- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
クリスマスに満開を迎える花「シャコバサボテン」の育て方
シャコバサボテンの別名は「クリスマスカクタス」。クリスマスのころに花の盛りを迎える、冬の室内園芸向きの花です。冬になると、たくさんのツボミを付けた花鉢が出回りますから、ぜひ育ててみてください。
ツボミを落とさず、シャコバサボテンをしっかり咲かせるコツ!
シャコバサボテンは育てやすい植物ですが、「花を咲かせられない」「根腐れした」など、上手に栽培できない人も。ちょっとしたコツで、来年もたくさんの花を咲かせるシャコバサボテンの管理のポイントをご紹介します。
シャコバサボテンって?
シャコバサボテン(サボテン科)は、ブラジル原産の多年草。草丈15~40㎝の、扱いやすいサイズです。
シャコバサボテンは19世紀にヨーロッパに伝わると、たくさんの園芸種が開発されました。そのため日本に渡った時、「デンマークカクタス」という別名もつけられたのだとか。
シャコバサボテンの花は、透明感のある独特の花姿が魅力的です。花色は、オレンジ、ピンク、白、赤、複数の色が混在する複色など多彩。品種を選ぶ楽しみを満喫できます。
また、シャコバサボテンは花期が長いのも長所です。11月頃から咲きはじめ、クリスマスには満開、早春まで次々と咲き続けます。
シャコバサボテンを購入する際には、ツヤツヤして濃い緑色の茎節の、健康なカブを選んでください。茎節にしわが寄っている、赤みや黄ばみが認められるものは避けて。
シャコバサボテンの栽培に適した場所
シャコバサボテンは、季節によって置き場所を変えるのが栽培のコツです。耐寒性に乏しいシャコバサボテンは、冬は室内で育てます。
低温にあたると、茎節が凍って枯れてしまいますから要注意。初霜が降りる前をめどに、部屋に移動させて。
冬のシャコバサボテンの置き場所は、日当たりのよい窓辺が最適です。ただし街灯などで、夜間も明るい窓際では花が咲きにくくなりますから気を付けて。
温暖な気候の春や秋は、屋外の明るい日陰で育てて株を充実させます。シャコバサボテンは高温と多湿を嫌う性質なので、風通しがよい場所を選びましょう。
湿気を避けるために、レンガやブロックの上に鉢を置くのも手。木の枝や、日の差し込む軒下などにハンギングするのもおすすめです。
梅雨が明けて以降の厳しい真夏には、直射日光が避けられる場所に。一日中暗い所だと生育不良になりがちなので、午前中の日照は確保して。
シャコバサボテンの水やりや施肥など日常管理
シャコバサボテンは4~7月中旬と9~10月の生育期は、通常の水やりを行います。鉢の土が乾くタイミングで、鉢底穴から水があふれるくらいにたっぷりと水を与えてください。
7月後半になり、本格的な夏を迎えたら水やりを控えめに。高温が苦手なシャコバサボテンに水を与えすぎると、根腐れを起こす危険もあります。鉢土が乾いたからと、すぐに水やりしなくても大丈夫です。
寒さが厳しくなる12~3月も、水やりの回数を減らして乾かし気味にします。10~11月、ツボミがどんどんふくらむ時期には、鉢土が乾いてから、さらに1~2日後の水やりがベスト。
肥料は、4月~7月中旬の生育期には必須です。生育を開始する春から梅雨までは肥料が必要です。置肥とともに、液体肥料を規定量与えます。
ただし、7月下旬以降は肥料をやめて、9月上旬の花芽形成までは肥料がない状態にするのがポイントです。
シャコバサボテンならではのケア「葉摘み」
シャコバサボテンならではの栽培テクニックが「葉摘み」。株の姿を整え、たくさんの花を咲かせるために行います。
シャコバサボテンの葉摘みは、4月と10月が適期です。4月の葉摘みは、冬の間伸びきった茎節を整えるのが目的。株元から3~5節ほど残して、それより先の茎節を手でねじって摘み取ります。
株全体が丸くまとまるように形作るのがコツです。春に摘み取った茎節は、さし芽に活用して。茎節をさし芽用土にさしておくと、割合容易に発根します。
10月に行う秋の葉摘みは、開花のためのお手入れ。シャコバサボテンのツボミは、新芽ではなく成熟した茎節の先につきます。
10月の段階で浅い色の柔らかい新芽を摘み取ってしまうと、花芽がつきやすくなるのです。
花をたくさん咲かせるコツ
丈夫で育てやすいわりに、「花が咲かない!」という悩みが絶えないシャコバサボテン。「ツボミが落ちる」というケースは、シャコバサボテンの苗を購入したばかりのころによく聞かれます。
シャコバサボテンは環境の変化に敏感なので、購入したら置き場所を決め、しばらく移動させないようにしましょう。
また、ツボミがついて以降も、移動は控えたいもの。せっかくついたツボミや花を落とす危険性大です。
「そもそもツボミがつかない」のならば、夜間でも明るい環境のケースが多々。
シャコバサボテンは短日植物です。日照時間が12時間未満、気温20度以下の環境を1か月以上経験することで、花芽を作ります。
シャコバサボテンを置く部屋は、夜間は照明と暖房を消す、街灯の明かりが差し込まないところに置く、段ボールをかぶせて暗室状態にするなど工夫してください。
また、「シャコバサボテンは3月頃まで咲くと聞いたが、花がすぐに終わった」というケースは、室温が問題かもしれません。
シャコバサボテンの栽培適温は15~20度。冬の室内で、暖房で室温が高すぎると株が老化し、5度以下ではツボミが落ちてしまいます。
おわりに
いかがでしたか? 栽培のポイントを押さえれば、毎年あふれんばかりに花を咲かせてくれるシャコバサボテンを育ててみてください。