
- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんにガーデニングの魅力をお届けします!
ユニークな樹形や立ち姿でインテリアグリーンの中でも人気な塊根植物(コーデックス)。個性のある観葉植物を求めている方には、とても魅力のある植物です。今回は、代表的なアデニウムやパキポディウム以外の塊根植物の種類や魅力、育て方をご紹介します!
目次
幹や茎が丸々太くなった、ユニークな姿の塊根植物。多くの種類が砂漠などの乾燥地域に生息しているため、水や栄養を蓄えられるよう肥大化したようです。
よくイメージしやすい植物だと、アフリカのサバンナにそびえ立つように伸びるバオバブの木も塊根植物の仲間になります。
厳密には特定の種族はなく、ヤシやシダ、ソテツの植物なども塊根植物に含まれるものもあります。
茎がまん丸にぷっくりと膨らんだステファニア・ピエレイ。ステファニアとは、ギリシア語で「王冠」を意味します。
・分類:ツツジフジ科ステファニア(ハスノカズラ)属
・学名:Stephania erecta
・英名:Stephania pirrei、Binh voi
・原産:インドシナ半島
・特性:常緑性
・形態:多年草
・草丈:8m
・耐暑性:強い
・耐寒性:普通(USDA zone 10a〜11b)
・耐陰性:あり
ジャガイモのような見た目の茎と、ライムグリーンの葉が丸いステファニア・ピエレイは、見た目がとてもキュートな塊根植物。つるをよく伸ばし、大きくなると草丈が8mほどになる多年草です。
水切れを起こしにくく、2〜3ヶ月に1回ほど与えるだけでOK!初心者でも枯らしにくく、育てやすいです。
個体によって丸い茎の形や大きさが違うので、好みの種類を選んで育てると、より愛着を持って育てられますよ。
ステファニア・ピエレイは日当たりと風通しが良い場所で、元気よく育ちます。直射日光に強いですが、真夏に長時間当たってしまうと葉焼けを起こすことも。春と秋の間は日差しの当たる場所に置き、夏場はカーテンで遮光するようにしましょう。
玉ねぎのような見た目で、つるが上に登るように伸びることから英語で「Climing onion」と呼ばれています。
・分類:キジカクシ科ボウイア属
・学名:Bowiea volubilis
・英名:Climbing onion
・原産:南アフリカ
・特性:常緑性
・形態:多年草
・樹高:60cm
・耐暑性:強い
・耐寒性:普通(USDA zone 10a〜11b)
・耐陰性:あり
針のような細い葉をたくさん出し、こんもりとした見た目になるボウイア。タンザニアなど南アフリカを中心に自生する多年草の塊根植物です。大きく生長した株は冬〜春にかけて、白や緑、黄色の小さな花を咲かせます。
花が咲き終わると、長く伸びたつるは茶色く変色し枯れるので、剪定(せんてい)して取り除きましょう。夏の間は、休眠期状態になるので、涼しい場所に置いて管理します。
生長スピードがゆっくりなエンセファラルトス・ホリダスは、青みがかったトゲの葉がクールな見た目の塊根植物です。種類も多く、葉の形が品種ごとでそれぞれ異なります。
・分類:ザミア(ソテツ)科エンケファラルトス(オニソテツ)属
・学名:Encephalartos horridus
・英名:Eastern Cape blue cycad
・原産:南アフリカ
・特性:常緑性
・形態:多年草
・草丈:1m
・耐暑性:強い
・耐寒性:強い(USDA zone 9a〜11b)
・耐陰性:あり
サメの歯のように鋭い葉が一列に並んだエンセファラルトス・ホリダスは、南アフリカに自生するソテツの仲間。寒さに強く氷点下6℃程度までなら、冬越しでき、地植えで育てることも可能です。
直射日光の当たる明るい場所から日陰でも育ち、管理する場所には困りません。土の中が乾燥して表面が白っぽくなったら水を与えましょう。春先に追肥をすると生長がよくなりますが、腐葉土で育てる分には追肥の必要はありません。
赤い涙のような花が一直線になって垂れるように咲くアガペテス・セルペンス。6〜9月ごろにかけて開花し花が咲き終わると、ブルーベリーのような実をつけます。
・分類:ツツジ科アガペテス属
・学名:Agapetes serpens
・英名:Red paperdrops、Himalayan Lantern
・原産:ヒマラヤ(ネパール東部〜インド)
・特性:常緑性
・形態:低木
・樹高:60cm
・耐暑性:強い
・耐寒性:普通(USDA zone 8a〜9b)
・耐陰性:あり
観葉植物で人気のガジュマルのように幹がボコボコと太く、ユニークな樹形になるアガペテス・セルペンス。幹から長く伸びた枝には、対になって葉が一列に並び、盆栽のように小さく仕立てることもできます。
冬でも葉が落ちない常緑性で、夏は花、秋は実、と一年を通して季節感を楽しめる塊根植物です。
乾燥を好む木なので、水やりは土の表面が乾いたら与えます。夏の間は、葉にも水をかけて涼しく管理しましょう。
ユニークなインテリアグリーンになる塊根植物は、種類が多く、見たこともないような姿や形のものがたくさんあります。基本的には、水やりがあまり必要ないものが多いので、手間も減って育てやすいものばかりです。ぜひ、さまざまな種類がある塊根植物を集めて、個性ある部屋づくりをしてみてくださいね!