
- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダの田舎町で植物と戯れながら、野菜・果樹・草木を使ったガーデニングの世界を開拓しています。建築と造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、みなさんに植物とガーデニングの楽しさをお届けします!
冬でも自宅で手軽にベランダ菜園をしたい方は多いはず。園芸用品を使って防寒対策や、寒さに強い野菜の種類や品種を選ぶことで、栽培はいつでもできますよ。今回は、冬のベランダ菜園における、防寒対策やおすすめの野菜の種類と育て方をご紹介します。
畑や庭がなくても、プランターや植木鉢を使って、手軽に野菜やハーブが育てられるベランダ菜園。とても簡単に始められて、初心者でもできる園芸方法の一つです。
しかし、冬のベランダ菜園では、野菜がうまく育ちにくい、枯れる、初心者にはできない、などといった不安や疑問があると思います。寒さに向けた防寒対策や、寒さに強い野菜の種類を選ぶことによって、栽培は初心者でもでき、収穫も可能です。
また、温度が一定的に安定しているような室内で育てるよりも、冬の寒さにしっかりと当てた野菜の方が、色味も濃く、大きく、おいしい採れたてが食べられますよ。
ベランダ菜園でできる冬の防寒対策をここでは大きく3つ紹介します!
ホットキャップとは、植え付けた苗に被せるドーム型のプラスチックカバーで、寒さや風から保護できます。背が高くなるような野菜には向きませんが、小さな野菜であれば十分に、防寒対策ができますよ。
マルチングとは野菜など植物の株元、株周りにビニールやワラ、腐葉土、ウッドチップを敷いて、土中の水分の蒸発や雑草が生えるの防ぐほか、防寒対策の役割もあります。
野菜の栽培では、主にワラやヤシ繊維、ビニールフィルムでマルチングをすることが多いです。とくにワラは、土の上に敷き詰めることで、小さな倒れやすい苗を支える役割もあり、保温もしながら、小さな苗が、風によって折れるのを防ぐ効果もありますよ。
・特徴
玉型に生長するレタスとは違い、葉が横に広がって生長するリーフレタスは、寒さに強く、栽培期間が1ヶ月半と短くて、初心者でも育てやすい冬の野菜です。ベランダ菜園で、小さなプランターでも栽培ができるので、おすすめです。
・栽培のコツ
冬の霜に当たってしまうと、葉が傷んで黒く変色してしまうので、真冬が来る前には収穫をするか、ホットキャップや不織布・寒冷紗で防寒対策をしましょう!
・特徴
小さなプランターでも、栽培ができ、根から葉のすべてをおいしく食べられるカブは、冬のベランダ菜園でも、枯れずに元気でおすすめ。小さな品種は、ラディッシュのような感覚で育てられ、育て方も簡単ですよ!
・栽培コツ
種まきをして、発芽後は、しっかりと間引き作業を行うことで、身を大きくさせることができます。いつまでも苗が隣り合っていると、ヒョロヒョロの苗となってしまい、食べる部分が少なくなってしまうので、気をつけましょう。
・特徴
多くの料理に欠かせず、キッチンに常備されていることが多い玉ねぎは、冬のベランダ菜園で、手軽に育てられる野菜の1つです。早生(わせ)タイプの品種を選ぶことで、栽培も簡単になり、収穫までが早いです。
・栽培コツ
玉ねぎは苗作りがとても大切な野菜苗。苗がしっかりと元気のあるものでないと身が太らないことも。種まきから育てる場合は、9月までに済ませ、苗を植え付けるのは11月に行います。
・特徴
冬に食べる鍋料理で、大活躍する白菜。大きな60型サイズの大きなプランターで育てると、丸々太った白菜を収穫することができます。
・栽培コツ
たくさんの葉が、いくつもの層になって形成される白菜は、虫の被害が多い野菜の1つです。防虫対策は必須なので、防虫ネット代わりとして、不織布や寒冷紗を使い、防寒対策もするとよいです。
・特徴
ダイコンは、白くて長いが代表的ですが、色が赤や黒、形が短い、丸いとさまざまな品種が多いのが特徴です。長く生長する品種は、10号サイズ以上の植木鉢であれば、栽培も可能ですよ!
・栽培コツ
カブと同じように、発芽後は身が大きくなるように、しっかりと間引き作業を行うこと。小さなプランターや植木鉢では、大きくなりにくいので、できるだけスペースに余裕のもてるサイズのものを選びましょう!
・特徴
大きな花蕾(からい)と呼ばれる蕾を食べるブロッコリーですが、太い茎も硬い皮をむき、中の繊維をとって茹でることで、おいしく食べられます。とても大きな株へと生長するので、育てるときは、大きなプランターは必須です。
・栽培コツ
ブロッコリー栽培は、防虫対策をすることで、花蕾を虫に食べられずに済みます。苗の定植後は、防虫ネットをしっかりとセットしてあげてくださいね!
冬のベランダ菜園は、不織布やホットキャップ、マルチングなどの防寒対策、寒さ強い野菜を選ぶことで、栽培ができます。葉を強い寒風にさらしてしまうと、葉の裏から水分が抜けて乾燥してしまうので、できるだけ防寒対策をしながら、栽培することを心がけてくださいね!