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家事
佐藤 恵子

今さら人に聞けない!知っていると便利な包丁の切り方基本と応用

包丁の切り方の基本は2種類です。そのほか、食材の用途に合わせた切り方があります。どちらも、覚えておくと役に立つ包丁の切り方です。素材の風味を壊さず、見た目にも気を配った包丁の切り方を紹介します。基本ですので、しっかり覚えてくださいね。

包丁の切り方基本は2つ

包丁の切り方、基本は二つです。包丁の刃を押しながら切るのを押切といい、一方、引きながら切るのを引き切りといいます。切る食材に合わせて、切り方を選ぶ必要があります。

 

押し切り

包丁に力を加えることができる押し切りは、硬い食材を切るのに適した切り方です。野菜などを包丁で切るのがこの方法です。特に硬いかぼちゃなどは、両手を使って包丁の刃をグイグイと押して切ることがありますが、包丁の押切の代表的な使い方です。

 

引き切り

包丁を引いて切る切り方は、柔らかい肉や魚、巻きずしなどを切るのに適しています。刺身を作るときなど、包丁の柄に近い部分から刃を入れて、引きながら切り分けるのを見たことがある人も多いでしょう。

 

力が入らない分、食材の表面を滑らかに切ることができ、細胞をつぶさないので、ドリップを出さずに切ることができます。

 

包丁の切り方応用編

 

包丁の基本の切り方を理解した上で、特に野菜の切り方の特徴を紹介します。野菜には、調理法や素材に適した切り方があります。覚えておくと便利なので、ぜひ参考にしてください。

 

いちょう切り

銀杏の葉のような形に切る切り方です。大根や人参などに使われることが多い切り方で、汁物などに向いています。

 

先に1/4に縦割りしたものを切っていく方法と、輪切りにしたもの十字に切って扇形にする方法があります。厚さは調理する内容によって、好みで調整してください。汁物は薄めに、煮物炒め物は厚めに切るのが一般的です。

 

薄切り

人参やきゅうりなどを、幅1㎜程度か、それ以下に切ることをいいます。サラダや酢の物など、生で食べる調理に向いています。丸いまま切ったものは輪切りとし区別しますが、薄切りの形状は定義されません。

 

斜めに切ると、斜め薄切りといいます。

 

角切り

材料を立方体に切る方法です。見た目の美しさを重視したり、他の食材と形を合わせたりするときなどに使われます。

 

飾り切り

お店でいただくてんぷらや煮物に、美しい飾り切りを見かけることがあります。自分でできたら良いなぁと思いませんか?

 

とても簡単な、4種類の飾り切りを紹介しますので、ぜひ試してみてください。

 

  • しいたけの飾り切り

がくを落としたシイタケの表面に、1㎝~2㎝の幅で切り込みをいれます。包丁をV字に、両側から入れると、キレイにできます。

 

大きなシイタケなら4本、小さなシイタケは3本を目安に、中心を交差させるように切ると、美しい仕上がりになります。

 

  • レンコンの飾り切り

レンコンを花のように見立てた花レンコンの切り方です。レンコンは繊維が強いので、一気に作ると失敗しがちです。

 

レンコンの皮を向いた後、3㎝~5㎝の長さに切ります。レンコンの一番外側の穴を目安に、隣の穴との間にある実を、V字に包丁をいれ切り落とします。

 

全て切り落としたら、角ばっているところだけ、軽く修正してください。あとは好みの厚さに切れば、花レンコンの出来上がりです。

 

  • 手綱こんにゃくの作り方

くるんと縄のように捻じれたこんにゃくを、手綱こんにゃくといいます。こんにゃくの幅が広すぎたり、肉厚だったりすると、美しい手綱こんにゃくにはなりませんので注意してください。

 

目安は幅8㎜~1㎝、長さ4㎝~5㎝、厚さ2㎜程度に切った長方形のこんにゃくです。

 

包丁の先端で、こんにゃくの真ん中に、縦の切り込みをいれます。この時、こんにゃくを切り離さないよう注意してください。切込みの上下は、5㎜程度残すように切りましょう。

 

切り込みを入れたこんにゃくの片方の端を、切り込みにくぐらせます。これで手綱こんにゃくの出来上がりです。この後、沸騰したお湯に入れてあく抜きをすると、形が崩れずに調理ができます。

 

  • ねじり梅の作り方

梅の形をした人参の作り方です。梅の形は型抜きを使いましょう。数ミリの厚さに輪切りにした人参を、型で梅の形に抜きます。梅の花びらどうしの境目になるところに、包丁で切り込みを入れます。花びらの真ん中から、切り込みに向けて、斜めに包丁をいれます。

 

花びらの半分を切り落とすことで、ねじり梅が完成します。

 

くし形切り

文字通り、髪に挿す櫛の形にきる切り方です。丸い玉ねぎや、キャベツなどに使われます。芯を中心に放射線状に切る方法で、スープやBBQなどに向いています。

 

小口切り

長く丸いものを、端から切る方法です。端のことを小口というため、小口切りといわれます。薬味に使うネギなどを切るときに使われます。

 

さいの目切り

角切りを、もっと小さくしたものです。サイコロをイメージした切り方ののため、さいの目切りといわれます。スープなど、根菜類の形を揃えたいときなどに使用します。

 

ざく切り

ザクザクと、一口大に野菜を切る方法です。炒め物などの使うキャベツや、白菜など、大きめの葉物野菜によく使われます。

 

ささがき

ささがきごぼうが、一般的ではないでしょうか。鉛筆を削るように切り落とす方法で、切ったものが笹の葉に似ていることから、ささがきと呼ばれます。歯ごたえを残しつつ、味をしみこませる料理に向いています。

 

短冊切り

短冊のように、薄い長方形に切る切り方です。家庭料理では、材料の余りがでてしまうことが多いため、使われることは少ないですが、見た目の美しさに拘るときの切り方の一つです。

 

半月切り

大根や人参などの丸い野菜を、半月の形に切る方法です。厚さは調理法のよって様々です。例えばおでんに入れる大根であれば、2㎝程度の厚みに切ると、出汁が沁みて美味しいなどの例があります。

 

拍子切り

火の用心とたたく拍子木のような、直方体にする切り方です。この形を薄く切ったものが、短冊切りです。餡をかけた先付けなどの料理で見かけます。太めのフライドポテトなどにも向いています。

 

細切り(千切り)

野菜を細く切る方法です。キャベツであれば、葉の芯を取り、丸めて端から細く切ります。人参や大根などは、薄切りをした後、あるいは短冊切りの後に細く切ります。

 

みじん切り

玉ねぎなどを細かく切る方法です。基本的には、別の材料に混ぜたり、ソースにしたりするときに使います。

 

乱切り

大根や人参、きゅうりなどの長い野菜を、まな板の上で転がすように向きを変えながら、一口大に切る方法です。表面積が大きくなり、味の滲みこみが早くなるという特徴があります。

 

輪切り

丸い野菜をそのまま切る方法です。厚みは調理法により異なります。きゅうりを2㎜程度の輪切りにしたものは、浅漬けなどに向いています。

 

わりに

包丁の切り方を覚えておくと、火の通る時間や味のバランスを均一にできるなどの利点があります。また、見た目の美しさという点からも、切り方を覚えておくと便利です。映える画像にも最適ですので、試してみてください。