- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
知っておきたい!栽培は種からでも苗からでも簡単な猫草の育て方
ホームセンターや園芸ショップで目にする猫草(キャットグラス)。猫に与えた方が良いのか、また育て方は簡単なのか疑問に思うこともありますよね。今回は、猫草の特徴、効果、必要性、種まき・苗からの育て方についてご紹介します!
猫草の特徴や植え付けなどの時期や育て方の基本
猫草の基本情報
- 分類:イネ科カラスムギ・オオムギ・コムギ属
- 学名:Avena sativa、Hordeum vulgare、Triticum durum
- 英名:Catgrass
- 原産:中央アジア
- 特性:宿根性
- 形態:多年草
- 草丈:10〜150cm
- 開花:6月〜8月中旬
- 花色:黄、緑
- 耐暑性:普通
- 寒性:弱い
- 耐陰性:なし
猫草とは?特徴と種類
猫が好んで食べる猫草は、エン麦(オート)・大麦・小麦など、イネ科の植物の苗を指し、総称して呼んでいます。イネ独特の香りは、猫にとって噛みたくなるような匂いのようです。
猫にとっての効果|猫草の役割と必要性
猫草の葉は猫にとって食物繊維が豊富で、胃の中で消化しきれずに残ってしまった毛玉などを排出させる効果があるといわれています。猫は自分の体をなめてきれいにするグルーミング(毛づくろい)を毎日するためお腹の中で毛玉ができやすく、排出ができないと食欲不振になる場合も。ただし、猫によって猫草の好みが別れ、興味を引く個体もいれば、そうではない個体もいるので、必ずしも与えるということはありません。
猫の様子がおかしい場合は、必要であれば動物病院で診察を受けるようにしましょう。
種からも苗からも栽培可能!猫草の育て方とコツ
市販で売っている猫草は、種から栽培するものと、すでに葉が生えろそろっている苗から栽培ができます。種から育てるものは、ホームセンターなどでキットになって販売されているものが多く、初心者の方でも育てやすいですよ!
【種から栽培】猫草の育て方
種から猫草を育てる場合は、用土を購入して植木鉢や花壇で育てます。日当たりと風通しが良い場所で育てるようにしましょう。
・種まきの時期
基本的に室内で育てる場合であれば、猫草はいつでも種まきができます。ただし、蒸し暑くなるような時期や、氷点下をしたまるような寒さでは、発芽しなかったり、発芽しても直ぐに枯れてしまったりする場合も。
気温が18〜20℃ぐらいになるような時期を選びましょう。庭など屋外で育てる場合は、3〜4月上旬ごろに種まきをします。
・猫草の用土
乾燥した場所に自生する猫草といわれるエンバクやオオムギなどは、水はけのある土で元気よく育ちます。水はけが悪くて粘土質のような硬い土では、根腐れが起こりやすく、枯れてしまうことも。
球根を植え付ける前に、土に赤玉土、腐葉土を混ぜて、排水性・通気性をよくしておきましょう。
初心者の方は、ホームセンターなど市販で売っている草花用の培養土を使うと、混ぜる手間がなくておすすめです。排水性がよければ、鉢底石を入れる必要もありませんよ!
・種まきの仕方
実を収穫するためではない猫草は、種同士の間隔は気にせずに、ばらまきで問題ありません。3号鉢(直径9cm)程度で80〜100粒ほどまけば十分です。土の上にパラパラとまき、手のひらで軽く押し付けるように土を被せましょう。
・猫草の水やり
種がまけたら、水をたっぷりと与えます。土が乾燥していると、発芽しにくくなってしまうので注意してくださいね。
・猫草の収穫
種まきから2〜4日ほどで発芽し、7〜10日ほどで収穫できるほどのサイズに。鉢植えの状態でそのまま猫に食べさせるのでも大丈夫です。
【苗から栽培】猫草の育て方
苗で購入した猫草は、買ってきたその日から収穫して猫に与えることができます。
・猫草の育てる場所
猫草は日当たりと風通しがよい場所で元気に育ちます。日当たりと風通しが悪いと、葉の先から変色してしまったり、根元にカビが生えてしまったりする場合も。明るい窓際や、ベランダに置いて管理するようにしましょう。
・猫草の水やり
猫草は、土の表面が乾いて白っぽくなったら水やりをします。乾燥気味で育てると、根腐れが起きにくく、長持ちしやすいです。土がいつまでも湿った状態でいると、根元から白いカビが生えてしまい、徐々に枯れてしまいます。
・猫草の収穫
猫草を買ってきた日に収穫または、5cm程度新しく伸びたら、葉先から10cmほどカットして与えましょう。
猫草は自然に枯れていく
猫が食べ続けた猫草は、育ちにくくなり次第に黄色く枯れ始めます。葉が生えそろってから1〜3ヶ月ほどで自然に枯れますが、猫が食べる頻度によっては1〜3週間で枯れてしまう場合も。
一度枯れてしまった株は、もう一度新芽を伸ばすことはないので、処分をして新しい種や苗を購入してくださいね。
おわりに
猫にとって決して必要ではない猫草。気になる方は一度猫草の苗を購入し、試しに猫に与えて様子をみてみるといいです。猫がよく食べるようであれば、種を購入して育ててみましょう!