- 藤岡みなみ
- ふじおか・みなみ/文筆家。暮らしの中の異文化をテーマにした『パンダのうんこはいい匂い』(左右社)が発売中。
藤岡みなみ|今年も育てたい野菜がたくさんある!【思い立ったがDIY吉日】vol.66
文筆家・ラジオパーソナリティの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。かわいくも愉快な世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回はおうちで育てている野菜について!
- 藤岡みなみ
タレント、エッセイスト。タイムトラベル専門書店 utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。 - ブログ:藤岡みなみ 熊猫百貨店
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今年も育てたい野菜がたくさんある!
やる気満々、春らんまん。
いつもの春よりも胸がときめいている。今年は何を育てよう。
去年、初心者ながら1年間で40種類以上の野菜を育てた。ルッコラやカブで自信をつけた春、トマトやきゅうりの勢いに圧倒された夏。ナス、ピーマン大収穫の秋に、白菜やキャベツの成長をじっくり見守った冬。あの充実した日々をもう一度体験できるなんて。超面 白いゲームをクリアしたけど、もう一回初めから冒険できて、開けていない宝箱がまだたくさん落ちている状態。ドラマチックが保証された、新しい人生が待っているような期待。季節が巡る喜びってこれだったのか。
去年の畑の経験をもとに、今年育てたい野菜をまとめてみたい。まずはリピートしたい野菜トップ3。ミニトマト、ジャガイモ、ジャンボピーマン。去年地植えで栽培したミニトマトに、水をやった覚えがほとんどない。勝手にどんどん育って半年くらいずっと収穫させてくれた。ミニトマトのサブスク。おかげでミニトマトのペペロンチーノに目覚め、週に3度は食べていた。
ほったらかしたミニトマトは甘い。
ジャガイモは最も楽しい野菜かもしれない。土を掘ってジャガイモを探し当てる作業にテンションが上がらない人などいない。もうないかな? と思っても絶対あと2個は埋まっている。ジャンボピーマンはおいしすぎるので一生育てたい。最後に収穫したピーマンを乾燥させておいたので、今年はその種を使って育ててみよう。ジャンボピーマンの子孫に会えるのか、楽しみだなあ。
手のひらより大きいジャンボピーマン。
挑戦してみたいものトップ3。まずはメロン。去年スイカ栽培で大いに盛り上がったので、今度はメロンに挑戦してみる。家でメロンなんて夢のような話だが、聞くところによると手の届かない夢というわけではないようなのだ。メロンを育てられたら自分のことをかなり見直すと思う。家族にも一目置かれるかもしれない。そんなロイヤル感がメロンにはある。桜島大根にも憧れている。鹿児島の伝統野菜でギネスにも認定された世界一大きい大根である。10キロから20キロまで育つらしく、リアル「大きなかぶ」ごっこができるかもしれない。うんとこしょ、どっこいしょ。想像しただけでも愉快だ。同じくジャンボ野菜シリーズで、キャベツの超大球も気になる。白菜やキャベツはそんなに何個も育てられない。どうせ1苗しか植えないのなら大きいのがいい。自分の畑で巨大なキャベツが収穫できたらしばらく笑いが止まらないと思う。
ナスも絶対またやりたいな。
失敗を生かしたい野菜たち
リベンジに燃えているのは次の3つ。パクチー、ニンジン、トウモロコシ。パクチーは畑を始めたときに最初に植えた苗ということもあり、アワアワしていたせいかあまりうまく管理できなかった。しかし私の大好物は四川料理。パクチーは毎日でも使いたい。今年はパクチー食べ放題の夢を叶えられるか。ニンジンは去年2回育てたが、1度目は小指の半分、2度目は15センチほどまでしか大きくならなかった。しかしだんだん大きくなっていることはたしかなので、次こそ立派なニンジンと対面できると信じている。去年なんらかの獣(きっとハクビシン)に食い散らかされたトウモロコシ。栽培自体は成功していたので、今年は動物対策を頑張りたい。もうやつらの好きにはさせない。
また1年が始まる。茶色いけれど、畑が真っ白なキャンバスに見える。畑のお正月は春だ。何歳だろうがピカピカの新学期だ。何を植えてもいいし、失敗すら楽しい。畑一面全てをきゅうり農園にしたっていいし、ベランダをハーブガーデンにしてもいい。おしゃれな植木鉢を買おうか。袋栽培ゾーンを作ろうか。こんなに自由なことってなかなかない。今年もやりたい放題やることを、誓います!
携帯ストラップのようなニンジン。