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ガーデニング
河村ゆかり

植えっぱなしで毎年花を楽しめる!秋に植えておきたい多年草3選

すぼらガーデナーさんに朗報!植え付けたら、あとはほとんど手間がかからず、しかも次の年も花をつける。丈夫で育てやすく、しかも花も美しい多年草をご紹介します。切り花にもどうぞ!

秋に植えて、冬越しさせた多年草の苗はたくましく育つ!

1年で枯れてしまい、毎年植え付けが必要な一年草より長い付き合いになる多年草の、おすすめ品種と栽培の基本を伝授。寒さにしっかり日に当てて丈夫に育てれば、大株に育ってくれますよ!

 

そもそも多年草って?

草花は発芽し、成長して花を咲かせ、やがて枯れます。このサイクルが1年で完了するものを「一年草」といいます。一年ではなく、何年かにわたって枯れずに、季節が来ると芽吹き、生育を続けるものが「多年草」です。

多年草の中でも、冬などに地上部の葉や茎は消滅しても、地下の根は生きていて、生育適期になるとまた芽吹くタイプを「宿根草」とする場合もあります。また、植えっぱなしで翌年以降も花を咲かせる球根植物も、多年草の一種です。

多年草の魅力はなんといっても、生育サイクルによって季節を感じられること。春になると芽が出てきて、どんどん育ち、蕾が付き、花が咲いて、やがて寒くなると葉や茎が枯れていく様子を見ることは、ガーデナーならではの楽しみです。

さらに、ローメンテナンスである点もありがたいところ。一年草は枯れてしまうと、その場所がぽっかりと空いてしまい、雑草の温床に。常に花壇を美しくキープするためには、毎年苗を植え付けなくてはなりません。

しかし多年草ならば、時期になれば生えてきて、植え付けのひと手間が減ります。さらに年々株が増えたり、球根に子球ができたりと、花苗を増やすことも。毎回、苗を購入する費用もいりませんから、リーズナブルなのもうれしいところですね。

常緑の品種ならば、冬でも豊かなグリーンを満喫できます。さらに、ほふくする性質のものは、グラウンドカバーにも好適です。多年草をベースにして、季節折々の一年草をプラスする植栽計画もおすすめ。多年草と一年草のコーナーを分けることで、メンテナンスもラクになります。

それでは、多くの多年草の中から、ビギナーでも育てやすい強健で、しかも花の美しい品種をご紹介しましょう。

 

おすすめ多年草)ベロニカ

ベロニカ(オオバコ科)は、一部に一年草扱いも品種もありますが、ポピュラーなのは多年草タイプです。ベロニカは耐寒性・耐暑性ともに強く、ロックガーデンのような乾燥する場所でも栽培可能。

苗の植え付けは、涼しくなる9月の終わりから11月にかけて、もしくは、3~4月が適期です。ベロニカは世界中に200~300種もの品種があり、草丈5㎝から100㎝に至るものまで、サイズも多種多様。

背の高いものは花壇の背景に、手前に植えるならミニサイズをなど、植え場所によって品種を選べるのも利点です。花色は紫、白、青、ピンクなど。花期は品種によって異なり、春または秋に咲きます。

細長い花穂が魅力的で、派手ではないもののしっかり存在感を放ち、和・洋を問わずよく庭になじみます。

 

おすすめ多年草)ブルンネラ

ブルンネラ(ムラサキ科)は、一見ワスレナグサと間違えそうになりますが、草丈30~40cmでワスレナグサよりも大きめめのが特徴。

4~6月ごろ、たくさんの小さな青い花が咲く様子が素晴らしいうえ、丸みを帯びスペード型の葉も魅力的。シルバーリーフの品種などは、花のない時期もカラーリーフとして観賞価値抜群です。

ブルンネラは、高温や乾燥を嫌うのが特徴です。落葉樹の下や、シェードガーデン(日陰の庭)などに植栽すると、よく育ちます。

また、乾燥だけでなく過湿も苦手なので、水はけのよい場所を選ぶか、腐葉土などを混ぜ込んで土づくりをしてください。

ブルンネラの植えつけの適期は、10~11月もしくは春先。植え付けたら、乾燥防止のためにバークチップやヤシガラなどでマルチングをしておくとよいでしょう。

 

おすすめ多年草)モナルダ

華やかな多年草を植え付けたいなら、モナルダ(シソ科)がおすすめです。タイマツバナ(松明花)の和名の通り、炎をほうふつとさせるあでやかな赤い花は、庭やベランダで目を引きます。

花期は6~9月。真夏にも素晴らしい花を咲かせ続けます。赤い花がポピュラーですが、白、紫、ピンクの花色の品種も人気です。

またモナルダは、「ベルガモット」の別名で知られるハーブの一種。ハーブティーやポプリの材料としてもおなじみです。独特なさわやかな香りは、ベルガモットオレンジ(ミカン科)にそっくりなので、「ベルガモット」とも呼ばれるようになりました。

モナルダは耐寒性・耐暑性ともに優れ、水はけと日当たり良好な場所に植え付ければ、どんどん大株に育ちます。苗の植え付けは、9~11月、もしくは温暖な春が最適です。また同時期、さし芽をすると、容易に増やすことができますよ。

 

おわりに

「お花は好きだけど、手入れが大変だから」と、二の足を踏むずぼらガーデナーさんに最適な多年草。ぜひ庭やベランダで育ててみてくださいね。