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カルチャー
Pacoma編集部

新学期を迎える前に観たい!教育&子育て映画

今回は4月の新学期を前に、教育や子育てをテーマにした映画をご紹介します! ある中学2年生のクラスに密着した話題作をはじめ、家族のありかたや世界の育児を追った作品などから、 日々の教育や子育てに役立つヒントが得られるかもしれません。

教育&子育て映画おすすめ4選

教育や子育てには、いろいろな形があります。子どもたちが育つ環境もさまざまで、正解がないからこそ、子を持つ親は常に迷い悩むもの。新学期が始まる前は、なおさらですよね。そこで今回は、教育や子育て、家族のありかたなどを描いたおすすめの映画をご紹介。何かひとつでも、ヒントになるような発見がありますように。

『14歳の栞』2021年3月5日~順次公開

中学「2年6組」35人全員に密着

とある中学校の「2年6組」35人全員に密着したドキュメンタリー映画です。この映画には、特定の主人公はいません。そして、大きなストーリー展開もありません。そこにはリアルな14歳の少年少女たちがいるだけです。ただただ中学生の日常を追ったシンプルな映画ですが、子どもと大人の間で揺れ動く繊細な心情がダイレクトに伝わってきます。
この映画が映すのは、かつて自分たちが通ってきた道です。彼らに自分を重ねて苦しくなったり、嬉しくなったり、沸き起こる感情は観る人それぞれでしょう。14歳の心に立ち返ることができる作品です。

竹林亮監督と企画屋・栗林和明の最前線コンビ

竹林監督はYouTube短編映画やリモート演劇など、さまざまな表現を追求しています。2020年ショートショート フィルムフェスティバル & アジア / Branded Shorts of the Yearを受賞するなど今後の活躍が楽しみな監督です。
そして本作を企画したのは、JAAAクリエイターオブザイヤーの最年少メダリストである栗林和明さん。アメリカの広告・マーケティング誌『Ad Age』の「40 under 40(世界で活躍する40歳以下の40人)」でアジアから唯一選出された逸材です。そんな最先端を行く2人がつくりだす温かみのある映像も見どころですよ。

『14歳の栞』公式HP
https://14-shiori.com/

『モンテッソーリ 子どもの家』2021年2月19日公開

20世紀初頭に考案された話題のモンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、アマゾンやグーグルなどの有名企業の創業者や、天才と呼ばれる藤井聡太棋士など、世界で活躍する人物たちが受けてきた教育として注目されています。2年3カ月の間、フランス最古のモンテッソーリ学校に通う子どもたちの成長の様子を追った本作には、モンテッソーリ教育のメソッドが詰まっています。子どもたちの邪魔をせず静かに観察するために、教室に小型カメラを設置して撮影を行ったそうですよ。子どもたちの生き生きとした成長の場面をとらえたドキュメンタリー映画です。

子どもたちはお仕事が大好き!

子どもたちは自ら進んで「お仕事」に集中して取り組みます。子どもたちにとってのお仕事は、実にユニークです。文字を書いたり、計算をしたりする子もいれば、マットと格闘したり、料理をしたりする子もいます。大人が指示をするのではなく、子どもたちがやりたいことを自分で選び、その仕事に没頭しているのだそうです。大人は子どもの邪魔をせず、観察することが大切なのだとか。そして、モンテッソーリ教育は子どもに褒美や罰を与えないのも特徴です。そのほかにも、本作ではさまざまなモンテッソーリ教育のメソッドが紹介されています。近年注目の教育法を映画で学んでみてはいかがでしょうか?

『モンテッソーリ 子どもの家』公式HP
https://montessori-movie.jp/

『きみはいい子』2015年公開

社会問題を扱いながらも希望のある作品

発刊当時大きな反響を呼んだ短編小説集「きみはいい子」が原作となっています。本作は、さまざまな悩みを抱える人たちが希望を見出していく物語です。
まじめだけど優柔不断な小学校の新米教師・岡野(高良健吾)をはじめ、継父からネグレクトを受けている子どもや、過去に虐待を受けていたことで、自分の娘にも虐待をしてしまう母親(尾野真千子)、自閉症の子をもつ親や、認知症におびえる孤独な老人などが登場します。社会問題や教育問題を扱いながらも、それぞれが現実と向き合い、人とのつながりのなかで未来を紡ぐ姿を描いています。

「家族に抱きしめられてくる」という宿題

新米教師の岡野は生徒たちとまっすぐ向き合うなかで、「家族に抱きしめられてくる」という宿題を出します。後日岡野が感想を聞いた時の、生徒たちのなんとも幸せそうな表情が印象的です(このシーンは岡野の生徒たちのアドリブだそうです)。
抱きしめてあげなければならないのは、子どもだけではありません。現実に苦しみながら生きる大人も抱きしめられることを必要としています。教育や子育てだけでなく、さまざまな悩みに直面する人たちが前を向いて生きるきっかけになるような作品です。

『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』2016年製作

世界にはいろんな育児のかたちがある

本作は、専業主夫として子育てすることを決意した男性や、前例の少ない女性同士の同性婚家族、そして里親となって子供を育てる家族など、9カ国の育児の現場を取材してつくられました。家族の多様性や子育てが社会に与える影響などに迫った育児ドキュメンタリーです。
エステラ・へネル監督は、乳幼児期の人間関係が世界を素晴らしいものにするのだと語ります。脳科学者や教育研究者だけでなく、世界的なファッションモデルのジゼル・ブンチェンや、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授など、さまざまな領域で活躍する人々のコメントにも注目です。

子どもの成長に大切なものとは?

就学前の乳幼児期の脳はすさまじい速さで発達し、その後の人格の土台がつくられる重要な時期だといいます。この成長過程で大切なのは大人との触れ合いです。本作は、さまざまな文化や社会背景にある子どもたちの生き生きとした様子と、子どもたちのそばにいる大人たちのリアルな姿をとらえています。育休後の職場復帰に悩む母親や、娘たち夫婦の代わりに孫の面倒をみる祖父母、両親を亡くして幼い兄弟の面倒をたった1人でみる少女など、多様な家族や育児のありかたを覗いてみませんか?

『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』公式HP
https://www.uplink.co.jp/hajimari/

おわりに

今回は、青春時代に立ち返るような映画から、教育論をクローズアップしたドキュメンタリー映画まで、教育や育児を切り口におすすめの作品をご紹介しました。時代とともに教育や子育てのスタイルは変わっていきますし、近年は家族のかたちも多様化しています。教育や子育てを考えることは、社会を考えることなのかもしれませんね。

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子育て中の方も、そうでない方もぜひご覧くださいね!