- 津久井 玲子
- 自分が仕事の中で勉強したことを、わかりやすさ、伝わりやすさに気をつけて書いています。読んでくださった方にとっても、読んでよかった、勉強になったと思える記事を目指しています。
バゲットを食べきりたい!賢い切り方と食べ方を徹底解説
バゲットを1本買いしても食べられるのはせいぜい半分。そう感じる人は多いのではないでしょうか?ハーフサイズで売っているお店も見かけますが、切り方と食べ方を工夫すれば1本丸ごといけちゃうのです。バゲットの切り方や食べ方についてご紹介します。
意外と食べきれない?バゲットの切り方で解決
バゲットはパンの中でもサイズの大きいパンです。しかし、同じようにサイズが大きい食パン1斤と比べた場合、食パンと違って食べきりにくいという意見もよく見られます。バゲットと食パンの何が違うのでしょうか?
バゲットといえば、常に斜め切りで料理に添えて食べるだけ、という人が多いようです。それに対して食パンは、同じようにスライスするだけでも、食べ方が多いから食べきるのも簡単と感じるのでしょう。
実はバゲットもさまざまな切り方があり、切り方に合った食べ方も多いのです。バゲットの切り方やおすすめの食べ方のほか、バゲットについてのちょっとした雑学もご紹介します。
バゲットは部位別にいろいろな切り方がある
バゲットは常に斜め切りという人は、まずはそこから変えていきましょう。バゲットは部分ごとにおすすめの切り方があるのです。
まずはバゲットの端っこの切り方から。縦に薄くスライスすれば、皮の部分はカリっとしながら中の部分はもっちりとした食感を楽しめます。切り方を変えてサイコロ状にしても、さまざまな料理の付け合わせやアクセントにおすすめです。
端っこの次はまた切り方を変えましょう。ある程度の長さに切ってから、縦に半分に割っておしまいです。皮は硬くてバゲットは苦手という人でも、片面だけになるだけで意外と食べやすくなります。
もちろん斜め切りも中央部分おすすめの切り方です。クラムと呼ばれる柔らかいパンの中身の部分の表面積が広くなる分、厚さによっていろいろな食べ方で楽しみやすくなります。いつもの斜め切りも厚さを変えて、さまざまな料理に使ってみるとよいでしょう。
輪切りも中央部分おすすめの切り方です。斜め切り同様に、厚さを変えることでいろいろな食べ方があります。ちょっとつまむ時にも適した切り方なので、斜め切りとはまた違った食感を楽しみたい時にピッタリです。
ほかにおすすめの切り方としては、縦にしてスティック状に切ってもよいでしょう。香ばしい皮を楽しむために放射線状に切ってもよし、皮が苦手という人用に皮のないスティックもできるように切ってもよしです。
いつも斜め切りしかしたことがないという人が多いといいますが、バゲットは部位ごとにこんなにもたくさんの切り方があります。バゲットを切ったら次は、切り方ごとにおすすめの食べ方をご紹介しましょう。
バゲットの切り方別おすすめの食べ方
バゲットの端っこを薄く切った場合は、サンドイッチがおすすめです。皮の部分がカリッとした食感を生み出し、中のクラムももっちりとした食感を堪能できます。このように異なる食感を楽しめる切り方は、食材ごとの食感を活かすサンドイッチがピッタリなのです。
また、サイコロ状に切った場合は、オリーブオイルで炒めたり揚げたりして、クルトンにして使うとよいでしょう。スープに浮かべるだけでなく、サラダに散らしてもよいアクセントになります。
縦に半分に割った場合は、本場フランスにならってタルティーヌにするのもおすすめです。ジャムなどをぬったり、さまざまな具材をのせたりすれば、簡単におしゃれなタルティーヌになります。チーズを散らしたピザ風タルティーヌなら、ワインとも相性抜群です。
斜め切りもさまざまな食べ方ができる切り方といえます。食事に添えてもよいですが、オープンサンドイッチにするにもピッタリです。薄く切った場合にはカナッペに、厚めに切った場合にはフレンチトーストにと、いろいろと使い勝手のよい切り方といえます。
輪切りに切った場合も斜め切り同様に、カナッペやサンドイッチにおすすめです。ただし、輪切りは斜め切りよりも安定する切り方のため、三層くらいの高さのタワーサンドなどにも使えます。スープやソースなどを浸み込ませて食べても美味しいです。
スティック状に切った場合は、野菜スティックのようにディップなどをつけて食べるとよいでしょう。皮の部分とクラムの違いを楽しむのも一興です。このようにバゲットは切り方次第でさまざまな食べ方ができるので、食べきるのは意外と簡単なパンといえます。
バゲットの切り方というとなぜ斜め切り?
日本ではバゲットというと斜め切りのイメージが強いですが、本場フランスではご紹介したようにさまざまな切り方で楽しむのが普通です。ではなぜ日本ではバゲットというと斜め切りになってしまったのでしょうか?
これにはいくつか説がありますが、1つにはアメリカ人からの影響といわれています。日本に来ていたアメリカ人がバゲットを食べる際斜めに切っているのを見て、「斜め切りがバゲットの正式な切り方なのだろう」と思ってしまったというものです。
本場イタリアではパスタを食べる時にスプーンを使わないのに、日本ではアメリカ人の食べ方を見てスプーンを使う食べ方が定着したという話があることから、意外と有力な説といえます。
他ではバゲットがフランス語では「杖、棒、剣」という意味があるように、昔の日本のバゲットはとにかく固いパンだったからという説です。今でこそだいぶ柔らかくなりましたが、かつてはかみ切るのも大変だったとか。そこで食べやすいように斜めに切ったというのです。
このほかにも説がありますが、いずれにせよ日本ではバゲットは斜め切りが一番定着した切り方なのは間違いありません。もっと本場フランスのように、さまざまな切り方で楽しんでみてください。
本場フランスではバゲットは主食
日本ではバゲットをトーストしたり、バターをぬって楽しんだりしますが、本場フランスでは異なります。バゲットはトーストせずにそのままの状態で食べるのが常識。歩きながら食べることも珍しくありません。
パン屋は早朝から開き、毎朝その日に食べる分のバゲットを買いに行きます。バゲットは日本のものより色濃く焼かれ、外側は日本のものよりも硬くカリカリです。しかし中身は柔らかく、日本のものよりも若干塩気が多いとか。
焼きたてパンにこだわるためか、トースターを使うのは少数派なのも日本と違う点です。日本人にとっては菓子パンや総菜パンも「パン」ですが、フランスでは「主食のバゲットだけがパン」だといいます。フランス人にとってバゲットは、日本の米のように特別なものなのです。
おわりに
バゲットは切り方によってさまざまな食感を楽しめるパンです。本場フランスでは主食ということもあり、1人で1本食べてしまうことも当たり前だといいます。なかなか1本は食べきれないという人は、切り方と食べ方を変えてみるだけで翌日まで残るということはなくなるはずです。バゲットの美味しさを再発見してください!