- Pacoma編集部
- このWebマガジンと月刊フリーペーパー『Pacoma パコマ』の編集部です。自分の手で心地よい暮らしをつくりたい、ホームメイドな人たちを応援する楽しい記事を日々模索中です!
プロに聞く!害虫の予防と対策方法|ゴキブリやコバエなど
気温も湿度も高くなる5月上旬〜10月下旬にかけては、害虫が活動的になる時期。特に雨が降ると虫の動きは活発になり、住宅への侵入が激増!ちょっとした油断で、家のあちらこちらに害虫が......という恐ろしい状況にもなりかねません。そこで、家の中の気になる場所別に、代表的な害虫の発生原因と効果的な予防と対処法を防虫コンサルタントが伝授。大繁殖する前にできるだけ早く手を打っておきましょう。
【キッチン】ゴキブリ・コバエの予防と対策
「生ゴミ、飲み物や食品の空き缶、空き瓶を放置しているとコバエは大量発生。そして、ゴキブリは食べ物だけでなく、水や油汚れも大好き。放置すると外から侵入し、室内にすみ着き繁殖します」と奥村さん。
共にサルモネラ菌やO-157病原性大腸菌など食中毒の原因菌を運び、食品も汚染するので、発見したらすぐに対処を。
【ゴキブリ】
- 発生原因
- 食品だけでなく、水や油汚れもゴキブリにとってはごちそうになります。そのため、それにつられて外から家の中へと侵入。
主な侵入ルートは、台所や洗面所の排水口や排水管と床の隙間、玄関ドアの下、網戸サッシの隙間など。
また、ベランダなど屋外に置かれた鉢植えや段ボール、新聞・雑誌の束もゴキブリの婚活パーティーの場に。
- 予防と対策
- 食べ物の置きっ放しは厳禁。食べ残しは早めに処分し、洗い物やコンロの油汚れはもちろん、ペットの餌や排せつ物も放置しないこと。
ゴキブリは水さえあれば1ヵ月以上生き延びるため、台所のシンクや洗面所の水滴は寝る前に拭き取って。
侵入経路となる隙間は、金属たわしや粘土、シリコンコーキング材などでふさぎましょう。
【コバエ】
- 発生原因
- 生ゴミを1週間以上放置したり、ビールやお酒の空き缶、調味料の空き瓶などをそのまま置いているとニオイにつられてやってきます。
また、タマネギやニンジン、ジャガイモ、サトイモ、大根など根菜類を長期間出しっ放しにするのもNG。特に、傷んだもののニオイには目ざとい。
ペットの食べ残しの餌、排せつ物も発生源に。
- 予防と対策
- 生ゴミ用のゴミ箱にシリカゲルなどの乾燥剤を入れると予防に。そして生ゴミはためずに、できるだけ小まめに処分して。
空き缶、空き瓶は洗い流してから捨てること。根菜類の保存は冷蔵庫を利用して適切に管理。
発生した場合は、その原因となったゴミなどを処分し、近くに付着しているコバエのさなぎなどを除去しましょう。
【クローゼット】洋服の虫食い予防と対策
「衣類害虫の多くは、毛皮やウール、羽毛、シルクなど動物性の高級衣類などいわゆる純毛製品を好み、化学繊維を嫌います。中でも、皮脂やほこりなど汚れが付着しているものが大好物です」と奥村さん。
衣替えで汚れを落としきれずに保管した純毛素材の衣類は、害虫の格好の餌食。適切な処置を施してからの保管が必須です。
【イガ・ヒメマルカツオブシムシ・ヒメカツオブシムシ】
- 発生原因
- 白、黄色といった色に誘引されるため、これらの色の鉢花を窓際に置いていると外から侵入。また、アロマオイルなど天然香料の香りにも引き寄せられます。
さらに外に干した洗濯物、天日干しした純毛製品などに成虫が付着し、産卵することでも繁殖します。
- 予防と対策
- 成虫が活動するのは3〜9月。この時期は、白、黄色の鉢花を窓際に置かないこと。
さらに天然香料の芳香剤は使わず、洗剤や柔軟剤も無香料のものを選びましょう。
衣替えのときには、衣類をクリーニングに出してから、防虫剤と共にクローゼットやタンスに収納すること。
【ベッドルーム】ツメダニの予防と対策
体が無性に痒く、患部を見ると赤く小さな発疹が。そんな症状を引き起こすのは、布団や畳に潜むツメダニです。
「ツメダニにかまれると、約5時間後に痒みを伴う小さな発疹が現れ、しばらくすると鎮まります。痒みと発疹に浮き沈みがあるのが特徴。6月頃からツメダニは猛烈に繁殖し、9月頃にピークを迎えるので要注意です」と奥村さん。
【ツメダニ】
- 発生原因
- 清掃が不十分、通気不良、高温多湿はダニ類の繁殖を助け、大量発生につながる要因に。お菓子の食べこぼしやペットの体毛などもごちそうとなります。
また風通しの悪い空間で、日頃から浴室のドアを開放したり、洗濯物の室内干しをすることはダニにとって好都合な環境を作ることに。
- 予防と対策
- 予防には小まめに掃除機をかけ、清潔を保つこと。そして、風通しを良くして、湿度は55%以下を目指して。
ダニが発生した場合は、吸い込み仕事率220W以上の掃除機で隅々まで掃除機をかけましょう。
あるいは殺虫剤で駆除しつつ、布団は天日干しや布団乾燥機で熱処理をし、カバー類は洗濯を。
私たちの暮らしに身近な害虫の種類と、その予防と対策をご紹介しました。
繁殖のシーズンは特に気をつけて、清潔で快適な暮らしをキープしてくださいね。
-
奥村防蟲科学防虫コンサルタント・奥村敏夫
虫の生態と、殺虫剤に関する豊富な知識を持つ防虫の専門家。一般家庭から文化財関連まで、各種害虫の予防や駆除にも対応。
http://www.okumura64.co.jp/