- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。
夏野菜を苗から育てる!おすすめの種類や時期・植え付け方を紹介
キュウリやトマト、ピーマンなど多くの夏野菜は苗から育てると失敗せずに育てられます。リスクが減ることから、野菜栽培の初心者や家庭菜園には特に必見ですが、注意することや栽培のコツもありますよ!夏野菜の苗の植え付け方について紹介します。
目次
苗植え時期や植え方を知って元気な夏野菜を育てよう!
夏野菜の苗の植え方は単純ではない
野菜の植え方は単純で簡単なイメージがありますが、実はシンプルな作業ではありません。
買ってきた苗を、土に植えて、水を与えるという、確かにとても単純な作業。ですが野菜の生長を良くし、大きくて元気な株にさせるには、いくつか気をつけることや植え方のポイントを押さえることが大事ですよ。
1. 苗の植え付け時期を夏野菜の種類ごとに確認しよう!
トマトやキュウリ、ピーマンなど多くの夏野菜には植え付け時期があり、それぞれ異なります。ほとんど種類が晩春から初夏にかけてが適期なので、梅雨が来るころを目処に苗を植え付けましょう。
適切な植え付け時期に育てることで野菜の生長が元気よくなります。種類によってはそれぞれの育ちやすい温度があり、これを「生育適温」と呼びます。
ほとんどの夏野菜は平均気温が20〜30℃で育つものが多いでしょう。植え付けが早いと寒さで弱り、反対に遅すぎると株が小さくて暑さでへたる可能性があるので注意。生長に適した時期に苗を買って、そろえることが大事ですよ。
2. 夏野菜の苗の植え付け前に注意するべきポイント
夏野菜の苗を植え付ける前に、気をつけたいポイントがいくつかあります。植え付けた後の生長や収穫にも影響する場合もあるのでしっかりと押さえましょう。
Point1. 元気そうな苗を選び方
苗を買い付ける際は、しっかりと苗の状態をみること。
食害されていない、虫がついていないもの、茎や葉が大きくてしっかりとしているもの、葉が濃い緑色、徒長し過ぎていないものなど元気な苗を選びましょう。
Point2. 購入後に時間をあけない
夏野菜の苗を買いそろえた後に、そのまま放置せず、すぐに植え付けることをおすすめします。まだ小さな苗なので、環境変化などには弱く枯れてしまう恐れも。
Point3. 作付け計画・栽培スケジュールを立てる
種類ある夏野菜の苗を複数植え付ける場合は、作付け計画を決め、その後の栽培スケジュールも確認するとよいですよ。計画とスケジュールの決定と確認をすることで、連作障害が避けられ、収穫までの目処が立てられます。
3. 夏野菜の苗の上手な植え方
夏野菜の苗の植え方をしっかりと把握して、それから栽培を始めてみましょう。種類によって、必要となる間隔やスペースがあるので、植え付ける際は育てる野菜をよく調べてから作業することをおすすめします。
植え方1. 必要な道具をそろえよう!
苗と一緒に植え付けるための道具を用意。作業用手袋や移植ゴテ、ほかにも支柱やヒモなどが必要になる野菜もあります。また苗を素手で触ることもできるだけ避けましょう。土いじりをする際は必ず手袋や軍手をして安全に作業することも大事ですよ。
植え方2. 穴の定位置を決める
植え付けの穴の位置を決めることによって、野菜が生長して大きくなった際に隣同士がぶつからずに済みます。栄養の取り合いっ子や風通しの悪さなどによって、生育の悪さや病害虫からの危険性を避けられますよ。
植え方3. 穴を掘る
苗ポットが入るくらいの大きさの穴をあけましょう。苗の土表が2〜3cm土壌表面から出るような深さにするとよいですよ。
植え方4. ポットを水に浸す
あらかじめ苗ポットを水に浸して植え付けると根鉢を崩さずに植えられます。掘った穴に水を与えるのも良いかもしれません。
植え方5. 苗を土に植える
ポットから苗を崩さずに取り出し植え付けます。根鉢を穴に入れ、土と密着させ、被せないように周りを押し固めます。根鉢の表面を2〜3cm土表から出せたら、手のひらを使って上から押して定着をさせましょう。
植え方6. 水をたっぷりと与える
最後の仕上げとして水やりをもう一度します。たっぷりとやり、さらに土と定着させ根付かせましょう。
植え方7. 支柱を立てて固定しとくのも良い
夏野菜の種類によってや、ある程度高く生長した苗の場合、植え付けをしたらそのまま支柱を立てて倒伏しないよう固定するのも良いでしょう。
苗から育てるおすすめの夏野菜
苗から育てるとよい夏野菜は、果実が大きくなるものや栽培期間が長い野菜がおすすめ。特に夏野菜で定番な大玉トマト、ピーマン、ナス、キュウリなどがよいでしょう。
種から育てると栽培期間が長くなり、その分失敗するリスクも大きくなります。また、植え付け時期よりも前の3月後半から4月中にかけてが播種期間となるものも多いのが特徴。
最終的に実ができたとしても、小さかったり、数が少なかったりなど起こりかねません。特に野菜栽培の初心者には種より苗を選んでもらいたいです。できるだけ苗を購入して、それから栽培を楽しみましょう。
おわりに
夏野菜の苗の植え方がしっかりとできていないことで、その後の生長に大きく影響します。大きくて立派に生長するかどうかによって、最終目標の収穫にも何らかの影響があるかもしれません。栽培難易度も自分であげてしまっていることでもあるので、気をつけて苗を植えつけてくださいね。