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ガーデニング
河村ゆかり

誰かに話したくなる!2021年の干支「牛(cow)」を名に持つ植物5選

2021年の干支は丑年。牛(cow)を名に含む植物を集めてみました。「いったいどんな植物なの?」「家で育てられるの?」などなど、ガーデナーなら興味津々の情報をお届けいたします。

名前に「牛(cow)」が入る植物は多種多様!

あるものは、ジャムやジュースにすると美味な果実。かたや野山に自生する山菜、かつては神事に用いられたものや、花の美しいつる性植物…同じ「cow」の文字を含む名前でも、そのプロフィールは多彩です。

 

コケモモ(Cowberry)

直訳すると「牛のイチゴ」。コケモモ(ツツジ科)は、樹高10~40㎝程度の小型の常緑樹です。コケモモは、北半球の寒冷地に多く自生しています。6~7月にベル型の白、もしくは薄いピンク色の花を付け、8月の終わりから10月にかけて、赤い実を収穫できます。

コケモモの実にはポリフェノールがたくさん含まれ、健康効果にも期待が高まる注目株。酸味が強いので生食には向きませんが、ジュースやジャムにすると美味しくいただけます。

コケモモの苗木は、園芸店などでよく流通しており、家庭で育てることも容易。ブルーベリーの近縁種にあたり、ブルーベリー同様に酸性土壌でよく育ちます。プランターや鉢栽培するのなら、ブルーベリー専用土を使うと手軽です。

土壌改良するなら、ピートモスをすき込んで酸性にするとよいでしょう。植え場所は、半日蔭~日向で、水はけのよい場所が最適。

北欧の森にも自生するコケモモは、マイナス15度の低温もものともしませんが、耐暑性は低いのが特徴です。夏場は涼しい環境で育ててください。

 

シャク(Cow parsley)

「ヤマニンジン」の別名もあるシャク(セリ科)の英名を直訳すると、「 牛のパセリ」。日本の林や土手など自生する、薬効豊かな山菜です。特に、落ち葉がたい肥となってよく肥えた、少し湿った場所で群生が見られます。

シャクは、草丈70〜150㎝と大ぶりですが、茎は細く、にニンジンのような葉を茂らせます。また、セリに似たさわやかな香りも。4~5月には白い花を咲かせます。

柔らかな葉は春に摘んで、おひたしや天ぷらにして食用に。根茎を乾燥させたものは、滋養強壮や消化不良の改善が期待できる生薬となります。またシャクは、古代に神事に用いられていたのだとか。米粒に似た「さく米」と呼ばれ、そこから転じて「シャク」の名となったという説があります。

シャクの苗は、山野草専門店などで入手可能です。腐葉土などをすき込んで土壌改良した半日蔭に植えてください。

 

アメリカノウゼンカズラ(cow itch vine)

アメリカノウゼンカズラ(ノウゼンカズラ科)の英名は「cow itch vine」。単語を分解すると、「牛・かゆみ・つる」です。

語源ははっきりしませんが、ノウゼンカズラは昔から皮膚炎などを起こすといわれているため、「かゆみ」を意味する言葉が含まれるのかもしれません。

アメリカノウゼンカズラは北アメリカ南東部を原産とする、ノウゼンカズラの仲間です。比較的小型で、6~9月に咲く赤みを帯びたオレンジ色の花も、ノウゼンカズラよりミニサイズ。アメリカノウゼンカズラの苗は、園芸店などでよく流通していて、かんたんに入手可能です。

適度な湿度を持つ、日向もしくは半日陰に植えましょう。生育力旺盛はつる性植物で、上手に誘引すればツルを10mにものばします。つるをどんどん伸ばし、10mもの長さになることも。

壁に這わせて壁面緑化や、藤棚のように仕立てて夏の日陰づくりにも活用。とても丈夫な植物で、ビギナーでも十分栽培できます。

 

クサフジ(cow vetch)

クサフジ(マメ科)は「cow vetch」。「vetch(ベッチ)」とは、緑肥や飼料に利用されるマメ科の植物の総称です。クサフジを緑肥にする場合は、まず種苗会社などでタネを購入。

収穫が終わった田んぼや畑にタネをまき、地面を覆うように繁茂させます。そして次シーズン、農作物を栽培する前の土づくりの際、クサフジを土にすき込んで耕し、肥料とします。

クサフジはその名の通り、フジのような青や紫色の花を付けます。花房のサイズは6~15㎝ほど。びっしりとカーペット状に広がって、群生する様子は見事です。

草藤は、日当たりのよい土手などに自生も。そのほか、よく似た姿の外来種が帰化し、野生化しています。

 

ドウカンソウ(cow herb)

ドウカンソウ(ナデシコ科)は「cow herb」、直訳すると「牛の薬草」です。その名は大げさではなく、日本では江戸時代、道灌山の薬草園で栽培されていたことから「道灌草(ドウカンソウ)」と名付けられたといいます。

また、別名「サポナリア・バッカリア」の「バッカリア」は、ラテン語で「牝牛」のこと。家畜の飼料としてドウカンソウが用いられていたことが、その語源だといいます。

なお、「サポナリア」の名前で流通することがありますが、「ソープワート」の異名を持つ「サポナリア」とは別属に分類されます。

ドウカンソウは、草丈30~60㎝。カスミソウに似た、花径2㎝ほどの小花を4~6月に咲かせます。切り花にするのもおすすめです。園芸店などで苗やタネや苗を入手できますので、半日蔭~日向で育ててください。

 

おわりに

同じ「cow」がついても、いろいろ個性的な植物たち。苗や種が手に入ったら、ぜひ育ててみてくださいね。