
- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんにガーデニングの魅力をお届けします!
ガーデニングをするうえで、植物への肥料やりは欠かせないことです。けれども、肥料にはさまざまな種類があり、わかりにくいですよね?今回はガーデニング初心者でも上手に肥料やりができるよう、植物に必要な栄養素から種類や効果などについて解説します!
目次
植物に肥料を与えるときは、植物の3大栄養素がしっかりと含まれていることが大事です。3つの栄養素があって、植物は元気よく生長してくれます。
植物には3大栄養素以外にも、多くの栄養素を必要とします。炭素・水素・酸素も多く必要としますが、これらは空気中から植物が自発的に吸収しているので、私たちが与える必要はありません。
3大要素の次には、中要素と微量素とあり、プラスαで3中要素を知っておくと、植物をさらに元気に育てることができますよ。
肥料の種類を選ぶときに、まず目にするのが「化成肥料」と「有機肥料」です。それぞれの原料は全く異なりますが、どちらが良いかという点では、同じぐらいで比べる必要がないでしょう。
◉化成肥料
無機質素材から作られ、即効性のある肥料です。観葉植物など室内で育てる植物に使うと、コバエも発生しなくておすすめ。
肥料の種類
・苦土石灰(マグネシウム、カルシウム/速効性)
・硫酸アンモニウム(窒素/速効性)
・硫酸カリウム(カリウム/速効性)など
◉有機肥料
腐葉土や鶏糞などがあり、植物や動物由来でできている肥料です。微生物が土の中を改良し、ゆっくりと効果がでるのが特徴。
肥料の種類
・油かす(窒素/緩効性)
・骨粉(リン酸/緩効性)
・魚粉(窒素、リン酸/中間)
・草木灰(カリウム/速効性
・発行鶏糞(窒素、リン酸、カリウム/速効性)
肥料の種類を調べていくと「堆肥」という言葉もよく目にすると思います。堆肥は有機肥料の一つでありつつ、土壌改良の役目もあります。また堆肥には植物性と動物性の2つに分かれており、特に家庭菜園をする方には植物性のものが強い臭いもなくおすすめです。
◉植物性堆肥
・腐葉土
広葉樹の落葉を発酵させた堆肥。土壌をふかふかにし排水性、保水性に優れ、肥沃な土壌もつくれます。
・バーク堆肥
無数の小さな穴がある樹皮でできた堆肥。通気性、保水性、排水性のある堆肥です。
・もみ殻堆肥
玄米のからでできた堆肥。土壌の質を選ばず、馴染みやすく、保水性の優れた土壌をつくりやすいです。
植物の肥料を与えるタイミングは、植物たちの生長が活発になるころの4月からです。ですが夏場の猛暑日が続くような時期や秋が終わるころには、肥料を与える必要がなくなります。もちろん植物の種類や育てる環境で異なるので注意してくださいね!
肥料を与えるときにはそれぞれタイミングによって呼び名があります。
・元肥(もとごえ)
植物を植え付ける前に、あらかじめ土と肥料を混ぜておくこと。緩効性タイプの肥料を使ってゆっくりと効果が現れるようにしときます。
・追肥(ついひ)
元肥の効果はいつまでも続きません。そこで肥料を足してあげ、このことを追肥といいます。
・寒肥(かんごえ)
12月から2月の冬の時期は、多くの植物が休眠期に入りますが、土壌の中は、肥料を吸収しやすい状態です。冬に肥料を与えることを寒肥といいます。
・お礼肥(おれいひ)
花が咲いたり、実がついたりするには、多くのエネルギーが必要です。花や実のあとに、肥料を与えて元気づけてあげことをお礼肥といいます。
肥料は育てる植物によって、種類が変わるほか、与えるタイミングも異なります。
野菜や草花など、花や実を楽しむものや収穫する植物は、リン酸やカリウムの配合が多いものを選びます。観葉植物やカラーリーフなど、葉を楽しむ植物は、窒素成分が多く含まれている肥料を選ぶのが良いです。
園芸店やホームセンターなど市販で売っている培養土は、草花、野菜、観葉植物などとそれぞれに合わせた配合で作られているので、特にガーデニング初心者の方には簡単でおすすめ。また、水やりをするときは、液体肥料に切り替えて水を与えることもおすすめですよ。
肥料にはさまざまな種類があり、育てる植物によって大きく異なります。ガーデニング初心者の方は、肥料の成分表をよくチェックしてから購入しましょう。草花用の肥料が観葉植物でも効き目があるとは限りません。枯れることはありませんが、元気よく育つことには繋がりませんよ!ぜひ肥料を今一度チェックして、大事な植物たちを育ててくださいね。