- 津久井 玲子
- 自分が仕事の中で勉強したことを、わかりやすさ、伝わりやすさに気をつけて書いています。読んでくださった方にとっても、読んでよかった、勉強になったと思える記事を目指しています。
実は重要な洗濯機の糸くずフィルター!忘れず掃除している?
洗濯機の中に必ず付いている糸くずフィルターですが、中には「何これ?」と思っている方もいるのではないでしょうか。洗濯中に出るゴミを取り除いてくれる糸くずフィルターは、実はとっても大切な部品です。糸くずフィルターの掃除方法をご紹介します。
洗濯機の糸くずフィルターって?
どの機種の洗濯機を見てみても、必ず取り付けられている部品の1つに糸くずフィルターがあります。この部品は、その重要性をきちんと認識されていないことが多い部品です。まずは、その重要性から正しく理解していきましょう。
洗濯機での糸くずフィルターの役割
洗濯物から想像以上に多くのホコリやゴミが出てきます。洗濯槽の中にこれらの汚れが漂ったままでは、いくら洗濯してもキレイになりません。そこで、洗濯機の中の掃除役として、これらのホコリやゴミを取り除いているのです。
糸くずフィルターという洗濯槽内の掃除役のおかげで、洗濯機の中は洗濯に適した環境に整えられています。もし洗濯機から外したまま稼働させてしまうと、洗濯物から出た汚れがほかの洗濯物に移ってしまうだけでなく、洗濯機の故障につながることもあるのです。
「洗濯機の故障なんて大げさな」と思う方もいるかもしれません。しかし、洗濯物から出た汚れを放置しておくと、行き場を失った汚れは洗濯機内部の隙間や排水溝などに溜まっていきます。その結果、洗濯機は正常に稼働できなくなり、最後は故障してしまうのです。
糸くずフィルターは、洗濯時に洗濯物から出る汚れを可能な限り取り除いて、スッキリとキレイに仕上げるためにも、洗濯機を故障から守るためにも欠かせない、とても重要な部品であることは間違いありません。
洗濯機の糸くずフィルターの掃除頻度
洗濯機の掃除役の糸くずフィルターも、中がゴミだらけになってしまえばそれ以上はゴミを取り除けません。そのまま放置しておくと、ゴミが取れなくなるだけでなく、カビの温床になってしまうこともあるのです。
では糸くずフィルターを、性能を発揮するのに問題ないレベルに保てる掃除頻度とは、どのくらいが最適なのでしょうか?洗濯する頻度にもよりますが、基本的には洗濯するごとに毎回取り除くようにしてください。最低でも週に1回は掃除するべき部品です。
糸くずフィルターは洗濯槽内のゴミを回収するためのもの。そのゴミを放置したまま洗濯して、果たして気分よく着れるものでしょうか?そもそも1回でも洗濯すると、思っている以上にゴミが溜まっているのです。溜めないようにこまめに確認しましょう。
洗濯機の糸くずフィルターの交換タイミング
糸くずフィルターは消耗品です。キチンと掃除をしていても、いずれは寿命を迎えて交換が必要になります。糸くずフィルターが寿命を迎えた目安は、いくつかあるので覚えておきましょう。
まずはフィルターの汚れが、掃除しても落ちにくくなります。さらに洗濯物にもゴミが付きやすくなるので、干す時に汚れが残っていないか確認しているとわかりやすいです。
見た目にもわかりやすい目安もあります。まずは糸くずフィルターのネットに穴が開くことです。また、カビが繁殖してきて黒ずんでしまうこともあります。さらに、ネットが薄くなってくるのも寿命の目安です。
糸くずフィルターの枠がゆがんできて、外れやすくなることもあります。これらが糸くずフィルターの寿命の目安です。すぐに新しいものを用意して交換しましょう。
洗濯機の糸くずフィルターの種類
洗濯機には縦型とドラム型がありますが、どちらの型かで糸くずフィルターも変わります。洗濯機を縦型とドラム型の2つに分けて、糸くずフィルターの種類と特徴をご紹介します。
縦型洗濯機
縦型洗濯機用の特徴といえば、洗濯槽の中にセットされていることです。これまでは主流だったネットタイプと、最近になって増えてきたプラスチックタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
まずはネットタイプの糸くずフィルターです。プラスチックの枠にネットが取り付けられていて、洗濯槽内に縦に付いています。洗濯槽の中に浮いているゴミを、回転するごとにキャッチする仕組みで、目に付きやすいことから掃除を忘れにくい点がメリットです。
一方で、洗濯物と接していることが多いことから負荷がかかりやすく、耐久性が低いデメリットがあげられます。取り付けられるネットの大きさにも限りがあることから、容量が少ないこともデメリットです。
プラスチックタイプになると、洗濯槽の壁に組み込むタイプのため見た目は平坦で、このタイプも洗濯槽に縦に付いています。洗濯槽の中に汲み上げる洗濯水の中を漂っているゴミを、キャッチしては取り除いていくという仕組みです。
洗濯槽内の水位に左右されにくいことから、ゴミを取り除くのに長けています。洗濯物にからまる心配もないことから耐久性に優れ、取れるゴミの量もネット型より多い点もメリットです。
一方で、存在感のあるネット型と違い、プラスチック型はスリムで目につきにくい形をしています。そのため、意識していないと掃除を忘れやすい点がデメリットです。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機にも2種類の糸くずフィルターがあります。縦型洗濯機との違いは、1台で両方の糸くずフィルターがあることです。
まずは洗濯機の上部を見ると、乾燥フィルターがあります。乾燥機能で洗濯物を乾かす時に出るゴミを、キレイに取り除くためのものです。1回使用するだけでも大量のゴミが溜まってしまうことから、毎回掃除が必要になります。
「毎回なんて手間だから」といって掃除をしないまま放置すると、乾燥機能の低下や悪臭、電気代が上がるなどのデメリットがあります。
そして、洗濯機の下部に取り付けられているのが排水フィルターです。縦型洗濯機の糸くずフィルターと、ゴミや洗剤カスの除去などを行う点でもよく似た役割を持っています。乾燥フィルターほど汚れることはないため、毎回掃除するほどではありません。
しかし、詰まってしまうと排水機能が低下し、排水に時間がかかるようになります。さらに水漏れや排水不全を引き起こし、最悪洗濯機の故障の原因にも。そのため、最低でも1か月に1度は掃除が必要です。
縦型洗濯機の糸くずフィルターの掃除方法
縦型洗濯機専用として取り付けられている、2つのタイプの糸くずフィルターの掃除方法は基本的に同じです。用意する道具も使い古しの歯ブラシと洗面器などの容器、漂白剤の3つを用意するだけ。それではそれぞれを掃除していきましょう。
ネットタイプの糸くずフィルターの掃除方法
糸くずフィルターを本体から外し、まずは一度陰干しして乾燥させておくとよいでしょう。中に溜まったゴミを、楽に取り除くためのコツです。ネットの中と外を裏返したら、乾いて張り付いているゴミをはがし取ります。
次に水を張った容器に入れて、歯ブラシで細かい汚れを落としたら、雑菌もキレイに落としておきましょう。水をキレイなものと入れ替えてから漂白剤を入れ、浸け置きして殺菌します。ネットタイプはカビが発生しやすいので、漂白剤による殺菌作業は大切です。
また、漂白剤で殺菌しても、濡れたままの状態で戻すのはやめましょう。陰干しして乾燥させてから戻さないと、残った雑菌が繁殖してしまいます。乾ききったのを確認することが大切です。
プラスチックタイプの糸くずフィルターの掃除方法
プラスチックタイプの糸くずフィルターの掃除方法も、ネットタイプと基本的には同じです。ケースを洗濯機本体から取り外したら、ケースの蓋を開けて中のゴミを取り除きます。水を張った容器の中で、残ったゴミを歯ブラシでこすって取り除いたら殺菌作業です。
容器の水を入れ替えてから漂白剤を入れて、浸け置きして殺菌します。殺菌後はネットタイプと同様に、残ったカビや雑菌が再び繁殖するのをおさえるために、陰干しで完全に乾燥させてから洗濯機に戻しましょう。
プラスチックタイプならではの注意点としては、蓋を開ける時に壊してしまわないよう注意することです。取扱説明書を確認して指示通りに開けてください。開けた後は破損個所がないか確認することも大切です。掃除しながら確認してもよいでしょう。
ドラム式洗濯機の糸くずフィルターの掃除方法
ドラム式洗濯機の糸くずフィルターは、フィルターの種類でどのくらい掃除が必要かが決まります。適切に掃除しなかった場合には、洗濯機本体が故障しやすくなってしまうので要注意です。掃除の仕方をしっかり覚えておきましょう。
また、洗濯機の中でもドラム式の糸くずフィルターは、それぞれ掃除方法が異なります。当然必要となる掃除道具も異なるので注意してください。
乾燥フィルターの掃除方法
乾燥フィルターの掃除に必要な掃除道具は、キレイなタオルだけです。洗濯機から乾燥フィルターを取り出して、大きなゴミを一通り取り除いたら、濡らして絞ったタオルを使って、フィルターが伸びたり破れたりしないように、やさしく両面のゴミを拭き取ります。
さらに残ったゴミを落とすために、ぬるま湯で流しながら指の腹でやさしくこすって、ゴミをすべて落とせばおしまいです。機種によっては2つのフィルターが取り付けられています。奥に収まった2つ目のフィルターも取り出して、同じようにキレイに掃除してください。
最後に雑菌の繁殖防止のために陰干しして、完全に乾燥したのを確認してから、洗濯機の所定の位置に取り付けます。フィルターが取り付けられていないと、洗濯機の機能が低下したり、ゴミが舞い散ったりするので、戻してあることを確認してから稼働しましょう。
排水フィルターの掃除方法
排水フィルターを掃除する時には、乾燥フィルターとは全く違った掃除道具が必要です。用意するのは、バケツや洗面器などの容器と使い古しの歯ブラシ、漂白剤の3つ。
フィルターを不用意に外すと、水が垂れてくることがあるので要注意です。洗濯機内や排水管に最も水が少なくなっている、洗濯前が掃除するのに一番おすすめのタイミング。それでも排水フィルターを外す時は、水受け用の容器を置いて取り外すと安心です。
取り外したフィルターは、水道や容器の中で歯ブラシでこすって汚れを落とします。キレイな水に入れ替えた容器に漂白剤を入れて、フィルターを浸け置き殺菌してから乾燥させてください。
排水フィルターの取り付け口内部も、ぬめりなどが付いているので掃除してサッパリしましょう。柄のついたスポンジや割り箸に、布やキッチンペーパーを巻いたものなどを差し込んで、中のゴミやぬめりを取り除きます。
「できるだけ掃除を楽にしたい」という方は、専用のゴミ取りフィルターを取り付けてもよいでしょう。ただし、注意点もいくつかあります。
まずは必ず排水フィルター専用の商品を使うことです。キッチン用のゴミ取りフィルターを使っている方もいますが、その場合はゴミが逆流して洗濯物に付く可能性があります。
また、繊維そのものがほぐれて、細かい綿ボコリのようなゴミに変わってしまうこともあるのです。ゴミとなった繊維のクズが、洗濯機内にある隙間に入り込んで溜まり、最悪の場合は洗濯機の故障の原因になることも。
では、排水フィルター専用のゴミ取りフィルターなら大丈夫かというと、使用すれば何も付けない時よりもゴミが逆流してしまうのです。そのため、ゴミの逆流を防ぐために、よりこまめな掃除が必要になります。最低でも1週間に1度は掃除するようにしましょう。
おわりに
どの洗濯機にも、必ず取り付けられている部品の1つである糸くずフィルター。洗濯物をゴミ1つなくスッキリと洗い上げるために、なくてはならないものです。それだけにこまめな手入れは欠かせません。
掃除の頻度を考えると手間に感じる方も多いことでしょう。しかし、洗濯した衣服を気持ちよく着るために、洗濯機の故障を防ぐためにと考えれば、こまめな掃除は必要な手間なのです。
洗濯物がキレイに気持ちよく洗い上がるように、そして、洗濯機が故障することがないように働き続けている糸くずフィルターを、ぜひキレイに保ってください。