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カルチャー
Pacoma編集部

美しい自然が心をほぐす癒しの映画

新年度を迎え、新たな環境に身を置いたり、新しいことに挑戦したりする人も多いはず。 しかし、季節の変わり目はストレスを感じやすくなりがちです。そこで、今回は疲れた心を癒してくれる映画をご紹介します。 豊かな自然やゆったりとした時間の流れに癒されてくださいね。

疲れた心を癒す自然いっぱいの映画おすすめ4選

生活の変化や寒暖差で疲れが溜まりやすいこの季節に、美しい自然や風景が魅力的な映画に癒されてみませんか?

『やすらぎの森』2021年5月21日公開

神秘的なケベックの森で紡ぐ愛と再生の物語

カナダのケベック州の人里離れた深い森のなかで、世捨て人の老人たちがひっそりと暮らしていました。彼らは世間と関わりを持たず、湖のほとりにある小屋で静かな生活を送ります。そんなある日、彼らのもとに80歳の女性・ジェルトルードが訪れてきました。ジェルトルードは少女時代に不当な措置を受けて精神科療養所に入れられてしまい、なんと60年以上もの間、外の世界に触れずに生活してきたといいます。老人たちは身寄りのない彼女を受け入れ、ジェルトルードはマリー・デネージュという新たな名前で新しい人生を歩み始めようとするのですが、ある日山火事が起こってしまい…。

壮大な自然が広がるケベックの森

本作の舞台はケベックの雄大な自然です。ほとんどのシーンに自然が共存していて、ゆったりとした音楽と美しい自然に心洗われますよ。世間と交わらないで生きる孤独さや、人生の最後をどう迎えるかという重くなってしまいがちなテーマを、ケベックの壮大な自然が優しく包み込んでくれる映画です。

『やすらぎの森』公式HP
https://yasuragi.espace-sarou.com/

『リトル・フォレスト(夏・秋)(冬・春)』2014・2015年公開

春・夏・秋・冬の四季を映しとった4部作

かつては都会で暮らしていましたが、人間関係や街に馴染めず田舎に帰ってきたいち子。周りにスーパーさえない東北の小さな村・小森の豊かな自然のなかで、いち子は半自給自足の生活を送ります。自分で畑を耕して食物を育て、丁寧に料理をして季節を味わう―。移ろう季節とともに生きるいち子は、生きることの意味や命の尊さを体感していきます。そして、前を向いて生きる力を得たいち子は、ある決断をします。
生きるために食べる。食べるために作る。
本作は、いち子が料理を作るシーンを中心に物語が進んでいきます。季節の食材で作る料理はどれも美味しそうで、観ていてお腹が空いてしまいますよ。そして、料理をより魅力的にさせているのが音です。食材を切る音、炒める音、練る音、食べる音…。懐かしさや心地よさを感じる音に、誰もが惹きつけられるはず。ぜひ、いち子が奏でる料理の音にも注目してみてくださいね。

『日日是好日』2018年公開

お茶を通して体感する日常の愛おしさ

主人公の典子は、あれこれと頭で考える少し理屈っぽい性格。20歳になった典子は母に勧められて、いとこの美智子と一緒にお茶を習い始めます。お茶を教えてくれる武田先生は、頭で考えるのではなく、まずは形から入ることが大切だと典子たちに説きますが、典子は形式主義だと感じて最初は素直に受け入れらずにいました。しかし、お茶を続けていくうちに、日々の些細な変化に気が付くようになり、日常に愛おしさを感じるようになります。そして、就職や結婚、大切な人との別れを経験していく典子のそばには、いつもお茶が寄り添っていたのでした。

同じように降る雨でも聞こえ方がちがう?

典子は、決まりごとが多いお茶の所作を淡々と繰り返し稽古していくなかで、それまで同じように見えていた毎日に小さな発見をしていきます。雨は季節によって聞こえ方が微妙に違うことや、お湯は「とろとろ」と流れ、水は「きらきら」と流れることに気が付きます。
堅苦しいイメージのあるお茶ですが、その先には時間をかけてお茶と向き合った人だけが体感できる、自由な世界が広がっているのかもしれませんね。

『日日是好日』公式HP
https://www.nichinichimovie.jp/

『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』2017年公開

絵本作家ターシャ・テューダーの暮らし

アメリカで最も愛される絵本作家のひとりであるターシャ・テューダー。彼女は自然豊かなバーモントで一人暮らしをしています。本作は、10年間にわたってターシャを取材したドキュメンタリー映画です。
植物と自然を愛する彼女のつくった美しい庭は、世界中のガーデナーが憧れるほど。必要なものは自分の手でつくり、四季を楽しんで過ごすというシンプルな生き方や、ターシャの紡ぐ言葉の数々が心に沁みます。

「忙しすぎて心が迷子になってない?」

タイトルにもある‟静かな水”とは、「静かな水のように穏やかであること。周りに流されず自分の速さで進むこと」というターシャの言葉をもとにしているそうです。作中では、「幸せは自分で創り出すのよ」「思う通りに歩めばいいのよ」など、優しく語るターシャの姿が印象的です。みごとな庭や自然はもちろんのこと、ターシャの言葉にも心が洗われるような作品ですよ。

『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』公式HP
http://tasha-movie.jp/

おわりに

今回は日々の疲れを癒してくれるような、自然あふれる映画をご紹介しました。どの作品にも共通していることのひとつは、自然が奏でる音が美しい音楽になっているということです。自然の音色にも耳を傾けつつ、ゆったりとした時間の流れを感じてみてくださいね。

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慌ただしく過ぎていく日常から少し離れて、自然が魅力的な映画に癒されてみてはいかがでしょうか?