の農業体験農園「百匁の里」園主。 NHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」では、栽培管理や講師を務める。著書に『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。

春の家庭菜園スタート前に土をリセット!

© PIXTA

秋冬野菜の収穫が終わって畑に空きスペースができてきたら、土壌消毒をしておきましょう。

土は、野菜を育て続けると病原菌や害虫が増えたり、疲れたりして育ちが悪くなるほか、収穫量が減ってしまいます。
しかし、土壌消毒を行うと、土の中に潜む病原菌や害虫が死滅して、健康な野菜を育てる効果が!土がリセットされて収穫量もアップするので、春の家庭菜園シーズン前にぜひ行ってくださいね。

土壌消毒にはいくつか方法がありますが、厳寒期にオススメなのが寒さを利用した「寒起こし」。
スコップ(シャベル)で深さ30㎝ほどのところまで土を粗く掘り起こし、寒さにさらして病害虫を死滅させる方法で、「寒ざらし」とも呼ばれます。

土の中に含まれる水分が夜に寒さで凍り、日中には表面が溶けて乾燥することを繰り返すことで土の水はけや通気性が良くなり、サラサラになる効果も。
さらに、米ぬかや堆肥、腐葉土などの有機物を投入すれば有用な微生物のエサになり、野菜の根がよく張るフカフカの土になります。

そして、病害虫の被害が深刻な畑では寒起こしの後、薬剤を併用するのがおすすめ。
中には使用後、1ヵ月ほどは野菜の栽培を避けた方がよい薬剤もあるため、農閑期のうちに散布を。
複数の方法を組み合わせて対策を行うことで、土のリフレッシュ効果が高まるのです。

【冬の土壌消毒にオススメの薬剤】

●石灰チッ素・・・センチュウ類、根こぶ病、一年草の雑草のタネなどに。冬は散布後、1ヵ月置いてから栽培を始める。 ●ホスチアゼート粒剤(ネマトリンエース粒剤など)・・・センチュウ類、ハダニ類などに。作付け前に散布。 ●フルアジナム粉剤(フロンサイド粉剤など)・・・アブラナ科の根こぶ病、ジャガイモのそうか病などに。作付け前に散布。

 

厳寒期に!「寒起こし」の方法

シーズンが切り替わる1ヵ月で土をリフレッシュするための「寒起こし」の方法をご紹介。
次のシーズン以降の生育を促すため、米ぬかをまくのもポイントです!

寒冷地は、12月、土が凍結してスコップが入らなくなる前に行いましょう。
関東以西は、1月中旬ごろ、最も気温が下がるタイミングで行うと効率が高くてGood。

【用意するもの1】スコップ

土を掘り起こすための道具で、別名「シャベル」。今回は、刃の長さが30㎝程度で先のとがった「剣スコ」を用意してください。

 

【用意するもの2】米ぬか

玄米を精白するときに出る皮や胚の粉で、リン酸が多いが、チッ素とカリも含む。食料品店などで食用に販売されているものでもOK。

 

「寒起こし」の方法

  1. 野菜の根を丁寧に取り除いてから、深さ約30cmまで粗く土を掘り起こす。スコップは刃の肩に片足をのせ、体重をかけて押し込み、テコの原理で刃を持ち上げて裏返すとうまくできる。

  2. 土を掘り起こし終わったところ。土を寒さにさらすことが大切なので、塊の表面積は広い方がよい。塊は時間をかけて自然に崩れるため、自分では崩さないよう気をつけて作業して。

  3. 表面が見えなくなる程度に米ぬかをまく。微生物のエサになり、滋味豊かな野菜を育てる土に。風が強い畑では、土を掘る前にまいて飛散を防ぐ。分解に時間がかかるため、農閑期の散布がおすすめ。

 

Finish!作業の約1ヵ月後、サラサラに!!

塊が崩れた土は、耕土が深くなると同時に水はけと通気性が改善され、根がよく張る土にレベルアップ。クワや耕運機で地表近くを耕すだけでは期待できない効果があります。

 

  1. 土がこの通り、サラサラに! これで春からの家庭菜園もばっちりですね。

【Point】サラサラになった土にさらに有機物をプラス

牛ふん堆肥または腐葉土で、土がよりフカフカに。一般的には牛ふん堆肥、水はけの悪い畑では腐葉土を2〜3L/平方メートルまき、クワでよく耕す。作付け前の土作りは、これとは別に通常どおり行う。

 

いかがでしたか?
「寒起こし」は地味な作業ですが、とても大事な作業です。春の家庭菜園シーズンを楽しむためにもぜ行ってみてくださいね。

写真/岡部留美
構成・文/北村文枝