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家事
津久井 玲子

納豆のおすすめの保存方法は常温、冷蔵、冷凍?

納豆の保存というと、通常は買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れるのではないでしょうか。しかし、保存方法には冷蔵のほかにも常温と冷凍があります。納豆にはどの保存方法が一番よいのか、どうなったら食べられないのかを調査してみました。

納豆の保存方法をいろいろご紹介!

納豆というとやはり冷蔵庫での冷蔵保存が一般的でしょう。しかし、納豆の保存方法は果たして冷蔵だけなのでしょうか?

 

そこで、納豆の保存方法として、常温や冷凍は適さないのかも調べてみました。賞味期限が切れてしまった納豆が、まだ食べられるかどうかの見極め方もあわせてご紹介します。

 

 

そもそも納豆ってどういう食品?

納豆は、茹でた大豆に納豆菌をつけて発酵させたものです。もともと大豆は粘り気を持っていません。しかし納豆に変化したとたん、もともと大豆にはなかったネバネバとした糸を引きはじめます。

 

これは、納豆菌が大豆の持っている栄養素を分解したり合成しなおしたりする過程で、さまざまな成分ができるためです。

 

納豆菌をまぶされた大豆はそのまま容器に入れられてから、納豆菌が活動しやすいように温度や湿度を管理された部屋に入れられます。部屋で半日~1日たてば納豆菌によって大豆は納豆へと変化し、今度は発酵しにくい温度に調節してから出荷されるのです。

 

「発酵」と「腐敗」

納豆は人によっては「腐った豆」と表現されます。しかし、腐ることは「腐敗」と呼ばれる現象です。納豆の場合は味噌やお酒などと同じで、「発酵」と呼ばれる現象になります。

 

では納豆などの場合に使われる「発酵」という言葉と、腐る場合に使われる「腐敗」という言葉の違いは何なのでしょうか?科学的にみれば「発酵」も「腐敗」も、微生物によって物質が分解されたり再合成されたりして、本来あった物質がさまざまな成分に変化する点では同じとされる現象です。

 

しかし「発酵」と「腐敗」で決定的に違うことは、「発酵」は人間にとって有用な変化であり、「腐敗」は人間にとって有害な変化、あるいは役に立たない変化を指していいます。納豆菌によって大豆が変化してできた納豆は、人間にとって有用な変化のため「発酵」です。

 

 

納豆は常温保存が可能か?

納豆を買ってきた時、通常であれば誰でもまずは冷蔵庫に入れるのが、納豆の一般的な保存法です。納豆のパックにメーカーが記載している賞味期限も、冷蔵庫での保存を基準にして書かれています。では納豆は常温保存はできないのでしょうか?

 

納豆は10℃以下で保存するのが望ましい食品です。逆をいえば、10℃以下であれば常温保存も可能ということになります。しかし常温で日中も10℃以下になるのは、冬の寒い季節、それも限られた地方だけです。

 

では10℃以上の環境で常温保存した場合、納豆はどのような変化を見せるのでしょうか?適切な温度では活動が抑えられていた納豆菌が再び元気を取り戻し、活動が活発化する再発酵が起こってしまいます。

 

再発酵が起こり始めた納豆にはもはや賞味期限は通用しなくなり、納豆菌の活動によってどんどん変質していくことに。粘りが弱くなってアンモニア臭が強くなり、チロシンと呼ばれるアミノ酸の白い結晶で覆われるなど、変化がみられるようになります。

 

食べることができたとしても、チロシンの結晶によるシャリシャリとした食感や苦味、強いアンモニア臭で、味は大きく劣化することになるのです。

 

では条件を満たして保存できた場合には、どのくらいの期間が賞味期限となるのでしょうか?冷蔵庫でパックに記載されたとおりに納豆を保存した場合には、一般的に1週間もつといわれています。

 

それに対して常温保存の場合は4~5日がいいところなので、環境が整っていても賞味期限は3日ほど短くなるのです。

 

ちなみに夏に常温保存するとどうなるかというと、気温にもよりますが暑い日中の場合は、わずか2時間という短時間で、文字通りの腐った豆になってしまうとか。強烈なアンモニア臭が立って、それこそ腐敗したのと同じ状態になってしまうのです。

 

そのためやはり納豆は常温ではなく冷蔵庫に入れて保存し、賞味期限内に食べきるようにしましょう。美味しく食べるならそれが一番です。

 

 

納豆は冷凍保存もできる

多くの食品の保存でお世話になる冷凍。実は納豆も冷凍保存ができるのです。冷凍保存ができるのであれば、納豆を買いすぎても賞味期限を気にする必要はなくなります。旅行に出るなど長期間家を空ける時でも安心です。

 

冷凍保存の方法

納豆は、買ってきた時のパックのままでも冷凍保存することができます。しかし売り場に出ていた時そのままの納豆は、内容量に対してカサが大きく、さらには空いている空気穴から水分が失われたり、冷凍焼けなどが原因となって乾燥や臭い移りしたりする可能性もあるのです。

 

そこで一番よいのは、パックから納豆を出して1つ1つラップで包んでから、フリーザーバッグなどに入れてしっかりと空気を抜き、密封してから冷凍すること。パックのままで冷凍する時には、こちらもラップでパックを丁寧に包んでから、フリーザーバッグなどで密封して冷凍してください。

 

いずれの場合もポイントは「密封すること」です。そうすることで乾燥だけでなく臭い移りも防げます。このポイントさえ守れば、納豆の冷凍は簡単です。

 

納豆菌は大丈夫?

納豆を冷凍保存すると、納豆に入っている納豆菌はどうなるのでしょうか?死んだりして納豆の品質を落とすようでは困ります。では実際どうなるのかというと、納豆を冷凍保存した場合、納豆は胞子状に変化することでいわゆる休眠状態になるのです。

 

休眠状態になった納豆菌は、活動条件がそろう20℃前後まで気温が上がると、再び活動を開始して発酵を始めます。納豆を冷凍しても納豆菌が死んでしまうことはないので、安心してください。

 

保存期間はどのくらい?

冷凍した納豆の賞味期限はどのくらいなのでしょうか?答えは約1か月です。実際には1か月を超えても食べることに問題はないといいます。しかし、味は確実に落ちていってしまうため、1か月以内に食べきってください。

 

解凍方法は?

冷凍した納豆は、食べる日の前日に冷蔵庫に移して解凍してください。大体6~8時間ほど冷蔵しておけば解凍できます。自然解凍は、気温によって状態が左右されるためおすすめできません。特に夏場の自然解凍は、衛生的にも危険なので絶対にやめてください。

 

また、電子レンジでの解凍も避けるようにしましょう。納豆菌が死滅してしまうだけでなく、納豆ならではの栄養成分であるナットウキナーゼも壊れてしまうといわれているからです。このほかにも水分が飛んで食感が悪くなったり、アンモニア臭が強くなったりすることがあります。

 

 

納豆はこうなったら食べられない!

納豆は生鮮食品でありながら、賞味期限切れになっても間もないなら、食味は悪くなるものの食べられることが多いです。しかし、もちろん食べない方がよい納豆もあります。どのように見分けたらよいのでしょうか?

 

まずは見た目からチェックしてみましょう。水っぽくなっていませんか?また混ぜた時に糸を引かない場合も、納豆菌が死滅して雑菌が繁殖しているサインです。さらにアンモニア臭とまた違った強い臭いがする場合も要注意。その納豆はもう食べられる状態ではありません。

 

ただし、賞味期限を過ぎていないのに、納豆にカビと見間違うようなフワフワとした何かがついている、これは問題なく食べられます。納豆菌が作り出した「被り(かぶり)」と呼ばれている菌の層なので、一緒に混ぜて食べてしまいましょう。

 

また、賞味期限ギリギリか、ちょっとだけ日が過ぎた納豆の表面全体に、白いツブツブができている、これも大丈夫です。先にご紹介したチロシンの結晶なので、食味は落ちるものの食べられます。

 

ですがやっぱり納豆を食べるのであれば、いつでも美味しく食べたいものです。安心して食べるためにも、納豆本来の美味しさを味わうためにも、賞味期限内になるべく早く食べるようにしてください。

 

 

おわりに

納豆の保存方法で一番よいのは、やはり冷蔵保存です。納豆の各メーカーが推奨する保存方法であるだけに、一番確実であることは間違いありません。場所によっては常温保存可能な納豆も売られているといいますが、納豆そのものは生鮮食品として取り扱われる食品です。正しい保存方法で美味しくいただいてください。