- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
ワイルドストロベリー実を収穫しよう!育て方や楽しみ方を紹介
育て方が簡単で、ガーデニング初心者でも育てやすいワイルドストロベリー。実の収穫時期は、5〜7月で、子株を増やせば毎年収穫が楽しめます。花や葉の鑑賞時期、水やり、植え替えの仕方などの栽培方法、レンジで作れるハーブティーの作り方も紹介します!
目次
グラウンドカバーにもなる!育て方が簡単なワイルドストロベリー
春に実を収穫できるワイルドストロベリーですが、葉の色も楽しめるのも魅力の一つです。品種を選べば、ライムグリーンの葉をもつものあり、庭のグラウンドカバーとして、ガーデニングをするものおすすめ。
庭の雑草の生育を抑えられ、実を収穫できる草花は数が少なく、とても貴重な植物ですよ!
ワイルドストロベリーの特徴&鑑賞や摘芯などの時期や育て方の基本
ワイルドストロベリーは、冬に一斉に葉が落ちず、株自体も枯れない常緑性多年草で、暑さや寒さに強く、生命力の強い草花です。
ワイルドストロベリーの基本情報
- 分類:バラ科オランダイチゴ属
- 学名:Fragaria vesca
- 英名:Wild strawberry、Woodland strawberry、Alpine strawberry
- 和名:エゾヘビイチゴ、ヨーロッパクサイチゴ
- 原産:ヨーロッパ
- 特性・形態:常緑性多年草
- 樹高:10〜20cm
- 開花:4〜6月
- 結実:5〜7月
- 花色:白色
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:なし
ワイルドベリーの花・葉の鑑賞や収穫時期
ワイルドストロベリーは、4〜6月にかけて小さな白い花を咲かせ、5〜7月には、イチゴよりも小さな赤い実を付けます。夏は輝くような濃緑やライムグリーンの葉が鑑賞できます。
ワイルドベリーの摘芯や肥料などの手入れ
手間のかかる摘芯や施肥などを、あまり必要としないワイルドストロベリー。摘芯は葉数が多くなったときや、親株が古くなったときで大丈夫です。肥料は基本的に必要ありませんが、花芽が付くころの3〜5月に与えると、実が大きくなるでしょう。
ワイルドストロベリーを庭や鉢で育ててみよう!育て方のコツ
比較的には暑さや寒さに強いワイルドストロベリーですが、育てる場所が悪いと、カビを原因とするうどんこ病や、灰色カビ病の被害にあうことも。また、葉が乾燥した状態が続くと、ハダニなどの害虫がつくこともあります。
Point1. 日当たりと風通しがよい場所で
風通しがよく、春から夏の間にしっかり陽の光が当たる場所が大好きなワイルドストロベリー。十分な光に当たることで、葉の色味が鮮やかになり、実も大きくなります。日陰過ぎたり、湿気が多かったりすると、葉が病気にかかりやすく、実がならないことも。
庭に植え付けるときは、木の下の涼しい場所に植え付けたり、鉢を置いたりして育てるとよいです。
Point2. 排水性・通気性・保水性のある土で
ワイルドストロベリーの土は、排水性・通気性をよくし、根腐れしにくくするのがポイント!ただし、水はけがよすぎると、乾燥しやすく枯れてしまうので、保水性もよくしましょう。
庭に植え付ける前には、腐葉土や赤玉土、ピートモスなどを掘り起こした土に混ぜます。鉢植えで育てる場合は、ホームセンターなど市販で売っている野菜用の培養土でも大丈夫です。
Point3. 土の表面が乾いたら水やり
多湿な環境が苦手なワイルドストロベリーですが、大きな実を付けさせるためには、日頃の水やりは大事です。土の表面が乾燥して白っぽくなったら水やりのサイン!葉の上からたくさん水をけましょう。
鉢底から垂れるぐらい水をたっぷり与えることで、鉢の中の空気が入れ替わり、根腐れもしにくいですよ!
Point4. 鉢植えなら肥料を
生命力の強いワイルドストロベリーは、栄養分が少ない土でも元気よく生長します。庭で地面に育てている場合は、肥料は与えなくても問題ありません。
鉢植えなら開花、結実前の3〜5月ごろに、リン酸が多めの緩効性化成肥料や、液他肥料与えましょう。
Point5. 植え替えを1年に1度のペースで
鉢植えのワイルドストロベリーは、1年に1度のペース植え替えをします。植え替えをせずに放置してしまうと根詰まりが起き、実がなりにくいほか、枯れてしまうことも。3〜5月の春か、9〜10月の秋のどちらかに、一回り大きい鉢に植え付けましょう。
植え替えるときは、根鉢を半分崩してから、新しい土に植え付けてくださいね!
Point6. 株の更新
毎年、花芽と実が付いて、1年中楽しめるワイルドストロベリー。植木鉢で育てている場合は、大きくなって古くなった親株を処分して、新しい子株を大きくすると、実がたくさんつくようになります。
親株から長く出た釣竿のような茎(ランナー)を切り離し、子株をしっかりと地面に植え付け、株を新しく更新してみましょう。
収穫したワイルドストロベリーをハーブティーで楽しもう!
電子レンジで簡単に作れる!ワイルドストロベリーハーブティーの作り方
ワイルドストロベリーは実だけでなく、葉や茎も食べれる万能な植物。ただし、葉と茎には毒性があるので、生食は避け、しっかりと乾燥や加熱させてから、料理などに付きましょう。
- 作り方
Step1. 収穫した実、葉、茎を部位ごとに分けて洗います。(実はヘタを取り除いてから)
Step2. 実を耐熱容器に、葉と茎はペーパータオルで水分を拭き取ってから、別の耐熱容器に入れます。
Step3. 実に砂糖を加え、やわらかくなるまで電子レンジで加熱します。葉と茎は水分が抜けてカリカリになるまで、加熱しましょう。
Step4. やわかくなった実にレモン汁を加え、スプーンで潰しながら混ぜます。
Step5. 乾燥させた葉と茎を熱湯で煎じて、ジャム状になった実を加えれば、ワイルドストロベリーのハーブティーの完成です。お好みで、ミントを添えてすっきりとした味わいを楽しむのもおすすめ!
おわりに
育て方が簡単なワイルドストロベリーは、自宅の庭や鉢植えで管理ができ、葉・花・実の色の変化など、季節ごとに鑑賞でき、収穫もできます。ぜひワイルドストロベローを育てて、ガーデニングをより楽しんでくださいね!