- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
生垣でオシャレな庭づくりを!樹木の種類や作り方を徹底解説
葉の色や樹形、花や実が付くものなど樹木の種類によって見栄えが異なる生垣。ポイントを押さえれば、素人でも簡単に作れます!生垣に向いた樹木の選び方や和風や洋風にあう種類、作り方などたっぷりとご紹介します。
庭の雰囲気にあった生垣を作ろう!樹木の選び方のポイント
和風や洋風とさまざまなテイストの庭づくりで欠かせない生垣。目隠しや防犯としての役割が大きいですが、防風や防火の役割もあります。
庭のデザインによって、樹木の種類が異なり、色や形、大きさ、さらには四季ごとに花や紅葉が楽しめる生垣も。
まずは自宅の庭に、どんな用途や装飾的要素を加えるか、生垣の樹木の選び方のポイントを知りましょう!
ポイント1. 和風や洋風などの庭や住宅の雰囲気にあわせて
オシャレで魅力的な庭づくりをするには、庭と住宅の雰囲気が、生垣とマッチするような樹木を選ぶことがポイント。樹木の葉の色や形、樹形などが、庭のマテリアルや建物の外観とあっているかチェックします。
ポイント2. 色の変化などを楽しめる生垣と庭づくりを
選ぶ樹木の種類によっては、花や実が付くもの、葉が紅葉・落葉するもの、葉に斑が入るものなど、四季ごとに色の変化などを楽しめる生垣を作れます。花が咲く時期が異なる樹木同士を選ぶことで、見ていても飽きない庭づくりをしてみましょう。
ポイント3. 利便性のある生垣を
目隠しや防犯などとして役割がある生垣は、それぞれの用途にあわせて樹木の樹高や樹形、葉の過密具合などを見て選ぶと、効果を期待できます。生垣は私有地と道路との境界や、玄関、窓際など、位置をしっかりと決めてから作ることが重要です。
オシャレな生垣に!おすすめの樹木の種類
【和風の庭】にあう樹木の種類
1. レッドロビン
芽吹く力がとても強いレッドロビンは、先端の枝葉を切ると真っ赤な若葉がたくさん伸び、ペンキで塗ったかのような赤い生垣が作れます。比較的、緑色の樹木で作られることが多い生垣ですが、レッドロビンなら個性のある庭づくりができておすすめ。
2. メギ
秋になると赤いだ円形の実を無数につけるメギ。地面から伸びる幹は生長するごとに増え、厚みのある生垣が作れます。葉が赤や橙(だいだい)、ピンクなど種類も多く、カラーリーフとしても楽しめる魅力も。
樹高は低いメギですが、トゲがたくさん付いているので、防犯の役割が高く、野良猫などの動物も敷地に寄せ付けません!
3. サツキ
春になると、ピンクや白の花を咲かせるサツキは、香りも楽しめる庭づくりに向いています。暑さや寒さに強く、さらには潮風にも耐えるほど生命力もあるので、海岸沿いの住宅に向いた生垣です。定期的に剪定や刈り込みをすることで、花付きをよくし、毎年鑑賞ができます。
【洋風の庭】にあう樹木の種類
1. アメリカテマリシモツケ
晩春に白いドーム状の花をたくさん咲かせるアメリカテマリシモツケ。寒さにとても強く、大きくなると、樹高は2m程度になる樹木です。冬には落葉するため、透け感のある生垣にもなります。
2. トキワマンサク
帯のような花びらが特徴のトキワマンサクは、赤や赤紫、ピンク、白などの色があり、洋風の庭づくりでは人気の樹木。春に開花した姿は、華やかで明るい生垣になるでしょう。花付きがよくなるよう日当たりのよい場所で、育ててあげるのがポイントです!
3. コニファー・エメラルド
葉の色や形、樹形など種類によってさまざまな姿のコニファー。洋風の庭の生垣や庭木で欠かせない樹木で、剪定や刈り込みで自由に形も変えられます。
コニファーの中でも、生垣に向いたエメラルドは、色合いが美しく、すす病やアブラムシなどの病害虫にも強いため、見栄えがよくて管理のしやすい樹木です。
蜜のあるしっかりとした仕上がりに!生垣の作り方
生垣の作り方の手順
1. 柱を立てるための穴を掘る
まずは、木が倒れないよう固定するための柱の穴を掘ります。柱同士の間隔は、1m程度で立てていくので、あらかじめメジャーを使って穴の位置に印をつけておきましょう。穴は、柱の1/3程度埋まる深さまで掘ります。
・柱の大きさや材は?
柱の長さは、苗木の高さにもよりますが、1m程度の苗木を使って生垣を作るなら、1.5〜1.8m程度のものを用意します。材は直径10〜15cm程度の丸太で問題ありません。
2. 柱が垂直になるよう立てる
柱を掘った穴に立てます。このとき、しっかりと垂直になるよう水平計を使うと便利です。柱を支えながら、土を1/3程度、2/3程度の間隔で土を戻し、棒などを使って押し固めます。地表まで完全に土が埋まったら、柱がぐらつかないよう足で踏み固めましょう。
3. 苗木の植え付け穴を掘る
苗木が柱と柱の間に、3本ずつ植え付けられる穴を掘ります。穴の直径は根鉢よりも一回り大きくし、根鉢の深さよりも3cmほど低くなる深さを掘りましょう。
穴を掘る前に先に苗木を並べて、遠くから離れて見た目や間隔を調整すると、失敗しにくいです。
4. 苗木の支えとなる横棒(胴縁)を取り付ける
柱と柱の間には、胴縁とよばれる横棒を2本、上下30cmの間隔で取り付けましょう。材は竹材を使用し、釘やロープなどで柱と固定させます。
5. 苗木を植え付ける
掘った穴に苗木を入れ、土を埋め戻して植え付けます。柱と同じように、土を埋め戻しながら押し固め、木がぐらつかないようにしましょう。
土を埋め戻す前は、正面から見たときに見た目がよい向きになるよう、苗木を回転させて調整します。
6. 苗木と支柱を固定する
植え付けた苗木が、雨風によって倒木しないよう麻縄を使って、胴縁と固定させます。このとき、縄をきつく締め過ぎてしまうと、生長の流れによって幹に食い込むこともあるので、ひとさし指が一本入るぐらいの緩みで結びます。
7. 苗木に水やり
最後に、苗木の根と土が定着するよう水をたっぷりとかけます。
おわりに
和風や洋風など、さまざまなテイストの庭で使われる生垣。樹木の種類を選べば、目隠しや防犯の効果を高められるほか、季節ごとに色の変化なども楽しめます。ぜひ生垣の作り方を知って、センスのある庭づくりをしてみてくださいね!