- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
初心者でもできる!ポットを使った種まきの仕方やコツ
種まきから植物を育てられたら、苗を買う必要がなくなり、安価でよりたくさんの数を育てられ、収穫もできます。また、一から育てることで、さらに愛着をもって植物の世話ができるのも魅力!今回は、ポットを使った種まきの仕方やコツを紹介します。
ポットに種まき!直まきより発芽しやすい
種まきをするときは、植物の種類によって、ポットか地面のどちらかを選ぶ必要があります。1本の太い根が地面へ深く伸びる直根タイプの植物は、ほとんどが移植を嫌うため、直接地面に種をまいて育てることが多いです。
しかし、地面に直接種まきをすると、雨や風などによって、土が崩れたり、種が流されたりと、トラブルが起きやすく、種の発芽率がとても低くなってしまうことも。ポットに種まきをすれば、天候に作用されず、失敗もしにくくておすすめです!
また、移植を嫌う植物は、根にダメージを受けなければ、生長が悪くなることはなく、ポットでしっかりと丈夫な根をつくれば、問題はありません。
種が発芽するのに必要な要素
種が発芽するには3つの要素が不可欠です。しっかりと条件を揃えることで、種は発芽し、その後の生長も良好に。
- 温度(地温)
- 水
- 酸素
とくに温度は大切で、植物によって発芽する適温度は異なります。しっかりと調べてから、種まきをしてくださね!
種には大きく2つの性質
種には土を被せるものと、被せないもの2つが存在します。これは、種の性質によって異なり、植物それぞれで種まきの仕方を変えます。
・好光性種子(こうこうせいしゅし)
好光性種子は、十分に日光に当たることによって発芽します。種をまいたら、覆土はせずに管理しましょう。
・嫌光性種子(けんこうせいしゅし)
嫌光性種子は、日光を嫌い、発芽の妨げになります。大きな種の場合は、指で土に穴をあけて覆土。小さな種の場合は、種を地表にパラパラとまき、土を数mmほど上から被せましょう。
教えて!種まき用のポットのサイズや形、土の種類
種をまくなら小さいポットやトレーに!
植物を種から育てるなら、ポットは育苗用のセルトレーなどの小さなものを使いましょう!ポットが大き過ぎてしまうと、根が張りにくく、水分が多くて種や根が傷んでしまうこともあります。
卵の紙パックなどでも種まきはでき、紙は土に還るので、苗が大きくなったら、土にそのまま植え付けることもできますよ!
初心者は種まき用の土を
種をまくときの土は、水はけ、水持ちのよいものを選びましょう。水はけが悪く、べちゃべちゃになるような土、乾燥するとカチカチに固まってしまう土では、植物は育ちません。
水はけが良過ぎても、種が水分を吸収しにくく、発芽したとしても、乾燥によって枯れやすいです。
また、種には発芽するための栄養分が詰まっているので、肥料や元肥が入っているものは避けましょう!
初心者の方は、ホームセンターなど市販で売っている種まき用の土が、失敗しにくくておすすめ。それ以外にも、鹿沼土やピートモスなどがよく、保水性もあって、種が発芽しやすいですよ。
ポットに種まきしてみよう!種をまくときの仕方やコツ
ポットに種まき
Step1. 大きめの土壌改良材は取り除く
ポットに土を入れたら、すり切りをして、量を調節しましょう。一般的な用土を使う場合は、大きめのバークチップの破片や、固形肥料は発芽や生長の阻害となるので、できるだけ取り除きます。
ポットに土を入れるときは、ポットの底を軽く叩いたりして、つめてあげてくださいね!
Step2. ポットに種をまく前に水やり
ポットに土が入ったら、先に水やりをして土を湿らしましょう。種をまいてから水を与えてしまうと、土が水を弾き、種と一緒に浮いてしまうので注意。
とくにピートモスなどの土は、初めのうちは水を吸収しにくいので、ジョウロで先に水をやり、表面には霧吹きを吹きかけて、十分に水を浸透させます。
Step3. ポットに種まき
ポットであれば、筋まきやばらまきなどする必要がなく、点まきで種をまけます。1つのポットに3〜4つ程度に分けてまいてくださいね!
Step4. 種が発芽したら
種が発芽し、本葉が3〜4枚ぐらいになったら、間引きをしましょう。苗が隣り合っていると、栄養の取り合いとなってしまい、ひょろひょろの苗に。大きく生長しているほう残し、ほかは取り除きます。
Step5. ポットの外から根が見えたら
苗が大きくなって、ポットに根がたくさん回ると、底穴から見えてくると思います。植え替えのタイミングなので、別の一回り大きいポットに移し、苗を大きく生長させましょう!
苗を植え替えするときは、根鉢を崩さず、箸や竹串、スプーンなどを使って優しく扱います。
Step6. 苗を別のポットに植え付ける
苗を一回り大きなポットに植え付けるときは、根鉢より1.5倍ほど大きい植え付け穴をつくり、植え付けましょう。土を入れたあとは、上から指で圧力をかけると、隙間がなくなり、根が伸びやすくなります。
Step7. 水をたっぷりと
植え付けができたら、水をたっぷりと与えてましょう。根と土が馴染み、定着しやすくなります。
おわりに
種まきはポットを使うことで、移動が簡単にでき、小さなハウスをつくることもできます。雨風にさらされていると、発芽はしにくく、失敗もしやすいのです。種まきに自信がない方や初心者の方は、ぜひポットに種をまいて、野菜や草花、庭木など育ててみましょう!