- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
レモンをプランターで栽培!育て方・剪定・病害虫について紹介
レモンなどの柑橘類は庭木とてもおすすめの果樹木です。実だけではなく、花や葉も料理にも使えます。また育て方も簡単で、病害虫の被害が少ないので管理もシンプル!今回はレモンをプランターに植えた、育て方や剪定の仕方、病害虫の対策など解説します。
目次
プランターでもOK!庭木におすすめしたいレモン
レモンの基本情報
・科名:ミカン科
・属名:ミカン属
・原産:ヒマラヤ東部
・特性形態:常緑亜高木樹
・樹高:3〜5m
・耐寒性:やや弱い
・耐暑性:強い
・収穫:10〜4月
レモンはどんな植物?植木鉢やプランターの育て方について
レモンは暖かくて涼しい気候を好む植物。樹高も放っておくと5m近くまで大きく生長しますが、プランター栽培であれば、2m前後の高さに仕立てることができます。
幼木のうちは、8号から10号鉢で育ててあげますが、収穫をたくさん楽しみたい方は、大きめのプランターを用意しましょう。直径が48〜51cmで土の容量が40〜50Lほど入る16号や17号サイズで育ててあげてくださいね。
プランター栽培!レモンの育て方
レモンは日当たりのよい場所で管理しよう
暖かい場所で育つレモンは、日当たりのよい場所を好みます。耐寒性が弱く、氷点下を下回る場所では育ちにくいです。−3℃の環境だと枯れてしまうので、寒い場合はプランターを室内で管理しましょう。
ガレージなどで、ヒーターが用意できない場合は、不織布を頭から鉢まで被せて保温をしてあげてくださいね。また、ワラなどでマルチングをして冬越しさせましょう。
プランターの植え付けや用土の準備は、暖かい時期に
レモンの植え付け・植え替えは、暖かくなり始める3月下旬〜4中旬の間がベスト。根を寒さに当ててしまうと、とても大きなストレスとなり、弱ってしまうので注意です。
プランターで育てるなら、市販で売っている果樹木用培養土で育てるのが、簡単でおすすめ。鉢底石を敷き詰め、排水性、通気性を良くしてくださいね。
レモンの水やりや肥料のタイミング
植物の育て方で一番失敗しがちな水やり。特に冬場の水やりには注意が必要です。レモンの育て方も同様に、やり過ぎには気をつけながら与えます。鉢の表面が乾いて白くなったらたっぷりと与えましょう。
レモンは有機質の肥料を好むので、速効性のある発行鶏糞がおすすめです。けれども、臭いがあるので、魚粉や草木灰のペアでまいてあげると、栄養バランスも取れて育ちやすいですよ。3月、6月、10月に株の周りにまいてあげましょう。
幼木のうちは摘花、摘蕾、摘果した育て方がよい
レモンの木が植え付け2年未満の場合は、実がなり始めても、すぐに摘果しましょう。少しもったいないですが、株が大きくなるように生長を促進させてあげることがレモンの育て方のコツ。
開花や結実は、生長にとても負担がかかります。少しでも翌年に大きな実が収穫できるように花や蕾、実は全て取り除いてあげましょう。
プランターで育てるレモンの剪定の仕方
植え付けてから2年目に剪定をしよう!
レモンは植え付けてから2年目の春に剪定をします。3月から4月中旬が適期で、樹冠の中(木の内側)に日当たりや風通しが良くなるように透かし剪定をしてあげます。また、剪定は翌年に向けて、より実がつくようするためでもありますよ。
レモンの剪定の仕方
植え付けてから2年たった幼木は、枯れてしまった枝や、余計に伸びた枝、混み合った箇所を切るだけで大丈夫です。1.5m近くまで大きくなった株は、葉がこんもりとしていたら、日光が当たらない木の内側を間引いて、透かし剪定をしてあげましょう。
また外側に徒長した枝も切って、切り詰めるのもよいです。切り方は、分岐点の付け根(節近く)で切り落としてあげてくださいね。常緑樹は株全体の2割以上を剪定すると、生長が悪くなるので注意しましょう。
レモンに忍び寄る病害虫!育て方で気を付けるべき点
レモンの木に現れる病気
レモンには鋭いトゲがあり、風が強く吹くと幹や葉、実を傷つけ、傷口から病気を引き起こすことがあります。ミカンハモグリガの食害によってかかることもあるので注意しましょう。
・潰瘍病
柑橘系の果樹木に多い感染症で、葉や枝が擦れて発症することもあります。葉・枝・実に茶色い斑点ででき、ひどくなると落葉してしまうので、薬剤を散布してあげてくださいね。
レモンの木に集まる害虫
レモンはシトラスの香りがあるので、害虫の被害は少ない木です。けれども、そのシトラスの香りにおびき寄せられて、集まってくる害虫もいます。
・アゲハチョウの幼虫
アゲハチョウの幼虫が春にふ化し、夏にかけて葉を食害します。
・ミカンハモグリガの幼虫
ミカンハモグリガの幼虫は、夏の新芽、秋の新芽と致命的な箇所を食害しするので、見つけ次第捕殺します。
・カミキリムシ
カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)が、幹を食害します。数カ所であれば問題ありませんが、大量に発生した場合は、枯れてしまうので、見つけ次第捕殺しましょう。
レモンの木に実がならない⁉︎育て方を見直そう!
レモンの実がならない原因とは
レモンを育てていると、実がならなことがしばしばあります。その原因の一つに柑橘類にみられる現象の「隔年結果」です。実がなる時期とならない時期があり、豊作となる年はエネルギーを消耗し、翌年には実を落としてしまうという現象。
肥料をあげて体力を温存させてあげることも大事ですが、肥料のあげ過ぎは逆効果になるので、調整しながら与えてくださいね。
また、葉が少ないと結実しないことがあるので、剪定や病害虫対策など、一度見直して、様子を見ながらケアをしてあげましょう!
おわりに:
レモンはプランターで育てることで、コンパクトに仕立てることができ、実や香りを楽しむことができます。たくさん収穫するには、大きめのプランターが必要になるほか、正しい剪定をする必要があります。園芸店やホームセンターで、しっかりと道具や材料を集めて、レモンを育ててくださいね!