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ガーデニング
津久井 玲子

バラの病気といえばうどんこ病!防除と対処法は?

バラはとてもデリケートで育てるのは難しいと思う人も多いことでしょう。実際バラは病気にかかりやすい園芸植物です。そんなバラの定番の病気にうどんこ病があります。うどんこ病は知識があれば対処できる病気です。バラのうどんこ病について解説します。

バラが粉をふく病気?うどんこ病を防ぐには?

うどんこ病はバラがかかりやすいことでも有名な病気です。対策がわからないからと放置しておけば、バラ全体に広がって枯らしてしまうこともあります。バラを栽培する以上、対処法を知っておく必要のある病気です。

 

しかし幸いなことにうどんこ病は、適切に治療してあげれば治せる病気でもあります。バラを栽培するたびにうどんこ病に悩まされて諦めてしまうという人は必見です!

 

 

うどんこ病は春と秋にご用心!

うどんこ病は発生しやすい時期が決まっています。春4月ごろから発生し始め、梅雨時には多湿のために病気が広がりやすく、重症化しやすいです。昼夜間の温度差が激しいときに発生しやすいという特徴もあります。

 

夏場には落ちついて見る機会も減りますが、気温が下がり始め雨が多くなる9月ごろから、再びよく発生するようになるため気が抜けません。日本の気候は春と秋に雨が多いことから、うどんこ病もこの時期によく発生するのです。

 

 

うどんこ病の症状とは?

うどんこ病はその名前の通り、まるで小麦粉をまぶしたかのように葉や茎が真っ白になる病気です。うどんこ病はバラの生長点である柔らかい新梢に発生しやすく、若葉やつぼみが侵されてしまいます。

 

若葉が侵されると、縮れたり丸まったりと形が悪くなるだけでなく、白く粉をふいたかのような見た目になり、ほかの病気にもかかりやすくなるため注意が必要です。蕾が侵されれば当然花は咲かず、そのまま枯れてしまいます。

 

生長点である新梢がかかりやすいことから、放置しておけば成長そのものも止まってしまう厄介な病気です。病気にかかった葉やつぼみをみつけたら、ほかの葉やつぼみに広がる前に急いで対処しましょう。

 

うどんこ病の原因

うどんこ病は空気中を漂う菌の胞子が、バラの柔らかい部分に根を生やして起こる病気です。つまりバラにカビが生えてしまったものが、うどんこ病と呼ばれる病気になります。白く見えるものは菌糸や胞子です。

 

うどんこ病の病原菌は空気中を漂っているため、どこからでも飛んできます。病気にかかりやすい場所は新梢ですが、古い葉にも菌糸を伸ばして繁茂してしまうため、広がりやすく厄介な病気です。

 

 

うどんこ病の対処法

うどんこ病をみつけたら、広がる前に病気にかかった葉を取り除いたり、薬剤をまいて除菌します。うどんこ病用の農薬をホームセンターで買ってきて、3日おきくらいに3~4回散布してください。

 

注意したいのは治療薬だけ散布しても効果が薄いことです。バラの新梢はワックスがかかったように水をはじく特徴があります。そのため治療薬もただ散布しただけでは流れ落ちてしまって、満足な効果を発揮しないのです。

 

そこで治療薬を定着させるために、展着剤という薬剤も用意してください。この展着剤を治療薬に混ぜることで、バラの表面に薬が密着します。ただしこの展着剤にも種類があり、配合を間違えるとバラを傷めてしまうため注意が必要です。

 

薬以外の対処法は?

病気にかかった葉や新梢をすべて取り除いて、病気の拡散を防いでください。また、バラの枝や葉が混みあっていると、風通しが悪くなるため中に湿気がこもってしまいます。湿気がうどんこ病の発生しやすい環境を作るため、枝を切って空気の通りをよくすることも大切です。

 

このほかにもバラの株全体に日光が当たるよう置き場所を変えたり、夕方の水やりを控えたりするのもよいでしょう。カリ肥料を多めにあげるのも治療効果が期待できます。

 

 

うどんこ病の予防法

うどんこ病は治療薬があるとはいえ、一度かかると厄介な病気であることは事実です。はじめからかからないように予防できれば、それに越したことはありません。ではうどんこ病にかからないためにできることには何があるのでしょうか?予防法を調べてみました。

 

薬剤を使った予防法

バラがうどんこ病にかかりにくくするための抗生物質が、予防薬として販売されています。抗生物質以外にもさまざまな専用の予防薬が売られているので、一度ホームセンターなどで聞いてみるのもよいでしょう。

 

オーガニック資材での予防法

うどんこ病は菌による病気ですが、拮抗作用のある菌で予防するという方法もあります。代表的なものが納豆を作るときに使うあの納豆菌です。納豆菌の正式名称は「枯草菌(こそうきん)」といい、納豆を作るときにワラを使うように、稲ワラにたくさん住み着いています。

 

この納豆菌は暑さや乾燥に強いだけでなく、非常に繁殖力が強い菌です。そのため納豆菌を散布しておくと、うどんこ病の菌がつく前に納豆菌がバラを覆ってしまい、うどんこ病の菌がつくことができなくなります。

 

納豆菌をはじめとした善玉菌を使った液肥が売られているので、指定された倍数に薄めたものを株全体に散布しておけば大丈夫です。残ったものも水代わりに根元に撒けば、そのまま肥料としてバラの栄養になってくれます。

 

土にも稲ワラが混じった堆肥を混ぜておくとよいでしょう。土からうどん粉病が移るのを防ぐ効果が期待できます。土をフカフカにする効果もあるため、苗を植えつける前や鉢を変えるときにすき込んでおくと、バラの根の張りがよくなり株を健康にするのにも効果的です。

 

オーガニック資材のよさは初心者でも使いやすいことがあげられます。農薬は使い方を間違えると副作用でバラを傷める危険性があり、正しい取り扱い知識と経験が必要です。バラも農薬に頼ってしまい、抵抗力が落ちてしまいます。うどんこ病の菌が、農薬に耐性を持つ可能性まであるのです。

 

しかし、オーガニック資材ならば多少希釈率を間違えてもバラを傷める心配もなく、病気を防ぎながらバラの生育環境も改善するなど、いくつもプラスの効果が期待できます。農薬を使うのに抵抗がある人にとっても使いやすいのでおすすめです。

 

 

おわりに

バラは色も個性もさまざまで、咲き乱れる姿は心を癒してくれます。大切に育てているバラをうどんこ病から守るためにも、正しい知識を持って適切に管理してあげたいものです。あなたにあった管理方法をみつけて、病気からバラを守ってあげてください!