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藤岡みなみ

藤岡みなみ|再生野菜、それは野菜のドラマ【思い立ったがDIY吉日】vol.55

タレントの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。可愛くも愉快な世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回は再生野菜について!

藤岡みなみ
タレント、エッセイスト。タイムトラベル専門書店 utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。
ブログ:藤岡みなみ 熊猫百貨店
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再生野菜、それは野菜のドラマ

いままで捨てていたのがもったいなかった。

ネギ……おそろしい子。先日、再生野菜、いわゆるリボベジを始めてみた。リボーンベジタブルの略らしい。ニンジンや大根のヘタを育てているときは、ゆるやかな成長を見守りながら楽しんでいたが、小口ネギの根を5cm残して水につけてみたら……。恐怖を感じるほど伸びるのが早い。昼に水につけて、夕方にはもう1cm伸びていた。見るたびにどんどん伸びて、3日で倍の長さになった。生き物だ。
それから面白くなって、隙あらば野菜を再生させてみようという気になった。小松菜、ホウレン草、クレソン、にんにく、パクチー、いままで捨てていた束の根元の部分を、水を張った卵パックの個室に入室させる。小松菜の小さい葉が恥ずかしそうに顔を出した。つるつる、ピカピカの小さな葉は赤ちゃんにしか見えない。かわいい、愛おしい、守りたい、おいしそう。

再生野菜たちが住まうアパート。

初めて食べてみたのは大根の葉。刻んでおかゆに入れた。青々しさがおいしかった。大根のヘタを水につけても、もちろん白い部分がまた生えてくるわけではない。葉がどんどん成長して、真ん中から茎が出てきて花が咲く。花が咲くというのはどういうことか。やがて実がなり、種ができる。次の世代にバトンをつなごうとしているのだ。泣ける。ある者はにょろにょろと伸び、ある者は赤ちゃんとして生まれ変わり、ある者は最後の力を振り絞って花を咲かせる。

台所の片隅で繰り広げられるドラマに涙が止まらない。水を換えるだけでこんなに見応えがあるものを見せてくれてありがとう。大人こそ、この野菜たちの生き様にグッとくるのではないだろうか。学校でアサガオやミニトマトを枯らしていた私だけど、いまになってやっと植物の命に触れた気がする。今年は少しレベルアップして家庭菜園を始めてみようともくろんでいる。

 

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