- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
自分の庭で「花もちのよい花」を育てよう!
切り花にして、さまざまな花をアレンジして飾っていると、気づきます。あっという間に枯れ込んでくるもの、長く美しい花姿をキープするもの、花の種類によって花もちがずいぶん違うものだと。自分の庭で花もちのよい花を育ててみませんか?
花もちが良い花は、育てやすく花色豊富なものが多い!
花もちがよい花は、一般的に強健で、育てるのに難しいテクニックは必要ありません。そのうえポピュラーな品種が多く、苗やタネの入手も容易です。花色豊富な草花が多いので、ぜひお好みのカラーを選んで育ててみて。
切り花を長持ちさせるための基本テクニック
いくら花もちがよい性質の草花であっても、きちんと手入れしないことには長持ちしません。基本的な切り花の扱い方、花もちよくするための活け方のポイントをご紹介します。
まずは、前処理。余分な葉やツボミを取り除きます。葉が根元付近までついている場合には、水につかる部分の葉を取り除きます。開花にたくさんのエネルギーが必要なツボミも、咲きそうもないものは取ってしまいましょう。
手早く前処理を終わらせて、水をたっぷり入れたバケツなどに花を入れます。そして茎を水に深く浸した状態で、よく切れるカッターや花ばさみで茎を斜めにカット。
水圧を利用して、茎断面から一気に水を吸わせます、このとき、断面が広いほうが効果的なので、斜めに切るのです。その後、しばらくそのまま水につけて置き、たっぷり水を吸わせます。このテクニックを「水切り」といい、植物に水を吸わせる「水揚げ」のポピュラーな方法です。
花を活けたあとは、こまめに水を替えること、水替えと同時に茎をさっと洗って、雑菌の繁殖を防ぐとよいでしょう。
それでも、時間の経過とともに花がしおれてくるのは仕方ないことですが、最後の手段として、「水切り」の手法で茎を短く切ってみてください。よく水を吸うようになれば、花が復活することもあります。
花もちのよい花)アルストロメリア
アルストロメリア(ユリズイセン科)は、町の花屋さんでよく見かけるおなじみの花。よく日持ちがするお花としても大人気です。花もちさせるコツは、受粉させないこと。花粉はなるべく取り去ってください。
アルストロメリアは、現在咲いている花の横に、小さな蕾がよく見られます。次に咲く「二番花」で、最初の花の状態が悪くなったら摘み取り、二番花が咲くのを待つと、さらに長い間アルストロメリアが楽しめます。
また、アルストロメリアを育てるときには、お好みの花色の苗を選び、9月の終わりから11月上旬くらいまでに植え付けましょう。
庭植えでも鉢植えでも育てられますが、日向もしくは明るい日陰で育てるのがポイント。寒さには割合強く、土が凍らなければ戸外で越冬も可能です。
アルストロメリアは多年草なので、翌年の5~7月にまた花が咲き、切り花でもたくさん楽しめますよ。
花もちのよい花)キク(マム)
キク(キク科)は、しっかり日持ちしてくれる花です。水換えなど手入れをきちんと行えば、2~3週間花もちするつこともまれではありません。
キクを長持ちさせる裏技は、茎をハサミでなく手でポキンと折ること。さらに水揚げがよくなります。
家でキクを育てる際には、菊花展や菊人形でおなじみの「大菊」ではなく、鉢花などでよくみかける「ポットマム(洋菊)」が手軽です。「スプレーギク」などとも呼ばれます。
花色が多彩なうえ、球状に咲くポンポン咲きや八重咲など、花姿もいろいろ。9~11月に、たくさんの花を咲かせます。
注意したいのは、夜間の明かりです。照明などで夜も明るい場所でキクを育てるのは禁物。キクは一定時間暗さを感じないと開花しない「短日植物」のため、夜明るい環境下では花が咲きにくくなります。
照明を避けられないなら、段ボールをかぶせて暗くするなど工夫を。
花もちのよい花)ハボタン
ハボタン(アブラナ科)は、寂しくなりがちな冬花壇で重宝する華やかな草花。花に見える部分は葉で、活けた状態で長く鑑賞できます。下のほうの葉が黄変したら取り除いていくと、1カ月以上楽しめるでしょう。
ハボタンは、冬に出回る苗を購入するほか、夏にタネをまいて育てることもできます。一昔前は大型品種に注目が集まっていましたが、現在は草丈5㎝ほどの実にミニサイズも。切り花はもちろん、寄せ植えや花壇植えなど、用途に合わせてサイズはいろいろ選べます。
なお、ハボタンは一年草と思われがちですが、二年越しで育てられる植物です。1本の株立ちから翌年には枝別れして「踊りハボタン」となり、また異なった風情を楽しめます。
花もちのよい花)スターチス
園芸店はもちろん、スーパーでも切り花をよくみかけるスターチス(イソマツ科)。花もちはとても優秀で、花瓶にさして数日を経ても色をほとんど変えず、そのままドライフラワーになっていることも少なくありません。
というのも、スターチスの花と思われているカラフルな部分は、実は「「萼(ガク)」。本物の花は、萼の中にある小さな白い部分です。白い花が散ってしまっても萼はそのまま色を変えず残るため、「花もちがよい」となるわけです。
スターチスを育てるときには、日当たりがよく水はけのよい場所に植えるのがコツ。また、根を切られることを嫌ため、苗をポットから出して植え付ける際には、根鉢を崩さないように注意しましょう。
花もちのよい花)ケイトウ
ケイトウ(ヒユ科)は独特な姿が愛され、昨今はハロウィンをイメージしたアレンジなどでも再注目!
切り花を楽しむ場合、花よりも先に葉が傷んでくることが多いので、悪くなった葉は適宜取り除いてください。
また、茎が腐りやすい傾向があるので、花瓶の中の水は少な目にして。水替えするときに、茎をさっと洗って細菌の繁殖を防止しましょう。
ケイトウはビギナーでも育てやすい強健な植物です。花の姿によって、4種jに分類されます。鶏冠のようにフリルに入った「トサカ系」、まるで脳みそのように入り組んだ球状の「クルメ系」、 羽毛のようなふさふさな穂の「プルモーサ系」、「キルドシー系」は「ヤリゲイトウ」とも言われ、羽毛状の花が円錐状に咲く品種です。
どのタイプも育てやすさは共通なので、お好みの花姿をセレクトして。
花もちのよい花)ユリ
ユリ(ユリ科)は、花屋さんなどプロの方はもちろん、花好きな人なら誰しも「花もちのよい花」として名をあげる草花です。活けているうちにどんどん咲き進み、花びらが散りますが、同時にツボミがどんどん咲く姿も鑑賞できます。
咲き切った花は首から切り落とすこと、花粉を取り除いて受粉させないことが、花もちをキープするコツです。
ユリは球根植物で、育てることは比較的容易です。ユリの球根を選ぶ際には、球根を覆ううろこ状の鱗片(リンペン)が乾燥していないもの、球根の下部から根が元気よく伸びているものを選びます。
球根は乾かないうちに植え付けますが、根の力で球根が土から出てこないよう、球根の高さの3倍の植穴を掘りましょう。
花もちのよい花)カスミソウ
一昔前の花束には、必ず入っていたカスミソウ(ナデシコ科)。脇役と思いきや、昨今は楚々とした小花として人気を得ています。
カスミソウは弱々しく、あっという間にしおれそうに見えて、実は花もちのよい花。そのうえ、花が茶色くなってきてもよい風情で、活けたままドライフラワーにするのもおすすめです。
カスミソウを育てるときは、苗を購入するかタネまきをしますが、移植を嫌うためタネは育てる場所、育てる鉢に直接まくとよいでしょう。
加湿にならないように注意して、どちらかというと乾燥気味に管理するのが栽培のポイントです。
カスミソウには様々な品種があり、宿根草の品種は茎が長くなるものも。茎が折れるのを防ぐため、支柱をたてて育ててください。
おわりに
いかがでしたか? 切り花にしても花もちがよい草花は、なんだか得した気分。花屋さんで購入した切り花にも、長持ちのコツを実行してみてくださいね。