- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
冬でもベランダ菜園をしよう!防寒対策や寒さに強い野菜の種類の紹介
冬でも自宅で手軽にベランダ菜園をしたい方は多いはず。園芸用品を使って防寒対策や、寒さに強い野菜の種類や品種を選ぶことで、栽培はいつでもできますよ。今回は、冬のベランダ菜園における、防寒対策やおすすめの野菜の種類と育て方をご紹介します。
目次
冬でもベランダ菜園は簡単!
冬の寒さに当てて育てると、ベランダ菜園は成功する!
畑や庭がなくても、プランターや植木鉢を使って、手軽に野菜やハーブが育てられるベランダ菜園。とても簡単に始められて、初心者でもできる園芸方法の一つです。
しかし、冬のベランダ菜園では、野菜がうまく育ちにくい、枯れる、初心者にはできない、などといった不安や疑問があると思います。寒さに向けた防寒対策や、寒さに強い野菜の種類を選ぶことによって、栽培は初心者でもでき、収穫も可能です。
また、温度が一定的に安定しているような室内で育てるよりも、冬の寒さにしっかりと当てた野菜の方が、色味も濃く、大きく、おいしい採れたてが食べられますよ。
防寒対策をしよう!冬のベランダ菜園でできること
ベランダ菜園でできる冬の防寒対策をここでは大きく3つ紹介します!
不織布・寒冷紗・防虫ネット・ビニールフィルムを被せて対策
- 不織布
糸を織らずに、絡ませて作られている不織布は、防寒対策で使われる用品の1つ。通気性がよく、高い保温効果もあります。水分を通すので、水やりのときは、そのままかけても、問題ありません。 - 寒冷紗(かんれいしゃ)
主に遮光目的で使われる寒冷紗は、保温効果もあるため、防寒対策として使われることもあります。白か黒の2種類がありますが、白は保温効果が高く、黒は遮光率が高いです。 - 防虫ネット
防虫ネットは、害虫被害を防ぐ役割が主ですが、防風効果は期待できます。保温効果は低いですが、応急処置として使用する分には問題ないでしょう。 - ビニールフィルム
ビニールフィルムは、直射日光に当たることで保温効果を発揮。完全密閉にしても、プランターから適度に放熱がされるので、高温状態にもなりにくいです。また、水分が放出しにくいので、内部の湿度が高く、土は乾きにくいですが、葉はみずみずしい状態を保ちます。
ホットキャップをセットして対策
ホットキャップとは、植え付けた苗に被せるドーム型のプラスチックカバーで、寒さや風から保護できます。背が高くなるような野菜には向きませんが、小さな野菜であれば十分に、防寒対策ができますよ。
ワラ・ヤシ繊維・ビニールフィルムでマルチングして対策
マルチングとは野菜など植物の株元、株周りにビニールやワラ、腐葉土、ウッドチップを敷いて、土中の水分の蒸発や雑草が生えるの防ぐほか、防寒対策の役割もあります。
野菜の栽培では、主にワラやヤシ繊維、ビニールフィルムでマルチングをすることが多いです。とくにワラは、土の上に敷き詰めることで、小さな倒れやすい苗を支える役割もあり、保温もしながら、小さな苗が、風によって折れるのを防ぐ効果もありますよ。
冬のベランダ菜園におすすめ!寒さに強くて、初心者でも育てやすい野菜の種類
冬のベランダ菜園におすすめの種類1.リーフレタス
・特徴
玉型に生長するレタスとは違い、葉が横に広がって生長するリーフレタスは、寒さに強く、栽培期間が1ヶ月半と短くて、初心者でも育てやすい冬の野菜です。ベランダ菜園で、小さなプランターでも栽培ができるので、おすすめです。
・栽培のコツ
冬の霜に当たってしまうと、葉が傷んで黒く変色してしまうので、真冬が来る前には収穫をするか、ホットキャップや不織布・寒冷紗で防寒対策をしましょう!
冬のベランダ菜園におすすめの種類2. カブ
・特徴
小さなプランターでも、栽培ができ、根から葉のすべてをおいしく食べられるカブは、冬のベランダ菜園でも、枯れずに元気でおすすめ。小さな品種は、ラディッシュのような感覚で育てられ、育て方も簡単ですよ!
・栽培コツ
種まきをして、発芽後は、しっかりと間引き作業を行うことで、身を大きくさせることができます。いつまでも苗が隣り合っていると、ヒョロヒョロの苗となってしまい、食べる部分が少なくなってしまうので、気をつけましょう。
冬のベランダ菜園におすすめの種類3.玉ねぎ
・特徴
多くの料理に欠かせず、キッチンに常備されていることが多い玉ねぎは、冬のベランダ菜園で、手軽に育てられる野菜の1つです。早生(わせ)タイプの品種を選ぶことで、栽培も簡単になり、収穫までが早いです。
・栽培コツ
玉ねぎは苗作りがとても大切な野菜苗。苗がしっかりと元気のあるものでないと身が太らないことも。種まきから育てる場合は、9月までに済ませ、苗を植え付けるのは11月に行います。
冬のベランダ菜園におすすめ!大きめのプランターで育てる野菜の種類
冬のベランダ菜園におすすめの種類1. 白菜
・特徴
冬に食べる鍋料理で、大活躍する白菜。大きな60型サイズの大きなプランターで育てると、丸々太った白菜を収穫することができます。
・栽培コツ
たくさんの葉が、いくつもの層になって形成される白菜は、虫の被害が多い野菜の1つです。防虫対策は必須なので、防虫ネット代わりとして、不織布や寒冷紗を使い、防寒対策もするとよいです。
冬のベランダ菜園におすすめの種類2. ダイコン
・特徴
ダイコンは、白くて長いが代表的ですが、色が赤や黒、形が短い、丸いとさまざまな品種が多いのが特徴です。長く生長する品種は、10号サイズ以上の植木鉢であれば、栽培も可能ですよ!
・栽培コツ
カブと同じように、発芽後は身が大きくなるように、しっかりと間引き作業を行うこと。小さなプランターや植木鉢では、大きくなりにくいので、できるだけスペースに余裕のもてるサイズのものを選びましょう!
冬のベランダ菜園におすすめ3. ブロッコリー
・特徴
大きな花蕾(からい)と呼ばれる蕾を食べるブロッコリーですが、太い茎も硬い皮をむき、中の繊維をとって茹でることで、おいしく食べられます。とても大きな株へと生長するので、育てるときは、大きなプランターは必須です。
・栽培コツ
ブロッコリー栽培は、防虫対策をすることで、花蕾を虫に食べられずに済みます。苗の定植後は、防虫ネットをしっかりとセットしてあげてくださいね!
おわりに
冬のベランダ菜園は、不織布やホットキャップ、マルチングなどの防寒対策、寒さ強い野菜を選ぶことで、栽培ができます。葉を強い寒風にさらしてしまうと、葉の裏から水分が抜けて乾燥してしまうので、できるだけ防寒対策をしながら、栽培することを心がけてくださいね!