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ガーデニング
河村ゆかり

ビザールプランツを育てよう!育て方のポイントも解説

目を見張るような特異な姿をしたビザールプランツ(珍奇な植物)。インテリアプランツとしても人気を博す、強烈な個性をもった植物を育ててみませんか? 栽培のコツをご紹介します。

太い幹、岩石のような塊根、トゲ…ビザールプランツの魅力と育て方を解説

原産地の環境に順応すべく、独特の形、生態をもつに至ったビザールプランツの数々。まるで年を経た盆栽のような堂々たる姿、岩にしか見えない塊、手を出すのをためらう鋭利なトゲなど、魅力満載の姿とプロフィールにご注目!

 

ビザールプランツって?

ビザールプランツ(bizarre plants)、和訳すると「珍奇植物」。ビザールプランツは、植物を遺伝子の塩基配列の違いに基づき分類する「科目」に縛られて、カテゴライズされていません。

「こんなの見たことない」「なんて奇妙な!」「ほんとうに植物?」など、「珍奇」という印象によってグルーピングされた植物群をさします。

またビザールプランツには、「ある地方限定で育つ珍しい植物」「ポピュラーな植物の一種なのに、飛びぬけて不思議な姿をしている」といったものも、多く含まれるのが特徴です。昨今は、一鉢置くだけで雰囲気を一新する力を持つインテリアプランツとして、愛好家を増やしています。

全般にビザールプランツを育てるポイントは、独自の生態をよく知ること。そのためには、自生地の環境を知ることが大切です。

乾燥した砂漠地帯に生息していた種は、多湿が苦手。熱帯性の植物は寒さに弱いなど、栽培に当たっては、下調べが欠かせません。多肉植物や食虫植物、シダなど、越年して長く育てられるものも多いので、栽培テクニックを養って、上手に育てたいものです。

 

パキポディウム「恵比寿笑い」

パキポディウム「恵比寿笑い(えびすわらい)」は、キョウチクトウ科 パキポディウム属。「パキポディウム・ブレビカウレ」の名前でも流通します。「コーデックス(根や茎が肥大して塊状になる「塊根植物」または「塊茎植物」の総称)」の代表格です。

パキポディウム「恵比寿笑い」は、太鼓腹で知られる恵比須様のような、丸くぽってりとした姿が愛らしいビザールプランツです。

根茎が横にふくらんで育つ様子は、まさに「イモ」状態。ハイセンスで現代的な植物に見えますが、実は昭和30年代から好事家の間で育てられてきた品種です。

自生地はマダガスカルの、標高1400mを超える岩山のため、日本の高温多湿な環境や寒さは大の苦手。戸外の風がよく吹き抜け、日当たりが確保された場所、さらに雨よけができるところで、育てるのがベストです。

ただし、夏に直射日光を浴びせ続けると弱るので要注意。冬は室内に取り込んで、最低温度5度以上をキープします。たっぷり日のあたる場所で育てましょう。

パキポディウム「恵比寿笑い」のような塊根植物は、水やりが栽培のポイント。水やりをしすぎると、枯死することも多いのです。春から秋は成長期に当たるので、土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。梅雨時は雨除けして、常に用土が濡れた状態にならないように要注意です。

葉が落ちる秋から冬にかけては、断水状態で管理します。上手に冬越しできれば、春先には愛らしい黄色い花が咲きますよ。

 

チレコドン「万物想」

チレコドン「万物想(ばんぶつそう)」は、ベンケイソウ科 チレコドン属の多肉植物です。パキポディウム「恵比寿笑い」と同じ、葉や茎が肥大するコーデックスの一種。なかでも、割合育てやすい人気の品種です。

チレコドン「万物想」は、南アフリカに広がる半砂漠地帯・ナマクワランドに自生しています。チレコドン「万物想」は、太い茎が大きくなるにつれ樹皮がはがれます。その様子は、まるで脱皮!

茎の周囲で不規則に絡み合う細い枝は、花が咲いたあとがトゲ状に硬化して残ったもの。この摩訶不思議な風貌は、まさに珍奇植物です。

チレコドン「万物想」は、秋から春にかけて成長するタイプ。晩春から落葉がはじまり、夏にはすっかり落葉、秋に入ると若葉が芽吹きます。

成長期の秋・冬は寒風は避けつつ、日当たりのよく風通しのよい場所で栽培を。ある程度の耐寒性はあり、5℃以上であれば栽培可能です。

室内で管理するときには、エアコンの風がダイレクトに当たるコーナーは避けてください。夏の高温多湿は苦手なので、雨がかからず、直射日光を避けられる場所に。

チレコドン「万物想」の水やりは、多湿を避けることが基本。成長期の秋~春は、用土がしっかり白く乾いてから水やりします。春になって葉が落ちはじめたら、水やりは控えめに。夏は特に水を制限し、断水気味で育てるのがコツです。

 

アローディア「亜竜木」

別名「アローディア・プロセラ」は、ディディエレア科 アローディア属の植物で、マダガスカル原産。別名は「二つ葉金棒の木(ふたつばかなぼうのき)」、名前まで珍奇です。

現地では樹高20m、幹の直径30㎝ものビックサイズに成長します。2〜3cmのトゲが全体を覆い、まさに竜を思わせる奇異な姿です。

アローディア「亜竜木」の自生地は降雨量が少なく、乾燥に強いのが特徴。しかし、夏場は屋外で雨ざらしで育てるのが、丈夫に育てるコツです。

大きく育てたい場合には、夏に規定量の液肥を与えるのがおすすめですが、コンパクトに育てたいなら施肥は必要ありません。

アローディア「亜竜木」は、ある程度耐寒性があるので、冬は5℃以上あれば栽培できます。ただし冬は休眠期にあたるため、完全に水やりはストップしましょう。

アローディア「亜竜木」は、比較的容易に挿し木で増やせます。夏に20cmくらい枝をカットし、土に挿す部分の葉やトゲを除去。発根促進剤を切り口に塗布しておくと、より根付きやすくなります。

 

おわりに

いかがでしたか? 上手に育てれば、可愛い花が咲いたり、「脱皮」まで! ビザールプランツのある生活を楽しんでくださいね。