- 三輪礼子
- ハンドメイドとキャンプが好きな主婦ライターです。趣味の時間を確保するため、家事の時短を日々研究中。役立つ情報や、モノづくりのたのしさを共有できるような記事を目指しています。
テントの選び方は種類だけじゃない!キャンプ初心者の盲点とは
キャンプを始めたいと考えたときに、最初に考えるのがテントではないでしょうか。テントの種類も重要ですが、基本的な構造を理解するとテント選びに役立ちます。初心者の方が失敗しやすいポイントや、選び方について紹介しているので、参考にしてください。
テント選びに役立つ!基礎知識
テントの基本的な構造を知ろう!
テントは骨組みにあたるポールと、壁になるシートでできています。ポールとシートの組み方でいろいろな種類のテントになります。
テントには、ドーム型やワンポール型、ロッジ型など、いろいろな種類がありますが、テントそのものの構造として「シングルウォール」と「ダブルウォール」に分かれます。
シングルウォール
シングルウォールのテントはその名の通り、壁の部分が一枚で構成されたテントです。設営が簡単で、コンパクトなものが多く、軽量さを重視する山岳テントに多いタイプです。
デメリットは、テントの中と外気温の差で結露が発生しやすいところです。とくに湿度の高い季節や、寒い時期には雨漏りしているのではと感じるくらい、結露してしまいます。
ダブルウォール
ダブルウォールのテントは、壁の部分が二枚で構成されたテントです。外側を「フライシート」、居住スペースとなる中のテントを「インナーテント」と呼びます。
ダブルウォールのテントのメリットは、快適性です。フライシートが雨や結露からインナーテントを守ってくれます。インナーテントの前に、前室となる部分があるタイプは使いやすく人気です。
前室があると、ちょっとした荷物を置いたり、靴を置いたりできます。汚れた靴をテントの中に入れなくてよいのは、地味ですが便利です。
夜中に雨が降って、靴が濡れてしまった…なんてことを防げます。ダブルウォールテントのデメリットは、設営に手間がかかることです。テントによっては構造が複雑で、慣れるまでは設営に時間がかかってしまうものも多くなります。
テントの素材で価格は変わる
テントの価格帯は広く、ホームセンターなどで売っている1万円前後のものから、数十万もするテントまでさまざまです。その価格の差は、ポールやシートの素材が大きく影響し、高機能な素材は、高価なものが多くなります。
化学繊維(ナイロンやポリエステルなど)
素材により、細かな違いはありますが、化学繊維のメリットは軽量で、耐水性が高く、乾きやすいところです。デメリットは、火や熱に弱いところです。
火の粉がついてしまうと、穴が空いてしまいます。火を扱うときは、テントから離れるなど対策が必要です。また、天然素材であるコットンよりも光を通しやすく、通気性が低いのも特徴です。
天然素材(コットンやポリコットン)
コットンは通気性が良く、火や熱に強い素材です。遮光性と通気性が良いので、快適なうえ、おしゃれなテントとして人気ですが、高価な商品が多くなります。
コットンのデメリットは、乾きにくさと、重さです。しっかり乾燥しておかないと、カビが発生してしまいます。雨などで濡れた場合は、水を吸って重くなるのも特徴です。
大きいテントの場合、一人で扱うのは難しいくらい重くなることもあるので、撤収から、自宅での乾燥までしっかり考えて選びましょう。
ポリコットンはコットンとポリエステルの混紡素材で、デメリットをうまく緩和してくれる商品です。コットンとポリエステルの割合は商品により異なりますが、コットンよりも乾きやすく、ポリエステルより乾きにくい素材です。
天然素材のテントは高価なうえに、メンテナンスが難しいので、あまり初心者向きのテントではありません。
テント選びで見落としがちな盲点
大きいだけじゃダメ!ファミリーキャンプの注意点
テントは大きいと快適に過ごせます。しかし、設営と撤収も大変になります。タオルを畳むよりも、シーツを畳む方が大変なのと一緒で、大きい分扱いにくくなります。
また、区画が決まったサイトを利用した場合、車が大きくなりがちなファミリーキャンプでは、区画内に収めるのが大変な場合があるので注意しましょう。
メンテナンスのしやすさも大切なポイント
テントはしっかりと乾燥させてからしまわないと、カビが発生してしまいます。しかし、天気によっては、濡れた状態で撤収しなければいけないことがあります。
そんなときは、自宅に帰ってから干す必要があるので、乾燥させる場所があるかも重要です。庭やベランダで乾かせないときは、近くにテントを張れる公園や河川敷があるかチェックしてみましょう。
付属品じゃダメかも!安全のために用意したいもの
テントを購入すると、付属品としてペグが付いてくることが多いです。ペグはテントを張るときに使う杭のことです。このペグで、テントを地面に固定するので、大切なものですが、付属品のペグはあまり丈夫ではありません。
地面が硬いと折れてしまったり、逆にやわらかい地面ではすぐに抜けてしまったりします。ペグはテントを買い替えても使えるものなので、しっかりとしたペグを用意しておきましょう。
キャンプに行くと見えてくることもたくさんある
大手ブランドのエントリーモデルのテントは3万円前後のものが多く、決して安い買い物ではありません。いろいろと検討して買ったテントでも、実際に使ってみると思っていた感じと違った…と思う事も少なくありません。
そして、実際キャンプ場に行ってみると、いろいろなテントを目にして新しいテントが欲しくなってしまうことがよくあります。
どれくらいの頻度でキャンプに行くかにもよりますが、年に数回くらいの予定であれば、慣れるまではホームセンターなどに売っているお手頃な価格のテントでも十分楽しめると思います。
テントはたくさんの種類があります。設営して面倒に感じていた部分が、楽になるテントがあるかもしれません。実際にキャンプをしてから選んだ方が、自分のキャンプスタイルに合ったものが選びやすくなります。
おわりに
テントはキャンプアイテムの中でも高額な商品です。組み立てやすさや、ペグ打ちに対する感覚は人それぞれで、不満に思うポイントも使ってみて初めてわかるものです。
もちろん憧れのテントがあるなら、そのテントを使った方が、楽しめると思います。しかしはっきりとしたイメージがつかめていないようでしたら、お手頃価格のテントからスタートするのも一つです。
キャンプ場で他のテントを見ながら、自分に合ったテントを探すのも楽しいものです。