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暮らしの工夫
津久井 玲子

かわいい姿に癒される!正しいメダカの飼い方

昔からペットとして人気の高いメダカ。小さくてかわいい小魚で、「学校で飼っていたのを思い出す」という方も多いのではないでしょうか?しかし自宅で飼おうとすると、意外とすぐ死んでしまうことも。正しいメダカの飼い方をご紹介します。

メダカの種類

メダカの飼い方の前に、どのようなメダカがいるのかを知っておきましょう。飼育できるメダカには、次のような種類があります。

 

・黒メダカ

正式名称はニホンメダカといい、日本に古くから生息している原種のメダカです。北海道以外の日本全国に広く分布していますが、数を大きく減らしていることから絶滅危惧種に指定されています。

 

そのため、メダカの種の保存のためにも川にいるのをつかまえたりせず、お店などで人工的に繁殖したものを購入しましょう。

 

・品種メダカ

黒メダカの突然変異を種として固定した人工品種のメダカです。黄色っぽいオレンジ色のヒメダカや、江戸時代からある白い品種の白メダカ、黒メダカをやや青くしたような体色の青メダカ、ヒメダカよりもより鮮やかな濃いオレンジ色をした楊貴妃メダカなどがいます。

 

メダカと一緒に飼える生き物

メダカの飼い方として、他の生き物も一緒に飼う方法もあります。水槽がコケで汚れるのを防いでくれるヒメタニシやヌマエビ、食べ残しの餌やメダカのフンなどを分解してくれるヨコエビといったものが代表的です。

 

いずれもメダカを襲うことがないだけでなく、メダカの生育環境を整えてくれます。また、ヨコエビの子供はメダカの餌にもなるなど、自然な循環を生む手助けにもなるのです。

 

 

【メダカの飼い方】用意するもの

メダカの飼い方は、ただ水に入れておけばよいだけ、というわけではありません。当然のことながら、いろいろな設備が必要です。メダカを飼う時に必要なものをまとめてみました。

 

屋内で飼う場合

メダカは小さい魚ですが、屋内で飼う場合にはメダカを入れる容器や容器を置く場所によって、必要なものが増えることもあります。水槽が大きくなれば水質を保つためのろ過装置が、暗い場所に置く場合は水草用のライトを、といった具合です。

 

ただし室内で飼う場合のメリットとして、ヒーターなどを取り入れることで一年中水温を安定させて、冬眠させることなく元気に泳ぐメダカを観察することもできます。

 

・最低限必要なもの

1.水槽

2.餌(繁殖を促すなら粒タイプ、水を汚したくないならフレークタイプなど)

3.中和剤(水道水のカルキ抜き。メダカに害のあるカルキを中和します)

4.植物(メダカの隠れ家や産卵場所になります。水草苗でも浮き草でも大丈夫)

5.底石・底砂(水草の植え付けに使うだけでなくバクテリアの住処になり、水質の安定に貢献します)

 

・余裕があれば用意したいもの

1.ゴロタ石・流木(水槽内のディスプレイだけでなく、メダカの隠れ家としても)

2.メダカの隠れ家グッズ(メダカのストレス軽減効果も)

3.水槽の大きさや置き場に合わせて、ろ過装置や水草用のライトなど

 

屋外で飼う場合

メダカの飼い方にまだ慣れていないような初心者におすすめです。いくつもの水生植物を取り込め、見た目にも美しい環境を作れるメリットがあります。日の光を当てることで自然に虫やプランクトンが生育してメダカの餌となり、雨が水量を調節してくれる効果も。

 

環境を上手に整えれば、最終的に自然任せにできるのも屋外飼育のメリットです。自然のメダカのありのままの姿を楽しめ、メダカの色もよくなりますが、メダカは冬は冬眠するため、一年中メダカを愛でられないデメリットがあります。

 

・最低限用意するもの

1.水鉢・プラ舟など(メダカ鉢は水抜き用の穴つき。水量を多く使って本格的にレイアウトも楽しみたいならプラ舟がおすすめ)

2.餌(繁殖を促すなら粒タイプ、水を汚したくないならフレークタイプなど)

3.中和剤(水道水のカルキ抜き。メダカに害のあるカルキを中和します)

4.植物(メダカの隠れ家や産卵場所になります。水草苗でも浮き草でも大丈夫)

5.底石・底砂(水草の植え付けに使うだけでなくバクテリアの住処になり、水質の安定に貢献します)

 

・余裕があれば用意したいもの

1.ゴロタ石・流木(水槽内のディスプレイだけでなく、メダカの隠れ家としても)

2.メダカの隠れ家グッズ(メダカのストレス軽減効果も)

 

 

【メダカの飼い方】普段の世話のやり方

道具が揃ったらメダカの飼い方を見ていきましょう。メダカの飼い方はまず、水槽の準備から始めます。洗った底砂を敷き、カルキを抜いた水か中和剤を使って無毒化した水を注いでください。

 

水草などのレイアウトがすんだら、必要ならろ過装置やライトなどもセットします。水槽の環境が整ったら、好みのメダカをお店で買ってくればすべての準備は完了です。

 

ただし、買ってきて早々に水槽の中にメダカを放すのは厳禁。環境の変化にびっくりして、メダカがショック死してしまうことがあるからです。

 

まずは袋に入れたまま1時間ほど水槽に浮かべておきます。袋の中の水温と水槽の水温を合わせて、メダカを水槽の水温に慣れさせてください。それからゆっくりメダカを水槽に放しましょう。

 

餌やり

メダカの飼い方の中でも重要なことが餌やりです。餌は5分で食べきれる量を与えます。メダカは水温が上がると活動が活発になり、餌も大量に食べるようになるもの。ただし、一度に大量に与えるのではなく、回数を分けて与えるのが元気に育てるコツです。

 

逆に冬場には、水温が下がるとほとんど動かなくなり、冬眠状態に入ります。それでも暖かい日などに動いているようなら、様子をみて餌を欲しがっている場合に限り、少量だけ与えるようにしましょう。残った餌は水を汚さないためにも、取り除くようにしてください。

 

水の替え方

室内でろ過装置などを使っている場合は、まずは器具のコンセントをすべて抜きます。その後、水槽にコケがついているようならばコケを取り除いてください。水換えホースを使って、砂利のゴミごと水槽の中の水の1/3~1/2ほど抜き取ります。

 

抜き取った水槽の水で底砂を洗ってゴミを落としましょう。底砂には有益なバクテリアが住んでいますが、水道水で洗うと殺してしまうため要注意です。ゴミを落とした底砂を戻し、カルキを抜いた水を少しずつ補充します。

 

メダカへの負担を少なくしたい場合には、1週間ごとに1/5~1/3程度水を交換するのがおすすめです。水の汚れを防ぐだけでなく、コケなども防ぐことができます。

 

越冬のさせ方

メダカの飼い方の中でも屋外で飼育している場合、戸惑うのが冬のメダカの管理方法です。特にメダカの飼育初心者の方は、冬に動かなくなるメダカを見ると心配になることでしょう。

 

冬になり水温が下がってくると、メダカは冬眠するのです。水草の影や水底でじっと動かず、餌も食べなくなります。生命活動が最小限になることから、水が汚れることもほとんどありません。基本的に触れたりせず、春になってメダカが起きるまでそっとしておきます。

 

ただし、メダカが冬眠に入る前にやっておくことが。メダカが冬眠に入る直前の11月に、水替えとともにヤゴなどの害虫が入り込んでいないか確認してください。ヤゴはメダカを食べてしまいます。冬眠前に取り除いておきましょう。

 

春になって水温が10℃を超えるころからメダカは活動し始めます。はじめのうちは餌は少しだけにしましょう。いきなり元通りに餌やりをすると、メダカが消化不良で体調を崩すことがあります。普通に餌やりをするのは、水温が18℃前後になる4月中旬~5月ごろからです。

 

繁殖のさせ方

メダカの飼い方の中でも知りたいことの1つが、繁殖のさせ方ではないでしょうか?メダカは水温が18℃を超えるようになると、夏ごろまで繁殖するようになります。メスのメダカがお腹に卵をつけていたら、産卵用に水草や浮き草を入れてあげましょう。

 

水草に卵がついているのを確認したら、親メダカたちとは別の容器に水草ごと移し替えます。そのまま放置していると親メダカが卵を食べてしまうことがあるので注意してください。ただし、濁った色をした卵は孵りません。すぐに取り除いておきましょう。

 

卵から稚魚が孵ったら、そのまま親メダカとは別に育てます。お腹にある卵のうという栄養の入った袋が小さくなったら、稚魚用の餌を与え始めましょう。大きい稚魚と小さい稚魚を一緒に育てるのも共食いを誘発します。体格差のある稚魚は別の容器に移し替えてください。

 

15mmまで育てば親メダカと一緒にしても大丈夫です。それまでは少量の餌を1日3~5回に分けて与え、食べ残しの餌はスポイトで取り除きます。水が汚れないように毎日水面の水を少量交換し、容器にヌメリがついていたら落としてあげましょう。

 

 

【メダカの飼い方】飼う時の注意点

メダカの飼い方を理解して慣れてくると、さまざまな魚とも一緒に飼ってみたくなるものです。しかしメダカは小さく、大きな魚や肉食性の生き物と一緒に飼うと、食べられてしまうことも珍しくありません。

 

そのため、金魚とメダカを一緒に飼うのは厳禁です。金魚にとってメダカは格好の食料となってしまいます。同様に、亀やザリガニ、イモリなども同じ水槽に入れるのはやめましょう。特に金魚、カメ、ザリガニなどは、メダカの産卵場所である水草も食べてしまいます。

 

また、メダカの飼い方でよくある失敗例として、1つの容器にメダカを入れすぎることがあります。水1Lに対して、メダカは1~2匹が適切です。容器も表面が大きいものを選ばないと、水の中の酸素が減りすぎてしまうので注意してください。

 

メダカが表面に浮いてきたら酸欠の合図です。呼吸が激しい場合も同様のことが考えられます。すぐに別に容器を用意して、適切な数に調整してあげましょう。

 

このほかにもメダカの飼い方でよくある失敗例に、餌のやりすぎがあります。餌のやりすぎは水質悪化の原因になるだけでなく、メダカが消化不良を引き起こす原因にもなるのです。

 

そのため、いくら餌への食いつきがよいからといって、食べ残しが出るほど餌をやるのは避けましょう。先にもご紹介したように、5分ほどで食べきれる量が適切です。もちろん水の交換も適切に行うようにして、メダカの生育環境が悪化しないよう注意してください。

 

もう1つ、メダカの飼い方で注意したいことは、複数の種類のメダカを同じ水槽で飼わないことです。異なる種類のメダカ同士で交配し、色が悪くなってしまうことがあります。

 

あえて一緒に飼うことで新しいメダカを作ることもできますが、種の固定化は難しく、初心者向きではありません。色とりどりのメダカを一緒に泳がせてみたいと思うかもしれませんが、それぞれ別々の水槽で飼うようにしてください。

 

川に放すのは厳禁

メダカの飼い方が上達すると、どんどん増えていってしまって、最後は飼いきれなくなることがあります。その時は里親として引き取ってくれる人を探すか、学校などに教材として引き取ってもらいましょう。絶対に川に放流してはいけません。

 

人の手で育てられたメダカたちは、自然界にはない特徴を持っています。品種メダカの元である黒メダカですら、その地域のメダカと異なることは珍しくありません。

 

日本各地にいるメダカたちは、地域ごとに異なるグループを形成しています。地域によっては川が違えば遺伝子情報が違うといったケースもあるのです。

 

人の手で育ったメダカを川に放した場合、遺伝子が混ざりあってメダカという種の破壊につながってしまう危険性があります。飼いきれなくなったからといって、安易に放流するようなことは絶対にしないでください。

 

 

おわりに

メダカは日本人にとって身近なペットです。豊富な品種があり見た目もキレイで、愛好家も多くいます。メダカの飼い方も、慣れてしまえばさして難しいことはありません。小さい体でかわいらしく泳ぐその姿に、心を癒されてみてはいかがでしょうか?