- 津久井 玲子
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【2021年版】節分や恵方巻の由来と恵方巻の方角
節分といえば、まめまきと恵方巻を思い出す人が多いのではないでしょうか?行事の1つとして楽しんでいますが、その由来は意外と知られていないものです。節分や恵方巻の由来のほか、2021年の恵方とされる方角がどの方角かをご紹介します!
節分の由来は?2021年の恵方巻の方角はどっち?
節分の日にはまめまきだけでなく、恵方巻を食べる人も増えているといいます。ではこの節分とはどのような日のことをいうのでしょうか?節分の由来や恵方巻を食べる時の方角がどのような方角なのか、基本をきちんと理解しておきたいものです。
そこで本記事では節分や恵方巻の由来だけでなく、恵方巻を食べる時の方角についても調べてみました。これまではただ行事として楽しんでいただけという人も、その意味を知ることで節分がもっと身近な行事になること、まちがいなしです!
節分の由来
節分には元々はっきりとした意味があります。「季節の分かれ目」のことを指し、春から夏、夏から秋などのように、季節が移る前日のことをいうのです。この季節を意味するのが、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」。今でも暦の1つとして、耳にすることがある言葉です。
そんな季節の中でも春は特別な日で、昔は1年の始まる季節でした。その前日である節分が特別なものとなり、今では立春前の節分が行事として残っているのです。つまり節分とは、新年の前日に厄祓いをする日を指しています。
そんな節分ですが、実際は年によって日が変わるのをご存じでしょうか?節分は1年を24の季節に分けた「二十四節季」の1つに当たりますが、太陽との位置関係で春分・秋分の日のように日が変わるのです。そして今年が節分の日が変わる年にあたります。
2021年の節分は、立春が2月3日のため2月2日になるのです。実はここ36年間、節分は2月3日でした。久しぶりに節分が変わるため、違和感を感じる人も多いかもしれません。2022年は2月3日に戻りますが、2025年にはまた2月2日になります。忘れないようにしたいものです。
節分で使う「柊鰯(ヒイラギイワシ)」の由来
節分になるとヒイラギの枝に焼いた頭だけのイワシを刺して、柊鰯(ヒイラギイワシ)と呼ばれる飾りを作って玄関に飾ります。西日本では「焼嗅(やいかがし)」や「やきさし」などさまざまな呼び名があり、地域によっても風習は異なるので注意が必要です。
柊鰯(ヒイラギイワシ)の歴史は古く、平安時代にはすでにあったことが「土佐日記」の記述からうかがわれます。江戸時代の浮世絵にも登場するこの柊鰯(ヒイラギイワシ)は、何のために飾られてきたのでしょうか?
実は昔からニオイの強いものや鋭くとがった物には、魔除けや厄除けの効果があると信じられてきたのです。ニオイの強いイワシの頭と、鋭いトゲを持つヒイラギの葉がついた枝の組み合わせは、家の中に悪いものが入ってくるのを防ぐために飾られてきました。
ヒイラギの葉のトゲは悪いものの象徴でもあった鬼の目を刺し、焼いたイワシの頭はそのニオイで鬼を寄せつけないといわれるほか、逆にニオイでおびき寄せてヒイラギの葉のトゲで鬼の目を刺すともいわれています。
では柊鰯(ヒイラギイワシ)はいつからいつまで飾っておけばよいのでしょうか?答えは節分から立春の2日間が一般的です。また処分する時は「神社に持って行く」か、「半紙に包んでから塩をふってお清めをし、それからゴミとして捨てる」とよいでしょう。
節分で恵方巻を食べるようになった由来
恵方巻の起源にはいくつもの説があるため、はっきりしていません。「大阪で商売繁盛を祈願するため商人が始めた」「海苔巻きの色から鬼の金棒に見立て、厄払いのために食べた」などありますが、始まったのは江戸時代末期ごろというのが一般的なようです。
元々の名前は「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」が多かったとされ、共通事項として七福神にあやかり具は7種類が基本であり、今も恵方巻は7種類の具を巻くこととされています。
元々恵方巻は、大正時代ごろから大阪の一部の地域の文化として定着しましたが、戦後に復活した後からはより太く変化していきました。その後1970年代のマスコミによる報道や、1980年代のコンビニの経営戦略として広まり、今では全国的な文化になったのです。
恵方巻の正しい食べ方は?
恵方巻は「縁を切らない」ために、食べにくくても切らないままで、1本丸ごと食べきりましょう。また恵方と呼ばれる縁起のよい方角を向き、黙ったまま願い事を思い浮かべて最後まで食べます。
恵方とはその年の幸運をもたらしてくれる「歳徳神(としとくじん)」が住まうとされる方角です。神に願いを届けるためにも恵方の方角を向いて食べましょう。
また恵方巻を黙ったまま食べきる理由は、食べている途中で声を出すことは、運を逃してしまうことにつながります。そのため最後まで声を出すことなく食べきることが、願いの成就に欠かせないとされるのです。
2021年の恵方巻の方角は?
2021年の恵方の方角は「南南東やや右」という、一般的に考えるとちょっとわかりにくい方角です。この「やや右」というのは、一体どこからきているのでしょうか?
現在の生活で使われている方位は、東西南北の4方位のほか、北東のように漢字2字を使う8方位、さらに北北東のように漢字3字を使う16方位、そして滅多に使うことはありませんが、「微」の字を使う32方位です。
それに対して昔に使われていた方位は、中国から伝わった十干(じっかん)などを基準とした24方位でした。そのため現在の方位とはズレが生じてしまったのです。この「やや右」は省略されることも多いですが、正しい知識として知っておきたいことといえます。
恵方とされる方角は4つしかない?
毎年変わる恵方の方角。面倒に感じることもありますが、実は4つしかありません。ほぼ東でちょっとだけ北寄りの「東北東やや右」、ほぼ西でちょっとだけ南寄りの「西南西やや右」、ほぼ南でちょっとだけ東寄りの「南南東やや右」、ほぼ北でちょっとだけ西寄りの「北北東やや右」の4つです。
これらの方角の順番は十干(じっかん)の順番になっています。しかし4つの方角に10個の字が割り当てられているため、かぶりがあるのです。「南南東やや右」に4つの字がかぶっていることから、恵方は「ほぼ南」の割合が高くなっています。
おわりに
節分はかつては新年を迎える前の厄祓いの日でした。行事として行われる日は変わったものの、その精神は変わっていません。今年の節分も恵方の方角を向きながら恵方巻をほおばって、願いを神様に祈ってみてはいかがでしょうか?