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暮らしの工夫
津久井 玲子

ペットのハリネズミの寿命はどのくらい?ギネス記録も調査

近頃ペットとして人気急上昇のハリネズミ。ハリネズミカフェなども盛況で、飼ってみたくなったという方も多いことでしょう。そんなかわいいハリネズミですが、寿命はどのくらいなのかご存じですか?ギネス記録なども調べてみました。

ハリネズミって?

ハリネズミがどのような生き物かと聞かれると、思い出すのは頭の後ろからお尻までびっしりと針をはやした、小さくて丸みのあるかわいい生き物ではないでしょうか?

 

そんなハリネズミは、ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に属しています。名前に「ネズミ」とついているため、ネズミの仲間と思っている方もいるかと思いますが、ネズミよりもモグラに近い動物なのです。

 

野生のハリネズミは昆虫などの小さい生き物から、きのこや木の実などさまざまな植物性のものまで食べる雑食性。夜行性で目はほとんど見えません。ではどうやって周囲の状況を認識しているのかというと、優れた嗅覚と聴覚で感じ取っているのです。

 

このように自然界で生きてきた動物ですが、まだまだ知られていないことも多く、飼う時には餌に注意する必要があります。夜行性のため、薄暗い場所を好むのも特徴です。単独で生活している動物のため、独立性が強い動物でもあります。

 

ペットで飼えるハリネズミの種類

日本国内でペットとして飼われているハリネズミは、ほとんどがヨツユビハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)という種類です。かつてはナミハリハリネズミ(ヨーロッパハリネズミ)、オオミミハリネズミ(ミミナガハリネズミ)、アムールハリネズミなども飼われていました。

 

しかし現在ではヨツユビハリネズミ以外は飼えないといってもよい状況です。理由は心無い人が捨てたことにより、ヨツユビハリネズミ以外は特定外来生物に指定されたため。販売はもちろん、飼育も禁止されてしまいました。

 

特定外来生物は移動も飼育も許可が必要で、捕まえたらその場で殺すことが義務付けられています。何種類ものハリネズミがこのような指定を受けてしまったのも、かつての飼い主が責任を果たさなかったことが原因です。飼い始める前に最後まで飼う覚悟を持ちましょう。

 

 

ハリネズミの寿命は?

ハリネズミの寿命は犬や猫と比較するとかなり短いです。平均するとわずか2~5年。長く一緒にいたいという方には不向きなペットといえるかもしれません。

 

ではなぜこんなに寿命が短いのかというと、繊細な神経の持ち主でストレスや病気に弱く、原因不明の突然死も珍しくないというのです。

 

では5年以上生きているハリネズミはいないのか?というとそんなこともありません。中には10年生きたという飼い主もいるなど、飼育環境をしっかり整えてあげられれば、5年以上は普通に生き続けるといいます。

 

このことからもわかるように、ハリネズミの寿命は飼い方次第でのばせるということです。ハリネズミに適した環境を整えれば、平均寿命といわれている年数よりも長く、一緒に過ごすことも夢ではありません。

 

 

ハリネズミはこんな性格

ハリネズミの性格は、「臆病」「神経質」「警戒心が強い」「繊細」といわれますが、中には一言で「マイペース」という方もいます。もちろんほかの動物のように個体差もありますが、特に飼い始めの頃は慣れない環境に神経質になりがちです。

 

見た目の愛らしさからいっぱいかまいたいと感じるかもしれませんが、過度のスキンシップはストレスにしかならないため、遊び相手として飼うのであれば不向きといえるでしょう。

 

ハリネズミの性格のタイプには、甘えん坊(比較的珍しい)、怒りん坊(警戒心が強い)、冒険好き(好奇心が強く脱走しやすい)、孤高(飼い主に無関心)などさまざまです。

 

ハリネズミとスキンシップを取るならば、彼らの生活スタイルに合わせて夜に行います。落ち着き具合を確認しながら、最初は餌を手にのせてあげるくらいから始めましょう。体を触らせてくれるようになってから、両手で包み込むようにして抱き上げてみてください。

 

スキンシップはそのハリネズミの性格にもよりますが、1回5分程度にとどめるようにするのがおすすめです。ストレスを感じさせないためにも、短めを心掛けましょう。もちろん甘えてくれるようなら嬉しい限りですが、嫌がるようならすぐに開放することが大切です。

 

発情期のオスに注意

オスのハリネズミは、気候が穏やかな春や秋に発情期を迎えることがあります。環境次第では夏や冬でも発情することも。発情したオスは攻撃的になり、突然暴れ出したり、周囲のものに体当たりしたりするようになります。

 

注意したいのは、発情期のオスはメスがいなくても求愛行動を取ったり、生殖器が大きくなって疑似交尾をしたりすること。

 

この行動はあくまで本能によるものであって、寂しくてやっているわけではありません。繁殖させても飼いきれないようなら、そのまま1匹でも大丈夫です。特にストレスになるわけでもないので、寿命にも響きません。

 

こんな時はストレスを感じてるサイン

ハリネズミはストレスを感じると、さまざまなサインを出してきます。体の針を立てる、シューシューと威嚇する声を出す、便の色がいつもと違ってくる、噛みついてくる、ひどい時は針が抜け始めることも。

 

意外に思うかもしれませんが、ハリネズミにとって針を立てる行為は体力を大きく消耗します。また、ハリネズミは犬や猫と違ってめったに鳴かない動物です。声を出すのはよほどストレスが溜まっているサインと考えられます。

 

ストレスや無駄な体力の消耗は、ハリネズミの寿命をすり減らす原因です。サインに気付いたら、すぐに環境を見直してあげましょう。

 

こんな行動をとることも

ハリネズミが口から泡を出して体に塗りつけている。稀にこのような行動をとっているのを目にすることがあります。知らない状況で一見すると病気のようにも見える行動ですが、実はこれはハリネズミ特有の行動なのです。

 

「アンティング」と呼ばれるこの行動は、何を目的とした行動なのかはわかっていません。

 

ただし、このアンティングによって塗り付けられている泡には要注意です。素手で触らないようにしましょう。人がこの泡に触れると、人によってはアレルギー反応が出ます。触れてしまったら、すぐにキレイに洗い流してください。

 

 

ペットとしてのハリネズミのギネス記録

さまざまな世界記録がのっているギネスブック。ハリネズミのギネス記録はあるのでしょうか?

 

例えばハリネズミの寿命。一般的には5年生きればよい方ともいわれているようですが、中には10年生きたという方もいるのですから、ギネス認定された記録もありそうです。そこでギネスワールドレコーズ公式のホームページで、ハリネズミに関するギネス記録を調べてみました。

 

結果は「ハリネズミに関するギネス記録はなし」でした。もっとも注目を浴びそうな寿命を申請するにも、個体の特定方法が一般では難しいからなのでしょうか。個体の大きさならば、申請もしやすいかもしれません。

 

ペットのハリネズミの寿命でギネス記録に挑戦してみたいという方は、先に一度ギネスに問い合わせて、記録認定に必要な条件を確認してみるのもよいかもしれません。

 

 

おわりに

ハリネズミは愛らしい生き物ですが、ペットとして飼うならば命を預かる責任を負うことになります。そのためにも寿命をはじめ、ハリネズミについて十分な知識を持ってから飼い始める必要があることはいうまでもありません。

 

ハリネズミを飼うのであれば、ギネス記録はともかく、長く愛情をもって最後まで一緒に過ごしてください。かけがえのない思い出を作ることができることでしょう。