- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
家庭菜園に向いた夏野菜!ゴーヤの育て方とそのコツを解説
「ゴーヤは家庭菜園に適した野菜」ということを知っていますか?ゴーヤの育て方は、プランターなどの小さなスペースでも育ちやすく簡単です。また栽培の初心者でも収穫できる野菜。今回は家庭菜園の初心者におすすめしたいゴーヤの育て方について解説します!
ゴーヤのツルを上手に誘引することが育て方のコツ
家庭菜園向き野菜「ゴーヤ」の育て方のコツ
ゴーヤは野菜の中でも丈夫で、土壌をあまり選ばないことから家庭菜園でも向いた野菜です。また、家庭菜園の小さな嫌な問題となる害虫被害がとても少ない野菜。初心者や虫が苦手な方でも育てやすい野菜ではないでしょうか。
ツル状に伸びる性質を持っており、小さいうちからツルを誘引することが、ゴーヤの育て方のコツ!上手に栽培管理することで、実を大きくしたり、たくさん実らせることができるでしょう。また、グリーンカーテンにもできるので夏の日除けのもなりますよ。
暖かくしてあげることがゴーヤの育て方の鍵
ゴーヤは熱帯アジアや東インドを原産とするウリ科の野菜になります。中国を経て日本に入ってきた野菜ですが、すでに江戸時代にはあったそうで、300年近く前から日本では食べられていたことから驚きですね。
古くから日本にあったゴーヤですが、原産が熱帯地域のため、耐暑性に優れ日本では沖縄や九州などの暖かい地域で栽培が盛んです。しかし、マルチングを行ったり、ハウスで管理したりすることで、比較的関東地域区域でも栽培が可能になります。
ゴーヤの育て方では、暖かく管理することが成功の鍵なので、防寒対策は必要不可欠。収穫時期が初夏から初秋にかけてになるので、種まきは肌寒い春ごろから梅雨に入る頃になります。播種時期はしっかりと寒さから守ってあげましょう。
ゴーヤの育て方は種の下処理をしてから始まる
ゴーヤの種まきは3月下旬から5月上旬の期間を目安に行いましょう。ゴーヤの種は硬実種なので、種をまく前を透水しやすく種に切り込みを入れるとよいです。爪切りやカッターなので傷をつけた後に、一晩水に漬けとくだけで発芽率はよくなりますよ。
播種用のポットやプランターの土に直径5cmの深さ1cmの穴をあけ、種を2〜3粒入れた後土を1cmほど薄く被せます。その後は水をたっぷりと与え乾かさないようにすること。水を与える際も土をえぐらないように優しく手で押さえて水やりするよいでしょう。
ゴーヤの種は25℃以上の30℃以下で発芽するので、まだ肌寒い時期に種をまくのであれば、ポリエステルビニールでマルチング作業やハウスを用意して防寒対策を行ってください。条件が整えば10日前後で発芽するでしょう。
ゴーヤの芽が出て後は、本葉が出るまで少し待ちましょう。その際水切れだけには注意ですよ。本葉が1〜2枚ほど出始めたら、ここで間引きを行い、苗を1本だけに絞ります。間引き後は本葉が3枚ほどになるまで保温して育てます。
ゴーヤは20℃〜30℃の暖かい環境でぐんぐん生長する野菜なので暖かくすることが、ゴーヤの育て方のポイント。種まきから約30日が経つころには本葉も3枚から4枚になっているのでプランターや鉢へ移植し管理を切り替えます。
ゴーヤを収穫するまでに行う育て方とは
プランターや鉢へと移植し、しっかりと定植できたら一安心です。しかし、定植してから苗をそのまま放置するのはご法度。定植後はゴーヤが伸ばすツルを誘引してあげることが育て方の最大のコツです!
プランターや鉢に定植後はまずツルを誘引するためのセットを作ります。園芸用の支柱や篠を使って支柱を仕立ていきましょう。支柱が立てられたら誘引ネットを張ってゴーヤのツルが上へ伝うようにします。補強柱も忘れずに立てるとよいですよ。
支柱の仕立て方は、各庭のスペースや好みのサイズや形にあわせて作るとよいですが、ゴーヤは9月までが収穫の時期なので、夏の日除けになるようにグリーンカーテンにして誘引ネットを張るのもおすすめ。ゴーヤが重ならず、ぶら下がって収穫もしやすいでしょう。
ゴーヤの育て方で重要なことは温度管理です。気温が低いと実の大きさも小さくなるほか、収穫するまでに時間がかかります。少しでも暖かい日が株の全体に当たるようにグリーンカーテンのような幅のあるツルの伸ばし方がよいです。
ゴーヤがある程度大きくなってきたところで栄養が分散しないよう摘芯を行います。株の根元から数えて5〜7節目を目安に切り落とすとよいでしょう。
葉がよく茂り、草勢がよければ株周りに一握り程度の化成肥料をまきます。追肥はゴーヤの様子を見ながら行ってくださいね。
開花後から約10〜20日前後で実が収穫できるので、青くて硬いうちの若採りをしましょう。遅れると実が熟して黄、橙色と変色しますが、もちろん食用は可能です。苦味は薄くなり、食感も柔らかいゴーヤへとなりますので、強い苦味が苦手な方にはおすすめですよ。
ゴーヤの育て方で気をつけたいこと
ゴーヤ栽培は、病害虫の心配や土壌を選ばない性質から、家庭菜園に向いた野菜です。しかし、家庭菜園でも気をつけることあるので、最後にポイントをおさえましょう。
病害虫の心配のないゴーヤですが、まれに葉に白く粉を吹いたようなうどんこ病が発生し、アブラムシなどの害虫被害に遭う恐れがあるので注意は必要です。
病害虫の対策として、コンパニオンプランツを一緒に植えることがおすすめですよ。ゴーヤにはネギ属の植物がよく、ネギやニンニクが抗菌作用をもち病気を予防するほか、匂いで害虫から守れるのでぜひ一緒に植えましょう!
またゴーヤ栽培では連作を行わないことです。ゴーヤが属するウリ科の植物はつる性植物が多く、つる割病が発生しやすいことが挙げられます。連作は避け栽培しますが、カボチャの台木を使った接ぎ木栽培も可能なので、被害を避けて栽培もできますよ。
おわりに
ゴーヤは家庭菜園にすることで、手頃に収穫できることだけでなく、シェードにもなり、庭を鮮やかな緑へと変化をもたらし夏の雰囲気を味わえます。庭先ですぐに実の大きさを確認して、自分好みのサイズや成熟度合いが選べるのでおすすめの家庭菜園野菜です。家庭菜園の野菜選びに悩んでいる方は、ぜひゴーヤを育ててみましょう!