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DIY
岡沙織

海外DIY事情〜オーストラリア編〜【家は自分で作るもの!?】

はじめまして。オーストラリア在住の岡 沙織です! 「給料未払い」「“正社員にしてあげる”詐欺」が横行するブラック企業を渡り歩き、30歳を過ぎてから海外に飛び出しました。現在はワーキングホリデーという名の人生の夏休みを謳歌しています。

何でも自分で作る! オーストラリアに根付くDIY精神

私は現在、オーストラリア人女性のお宅に間借りをさせてもらいながら生活しており、そのつながりで現地の友達や知り合いがたくさんできました。そこで一つ、日本との大きな違いを発見しました。それは……

「みんな何でも自分で作ってる!」

まずオーストラリアでは、自分の家に手を加えることに対する精神的なハードルがとても低いです。壁の色を塗り替えたり、テーブルや棚を手作りしたりするのは朝飯前。

たとえばこのコーヒーテーブル。なんと大家さんのお父様の手作りなんです!

近くでよくよく見ると手作りなのがわかりますが、遠くから見ると既製品にしか見えません。
 
 
キッチンの棚も、大家さんのお父様の手作り。デザイン製も高く、使い勝手も抜群。プロの家具デザイナーではなく素人が作ったというのが驚きです。

さらに、左のドアはもともとクリーム色でしたが、大家さんが好みの白に塗り替えたそうです。
庭も自分でタイルを敷いて、木や草を整理して拡げたという気合いの入れよう。これは決して珍しいことではなく、オーストラリアの家庭ではごく一般的に行われていることです。
 
 
そんな「DIY大国」オーストラリア。みんなどこでどうやってノウハウを学び、どうやって道具を仕入れているのでしょうか。

そこで頭に浮かんだのは、「ホームセンター」! みんながDIYを楽しむこの国は、きっとホームセンターが充実しているはず。日本のホームセンターとは全く違うかもしれません。
そこで今回は、オーストラリアの大手ホームセンターを取材してみました!一体どんなものがあるのでしょうか。

DIY用品の宝庫!オーストラリアの大手ホームセンター「BUNNINGS」に行ってみた

ということで、近所にあるホームセンター「BUNNINGS」に行ってみました! オーストラリア全土に275店舗(※)を展開している大手のホームセンターです。
(※2016年11月時点)

じゃーん!

外観はこんな感じです。なんと、朝7時オープン。早い……。

広々とした通路が、いかにも「海外のホームセンター」という雰囲気。

一見男性のお客さんが多いのですが、子どもが遊ぶためキッズスペースも設置してあり、家族連れで楽しめるよう工夫されています。なんとなく、私の地元(北海道)にあるホームセンター「ホーマック」を思い出します。懐かしいなあ……。

さて、次はさっそく売り場を見てみましょう! 一体どんなスペシャルな道具が売られているのか…!?

「家は自分好みに作り替えるもの」DIY精神を表す充実した商品たち

こちらはキッチンのシンク売り場。

日本でよく見かける「〇〇セット」「スターターキット」「初心者でも簡単!」といった親切な商品は全くと言っていいほどありません。「好きなものを選んで勝手にやれ」とばかりに家のパーツが充実しています。

こちらはバスルーム関連用品。シャワーヘッドも、自分の好きなものに付け替えて使います。我が家でも、大家さんがついこの間シャワーヘッドを付け替えたばかりです。
 
 

こちらはトイレ用品。便座がずらっと並ぶ様子は圧巻です。
こんなに選択肢って必要なんだろうか……。

便座は専門の業者さんにお任せするものだとばかり思っていましたが、ここではみんな自分で設置してしまうようです。

こちらはハケ・ペンキ売り場。
日本で行ったホームセンターでは、せいぜい10種類前後だったのですが……。
 
 
家の外壁や部屋の壁を自分の好みに合わせて塗り替えるのが一般的なオーストラリアでは、ハケやペンキの種類がとにかく豊富です。
「白」と言っても、黄色がかっているものからグレーっぽいものまで様々。それぞれの好みに妥協しないのがオージー流です。
 
 
こちらは照明売り場です。

オージーたちは庭いじりが大好き。花や樹木だけでなく、庭に置くテーブルからバーベキューセットにまですべてに気を配ります。
また、外で食事をするのが好きな彼らは庭の照明にも手を抜きません。家の雰囲気に合ったものを吟味して、照明を付け替えています。
 
 
BUNNINGSにはDIYのやり方を説明した冊子も売っています。
紹介されているのは「キッチン」「裏庭」「お風呂」などを丸々作るような大掛かりなもの。
「靴箱を一つだけ作る」とか「ドアノブをちょっと付け替える」という考え方ではなく、日本だとリフォーム会社にお願いするような工事をすべて自分でやってしまうのがオーストラリアの文化なのです。
 
 
みんな、カートにたくさん買い込んでいます。
みなさんの買い物カートをのぞいてみたところ、この時期はクリスマスに向けて、庭を飾るためのライトや装飾を買っている人が多くいました。庭のデコレーションにも気合いが入る時期ですね!

「自分で作ったから、愛着が持てる」 オージーのDIY精神から学ぶこと

ホームセンターの品揃えからもわかるように、オーストラリアのDIYとは「ちょっとした棚をつくる」というレベルではなく、「家を自分好みに作り替える」レベルの大掛かりなものなのです。

オージーたちは、自分でDIYしたものに愛着を持ち、長く修理しながら大切に使います。私が住んでいる家の手作り家具たちも、20年以上使い続けているものだそうです。

祖父母から親へ、親から子へ……とノウハウが引き継がれ、みな子どもの頃から家庭や地域のコミュニティの中でDIYのノウハウを学んでいるといいます。まさに「生活の一部」としてDIYが根付いているんですね!
 
みなに共通するのは、「自分がもっと心地いいと感じるように手を加える」「もっと愛着を持てるよう、ゼロからものを作る」という姿勢です。
日本の住宅は賃貸が多く、あまり大々的にいじれないという問題もありますが、「既製品に少し手を加えてより愛着を持てるようにする」という考え方は見習うべきなのかもしれません。日本でももっと気軽に、自分が心地良い空間をつくるためのDIYを楽しむ人が増えるといいなあ……。

それでは、今回はこのへんで!