- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
放ったらかしOK!ソテツ(蘇鉄)の育て方や植え替え時期なども
剪定や植え替えなどの手間がかからず、庭木や観葉植物に人気のソテツ(蘇鉄)。5〜9月の暖かい時期にケアをしてあげることが、ソテツの育て方のポイントです!ソテツの土づくりや水やり、肥料やり、剪定、植え付け、植え替えなどたっぷりとご紹介します。
ソテツは落ち葉掃除や剪定の手間がかからず、育て方も簡単!
緑濃い葉がシュッと大きく広がったソテツ。特徴的な幹は太く、見ているだけで、南国にいるかのような雰囲気を楽しめます。
ソテツは冬に葉を一斉に落とさない常緑性高木。1年中スタイリッシュな葉を鑑賞でき、落ち葉など掃除や、剪定などの手間もかからず、育て方も簡単でおすすめです!
ソテツの特徴&鑑賞や剪定などの時期や育て方の基本
ソテツの基本情報
・分類:ソテツ科ソテツ属
・学名:Cycas revoluta
・英名:Sago palm、Japanese sago palm、Sago cycad
・和名:蘇鉄
・原産:日本、中国、台湾
・特性・形態:常緑性高木
・樹高:1〜10m
・開花:5〜7月
・花色:黄色
・耐暑性:強い
・耐寒性:やや弱い
・耐陰性:なし
ソテツの花・葉の鑑賞時期
ソテツは、5〜7月にかけて直径50cmほどの大きな黄色い花を咲かせ、開花後は赤い種をつけます。夏は輝くような新緑や濃緑の葉が鑑賞できます。
ソテツの剪定や肥料などの手入れ
手間のかかる剪定や施肥などを、あまり必要としないソテツ。剪定は樹形が乱れたときや、葉が混み合ったときで大丈夫です。肥料は基本的に必要ありませんが、新芽が出るころの5〜9月に与えると株が元気になります。
ソテツの生長スピード・樹高・販売価格
ソテツの生長スピードはとてもゆっくりですが、大きくなると樹高は10m程度になることも。定期的な剪定をし、鉢植えで育てるなら、狭いスペースでも安心して管理できます。
価格は苗木の大きさによって違いますが、5〜7号ポットサイズで2000〜4000円程度で販売されていることが多いようです。
庭木なら開花も楽しめる!ソテツの花と実
ソテツの花
裸子植物であるソテツの花は、雄株と雌株それぞれ異なった姿をしています。雄花は小さな胞子が集まって、トウモロコシのような円錐状(えんすいじょう)に咲き、雌花は胞子がドーム状に集まって咲きます。
とてもユニークな花を咲かせるソテツですが、開花するにはたくさんの栄養を必要とするため、鉢植えでは難しいです。開花を楽しみたい方は、庭に地植えするのがおすすめです。
ただし、ソテツは寒さに弱いため、高冷地での地植えは、枯れの原因になることもあるので注意してくださいね!
ソテツの実
ソテツは花が咲き終わると、受粉した雌花は、中に赤い実を無数に付けます。実には毒がありますが、地域によっては毒抜き作業をして食用にすることも。しかし、無闇に口にするのは危険なのでやめましょう。
また、ソテツの雄株と雌株の見分けがつきにくいため、受粉させるのが難しいかもしれません。
ソテツを庭や鉢で育ててみよう!育て方のコツ
比較的病害虫に強いソテツですが、育てる場所が悪いと、ハダニやカイガラムシの被害にあうことも。葉が吸汁されないよう風通しがよい場所で育てることがポイントです。
特にソテツを室内で育てている場合は、ハダニの被害が多くなるので、暖かい日は外で日光浴や、室内を密閉し過ぎないよう管理することが大事!
育て方1. 日当たりと風通しがよい場所で
ソテツは、風通しがよく、春から夏の間にしっかり陽の光が当たる場所で育てると、葉の色味も鮮やかで元気に生長します。日陰過ぎると、葉がスカスカになったり、落葉したりする場合も。
また、庭に植え付けるときは、強風を受けにくい、東南から西南側面の建物の近くがおすすめです!
育て方2. 排水性・通気性のある土で
ソテツの土は、排水性・通気性に優れたものがよいです。水はけが悪いと、根腐れしやすいので、庭に植え付ける前には、腐葉土や赤玉土を掘り起こした土に混ぜましょう。鉢植えで育てる場合は、ホームセンターなど市販で売っている観葉植物用の培養土でも大丈夫です。
育て方3. 土の中がしっかりと乾いたら水やり
太い幹にたくさんの水分が含まれているソテツは、水をあまり必要としません。水やりは土の中が乾いたら、たっぷりと与えるようにしましょう。土の乾燥と加湿具合に、メリハリがつくように育てることがポイント。
鉢底から垂れるぐらい水をたっぷり与えることで、鉢の中の空気が入れ替わり、根腐れもしにくいですよ!
育て方4. 肥料は5〜9月の生長期に
生命力の強いソテツは、栄養分が少ない土でも元気よく生長します。生長具合が心配な方は、比較的暖かい時期の5〜9月に、緩効性化成肥料を与えるとよいです。
ソテツの根には、共生菌といわれる菌がついていて、窒素を作り、ソテツの株に供給することができます。そのため、窒素が多いものは控え、リン酸とカリウムが多いものを与えるのがおすすめです。
育て方5. 2〜3年に1度は、植え替えを
生長がゆっくりなソテツは、植え替えをあまりする必要がありません。鉢植えで株を大きくしたいときは、2〜3年に1度のペースで、2回り大きい植木鉢に植え替えましょう。
植え付け、植え替えの適切な時期は、生長期の5〜9月がよく、枯れる心配がありません!
育て方6. 樹形を整えるときは、剪定ですっきりと
ソテツの樹形を整えたいときや、葉が混み合って風通しが悪くなったときは、剪定をして見た目をすっきりとさせましょう。古くなった葉や、葉が重なった箇所を切り落とします。
おわりに
剪定や植え替えなど、管理の手間がかからないソテツは、育て方が簡単で、初心者におすすめの樹木です。大きく広がった葉が観葉植物として室内で楽しめるほか、庭木として立派なシンボルツリーにもなります。ぜひ育て方がシンプルなソテツを、庭や鉢で管理してみましょう!