- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
ディルを育てて香りのある花壇を!育て方やコツを紹介
さわやかですっきりとした風味が魚料理にもあい、ハーブで人気のディル。寒さに強いため、防寒対策なども必要ないです。香りが防虫効果となり、花壇の寄せ植えや、野菜のコンパニオンプランツとして育てるのもおすすめ!ディルの育て方についてご紹介します。
育て方を知る前に!ディルとは
セロリのように長い茎の先に細くて、きめ細かく分かれた葉をもつディル。葉・茎・花・種を料理の香りづけやトッピングとして使え、独特な風味が魚・肉・卵料理など多くの食材とあいます。
6月ごろになると、ニンジンの花に似た黄色い花を咲かせ、花壇の寄せ植えとしても、鑑賞ができるので、おすすめのハーブです。
暑さや乾燥に気をつければ、枯れることもなく、育て方は簡単。草花など植物を育てたことがないガーデニング初心者でも、育てやすい植物です。
ディルの基本情報と特徴|育て方で気をつけたいこと
ディルの基本情報
・分類:セリ科イノンド属
・学名:Anethum graveolens
・英名:Dill
・和名:イノンド
・原産:地中海、インド、アフリカ
・草花:一年草
・草丈:50〜100cmほど
・開花:5〜7月
・花色:黄色
・耐寒性:強い
・耐暑性:弱い
ディルの特徴|フェンネルとの違いとは?
・直根性:太い根が地面へ真っ直ぐ伸び、根鉢を作りにくく、移植を嫌う
・高温多湿に弱い:根腐れが起き、枯れる恐れがある
ディルは直根性のため、地面に植え付けをしたあと、ほかの場所へ移植するのは、できるだけ避けましょう。株にストレスがかかり、生長不良を起こすこともあるので、買ってきた苗を植え付けるときは、場所選びを慎重に選んでくださいね!
- ディルとフェンネルの違い
ハーブで人気のフェンネルは、ディルに似た姿をしており、同じセリ科の植物。しかし、フェンネルはウイキョウ属に分類され、多年草です。茎は太く肥大化していて、シチューや野菜スープの具材として使われます。ディルは酸味のあるフレッシュな風味がしますが、フェンネルはほのかに甘みのある風味を持ちます。どちらも魚料理や肉料理などにあうので、風味の違いを楽しんで料理するのが良いかもしれませんね!
香りを楽しんで、料理で使ってみよう!ディルの育て方
ディルの上手な育て方とは
- 日当たりと風通しのよい場所で
ディルは、直射日光の当たらない明るい半日陰で、風通しのよい場所で元気に育ちます。日陰過ぎると花芽が付きにくくなったり、病気にかかったりすることも。春から秋の間に、しっかりと陽の光が当たるような暖かい場所に植え付けましょう! - 通気性・保水性のあるふかふかのやわらかい土がベスト
ディルは、通気性と保水性があって、有機質がたっぷり入ったふかふかの土が大好き。植え付ける前には、掘り起こした土に、腐葉土など堆肥を混ぜ込んでから、植え付けます。ガーデニング初心者の方は、ホームセンターなど市販で売っているハーブ用、または草花用の培養土を使うと、失敗しにくく簡単でおすすめ!
- 株間は30cm以上あけて植える
大きくなると草丈が1m以上になるディルは、横にも茎や葉を伸ばすので、丸くてこんもりとした姿になります。ほかの植物と隣り合って寄せ植えするときは、できるだけ株間を30cm以上あけて植え付けましょう。間隔が狭いと、隣の草丈の低い草花に覆いかぶさってしまし、生育を悪くさせることもあるので注意します。
また植え穴に植え付けるときは、根鉢を崩さず、根に傷がつかないよう優しく扱ってくださいね!
- 乾燥には注意
ディルを植え付けた直後には、水をたっぷりと与えます。その後は、水切れには注意し、土の中が乾燥したら頻度よく水を与えましょう。水の与え過ぎは、根腐れの原因になり、そのまま枯れてしまうこともあります。手でしっかりと土の中の湿り気具合を確認しながら与えると、水を与えるタイミングがわかりやすいです。
- 春、秋には肥料を
春から秋の間は、ディルの生長が活発になるので、肥料を与えて元気づけましょう。春と秋に2ヶ月の間隔で、緩効性化成肥料を株元、株周りまきます。ただし、暑さには弱いため、夏の猛暑が続く日などは避けて、肥料を与えてくださいね! - 茎が間延びしていたら剪定と摘芯を
夏頃になると、ディルの茎は細長く、四方八方へと伸びます。草丈が30cmほどになったら、10cmほどまで切り戻して、高さや茎の数を調節しましょう。株の内側がかなり混み合っている場合は、育てる茎葉を決め、不要な茎は根元から間引きます。花がたくさん咲いてしまうと、葉や茎を収穫しにくくなってしまうので、花芽がついたら摘芯をしましょう。
- 支柱を立てて株を固定
草丈が高いディルは、雨風によって地面に倒れてしまうことがあります。植え付けてから、30cm以上生長している場合は、支柱を立てて、倒れないように固定をするとよいです。 - キアゲハの幼虫を見つけたら…
病害虫に強いディルですが、キアゲハの幼虫には注意!放置すると葉を食害されてしまうので、見つけ次第捕殺します。
ディルを収穫しよう!
ディルを収穫して香りを楽しもう!
ディルの草丈が30〜40cm以上になっていたら、収穫の時期です!剪定で切り落とした茎や葉をそのまま収穫するのもよいです。花がたくさん咲く前に葉や茎を収穫しますが、花が咲き終わった後にできる種も食用になるので、根気のある方は挑戦してみましょう!
おわりに
育て方が簡単なディルは、ガーデニング初心者でも育てやすく、料理でも大活躍。寄せ植えやコンパニオンプランツとしても植えられる魅力があるので、ガーデニングの楽しさもさらに広がります。ぜひディルの育て方を知って、庭や花壇、植木鉢で育ててみてくださいね!