お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。
家事
佐藤 恵子

フリットと揚げ物って何が違うの?最近のフリット事情も解説

フリットも油で揚げて作りますし、揚げ物も当然油で揚げますから、どちらも揚げ物という大きな枠に収まります。それでも、漠然とその違いを知っているという人も少なくないのではないでしょうか?今回はフリットと、一般的な揚げ物の違いを、明確に分かるよう解説します。

フリットと揚げ物が全く別物の理由とは

 

揚げ物をカテゴリ分けすると、フライ、フリット、唐揚げ、天ぷらなどに分類されます。今回定義する揚げ物とは、パン粉をつけてカリっと、サクっと揚げるフライとします。エビフライやとんかつ、コロッケなどをイメージしてください。

 

同じように油であげるフリットですが、揚げ物というには、少し異質な感じがしませんか?食感も違いますし、中身の食材も違います。具体的に揚げ物とフリットの違いについて、真面目に考えてみましょう。

 

揚げ物とフリットの最大に違いは、衣です。そしてもう一つの違いが、食材です。少し詳しく紹介します。

 

揚げ物とは

肉や魚介が主な食材ですが、コロッケのようにつぶしたジャガイモなどもポピュラーです。普通、ご飯のおかずとして、メインを張ることもあるのが、こうした揚げ物です。

 

小麦粉を万遍無くまぶしたあと、卵液をくぐらせ、パン粉をつけます。そして油で揚げるという手順を経ることで、食材の持つ旨味を閉じ込め、食感をサクッと香ばしく仕上げています。

 

フリットとは

フリットはイタリア語で、油で揚げるという意味です。フリッターという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。イタリア語がフリット、英語がフリッターという違いがあるだけで、実は同じものです。

 

フリットの作り方のポイントは、固く泡立てた卵白(メレンゲ)を使用する点です。卵白のおかげで、外側はカリっと、中身はふわっと仕上がります。

 

食材もこれといった定義はありません。ブロッコリーなどの野菜を揚げても良いですし、加工食品も美味しくできます。おかずにもなりますが、オヤツにもなるのが、揚げ物とは一線を画す理由の1つです。

 

最近のフリット事情

 

フリットの特徴の1つである、メレンゲを使った衣ですが、最近は事情が少し変わってきてるようです。その理由として、メレンゲを作るのは重労働だということです。

 

コツを知っていて、作業に慣れてしまえば、特に大変な作業ではないメレンゲ作りですが、そうでない人にとっては、かなりやっかいな工程になります。

 

そこでメレンゲの代替えとして手軽に利用できるものが、最近話題になっています。メレンゲの代替えとは、ベーキングパウダー、ホットケーキミックス、炭酸水、ビール、重曹などです。

 

小麦粉をふわっとさせ、外側だけカリっとした食感にすれば良いフリットですから、確かにこれらの材料をませれば、それが出来というのも頷けます。

 

ホットケーキミックスには、甘みも加わっていますので、それを有効活用できる食材を選ぶと良いでしょう。例えばアメリカンドッグなどは、その代表的なものだといえるでしょう。

 

ビールのアルコールは、揚げる際の熱で飛んでしまいます。しかし、重曹は入れすぎると苦みを感じることがありますから、注意が必要です。

 

フリットと揚げ物の由来の違い

 

フリットはイタリア語で、フリッターは英語だと紹介しました。これらは、洋風の揚げ物てきなポジションを確立しています。当然のことながら、揚げ物とは全く違う由来があります。フリットと揚げ物の、由来の違いについて調べてみました。

 

揚げ物の由来

日本に揚げ物が伝わったのは、はるか昔の、平安時代だったと伝わっています。しかし、油の生成もままならかった時代のことですから、揚げ物とはいっても、米粉を練って、少ない油であげた唐菓子として伝わったものです。

 

揚げ物が重宝されたのは、精進料理としてでした。タンパク質を摂取するための方法として揚げ物が用いられたようですが、まだまだ一般的にはなりませんでした。

 

室町時代に入り、ポルトガルから天ぷらが伝わったのです。これを期に、揚げ物が庶民の口に入るようにはなりましたが、油が大量に作れる時代ではなかったため、まだまだ高級品だったようです。

 

揚げ物が庶民のおかずとして食卓にあがるようになったのは、明治時代中頃のことでした。コロッケやカツレツが定着したことで、御馳走という位置に定着しました。

 

フリットの由来

フリットは衣が違うということをお伝えしたばかりですが、実は衣が無くてもヨーロッパではフリットと呼ばれます。例えばフライドポテトは、ベルギーが発祥といわれていますが、その名もそのままフリッツです。

 

ラテン語の揚げるという言葉が、あちこちでフリットやフリッツ、フリッター、ベニエなどに変わっただけで、その意味合いや作り方に大きな違いはないようです。

 

では、フリットの衣は、どこが発祥なのでしょうか。発祥はイタリアというのが一般的です。

 

最初にポルトガルから天ぷらが伝わった時は、衣にはしっかりと味が付いていて、現代の天ぷらとは比べ物にならないような厚いものだったようです。そのため、フリットは、西洋天ぷらともいわれています。

 

イタリアでは、フリットに使用される食材も豊富で、定番の肉や魚介、野菜だけではなく、果物もフリットで楽しんでいるようです。

 

おわりに

フリットと揚げ物の違いを紹介しました。同じ油で揚げるものなのに、全く別物という印象があります。メレンゲの代わりに、ベーキングパウダーなどを使って、季節の食材を手軽に楽しめるフリットは、家庭のイベントとしても楽しめるかもしれませんね。