- 藤岡みなみ
- ふじおか・みなみ/文筆家。暮らしの中の異文化をテーマにした『パンダのうんこはいい匂い』(左右社)が発売中。
藤岡みなみ|思い立ったがDIY吉日 <vol.02>
タレントの藤岡みなみさんがモノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載です!題字ももちろん本人DIY。
目次
自宅にマイ本屋さんをDIY
本屋さんが好き。本屋さんに住みたい。長年そう思い続けた結果、「自宅を本屋さんみたいにすればいいのでは」と思いつき、自室の壁一面に天井まで届く本棚を設置。
あれから数年、本は少しずつ増え続けついに棚に入りきらなくなったため、自宅の壁をもう一面本棚に捧げることを決意しました。しかし、大型家具におあつらえ向きの壁なんてそんなにたくさんない。コンセントがひとつあるくらいであとはじゃまなものがほとんどなかった前回の壁に対し、今回の敵は手強い。
エアコン、換気口、細長い小窓など、無視できないでっぱりがいくつも。むむむ…これは難しそうだ…だけど、こんなときこそDIYです。
手強い壁。なんでこんなところに換気口が〜!
メジャーで各所のサイズをはかり、組み立て式本棚の専門店に注文。数日後、わたしの部屋のためだけに切り揃えられたちょうどいい長さの板がたくさん届きました。情熱が消えないうちに一気にがつがつ組み立てます。そそっかしいので何度もドライバーでネジの頭を壊しながら、小さい部品を踏みつけては悲鳴をあげながら、朝から夜までかかってなんとか完成。(もちろん、地震対策もばっちりしました。)
完成!快……感ッ……!
壁の個性に寄り添うようにぴったりと並べられた本棚たちをながめると最高に気持ちがいい。とくに間に挟まれた小窓の下の背の低い棚。こいつのかわいさよ。よし、文庫本コーナーにしよう。隣はSFコーナー。空っぽの本棚は引っ越したての部屋みたいに、あたらしい予感に満ちている。
数年前に組み立てた本棚。自室を「書斎」と呼びたくて。
DIYによってもたらされた、ジャストフィットの快感。大げさかも知れないけれど、これは他の誰のものでもない、どこにもない、私の部屋だ。私の人生だ。という景色だと思います。だからDIYは、やめられない。
- 藤岡みなみふじおか・みなみ/1988年、兵庫県出身。テレビ番組・CMに出演からラジオパーソナリティ、エッセイストなど、幅広く活動。バンド「藤岡みなみ&ザ・モローンズ」ではボーカルを務める。
ブログ:藤岡みなみ 熊猫百貨店
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