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ガーデニング
河村ゆかり

ハーブティーにおすすめ!薬効が期待できる植物5選

カフェのドリンクメニューでもよく見かけ、いまやすっかりおなじみになったハーブティ。天然の植物由来の有効成分によって、穏やかに体の調子を整えることが期待できます。毎日のティータイムにハーブを取り入れてみませんか?

ハーブティー向きの植物を育てて、ヘルシーなティータイムを

アジア圏では漢方がおなじみですが、西洋では同じような位置づけなのがハーブ。植物の持つ自然な薬効が、人の健康づくりに役立つとされています。庭やベランダで育てる楽しみを味わいながら、ハーブティとしても楽しめると一挙両得の暮らしを始めませんか?

 

ハーブティーとは?

ハーブティーは、お湯や水にハーブ(薬草)を入れ、自然の有効成分を抽出させたお茶のこと。ハーブの多くは古くから薬効が認められており、ほとんどノンカフェインなのが特徴です。

ハーブは植物によって花、葉、茎などがお茶に利用されます。また、庭やベランダから摘みたてのフレッシュなものを使う場合と、乾燥させたドライハーブを使う場合も。用いるハーブは1種のみだったり、数種をブレンドさせたり。甘味にはちみつを加えることもあります。

いずれのハーブティーも、香りによるアロマテラピー効果が得られます。さらにハーブティーにはビタミンやミネラルなど、水溶性の栄養素が溶け出しますから、健康維持にも役立つというわけです。

ハーブはそれぞれ、期待できる健康効果が異なります。自分の体調と相談しながら、毎日のハーブティータイムを楽しんでください。また、自家製のハーブをハーブティーにする場合は、無農薬で栽培すれば安心です。

なお、病気療養中の方、妊娠・授乳中の方、植物にアレルギーのある方などは、飲用を控えたほうが良い場合もありますのでご注意ください。

 

ハーブティーにおすすめの植物)エキナセア

エキナセア(キク科)は、赤、オレンジ、グリーンなど多彩な花色が人気のガーデン植物。大ぶりな花を6月中旬~8月に咲かせ、庭の主役級になる存在感を放ちます。

エキナセアは水はけがよく、日当たりのない場所が栽培適地。耐寒性・耐暑性に富む多年草で、戸外で冬越しできます。上手に育てれば数年にわたって成長し、どんどん大株になります。

古くからアメリカ先住民が薬用にしたハーブで、傷や熱病の治療に用いていたのだとか。昨今の研究では、免疫力を高める効果が注目され、風邪やインフルエンザの予防に役立つのではないかと考えられています。

実際に、かつてドイツで風邪やインフルエンザに感染しやすい人を集め、エキナセアの成分を投与したところ、1/3以上の被験者が風邪をひきにくくなり、かかっても症状が軽くなったとの実験結果があります。

 

ハーブティーにおすすめの植物)ローズヒップ

ローズヒップは、バラ(バラ科)の実のこと。ローズヒップとしてよく利用される品種は、バラの原種の「ドッグローズ(ロサ・カニナ)」、野生のバラ「スィートブライア(ロサ・エグランテリア)」、オールドローズの「アップルローズ(ロサ・ポミフェラ・デュプレックス)」など。

いずれも非常に強健で、ビギナーでも育てやすいバラです。「ドッグローズ」と「スィートブライア」はつる性なので、フェンスやトレリスに絡ませてください。強健な性質で、半日陰でも栽培できるのがうれしいところ。生垣用にも利用できます。

「アップルローズ」はその名の通り、リンゴに似た形の大ぶりな実をつけるのが特徴です。ピンクの花も愛らしく観賞用としても価値が高いうえ、花はジャムにもできます。

ローズヒップをハーブティーにする場合には、10月中旬~11月に赤く完熟した実を収穫。天日干ししてしっかり乾かし、実の中に入っているタネや、実を覆っている毛があるときにはをよく取り除いてください。

ローズヒップには、古くから風邪薬としても愛飲されてきたハーブ。ミネラルやビタミンCが豊富に含まれ、ビタミンCの含有量はレモンの20倍にも!粘膜を強化させるパワーを秘めており、健康維持に役立ちそうですね。

 

ハーブティーにおすすめの植物)タイム

タイム(シソ科 )は、古代エジプトやローマ時代から利用されていたハーブ。タイムの強い殺菌効果は古くから知られており、紀元前のエジプトではミイラの防腐剤として使われていたそう。

タイムは肉の匂い消しなど、料理にも多用されますが、ハーブティーでもよく用いられます。特に風邪の予防によいとされ、タイムのハーブティーをさましたものでうがいをするのも効果的と言われます。

タイムは小さな葉が愛らしく、しかも生命力旺盛でよく広がって育つため、グラウンドカバーとして育てるのもおすすめです。花壇の縁取りに、ロックガーデンの隙間にと、いろいろなコーナーに植えられます。

日当たりと風通しが良好な場所を好み、砂利交じりのやせ地でも元気に成長。ただ長雨と高温は苦手なので、株が蒸れないように適宜枝を透かせる剪定を。

冬の寒さには強く、雪で埋もれても枯れることはまれ。地上部はなくなっても根は生きていて、春になると芽吹きます。

 

ハーブティーにおすすめの植物)エルダー

5~6月に咲くエルダー(スイカズラ科)の花は、「エルダーフラワー」として古代ローマ時代から現代に至るまで、ヨーロッパ各国で活用。「歯痛から疫病まで」と言われ、万能の民間薬として愛用されてきました。

ハーブティーのほか、花を砂糖やはちみつなどで煮詰めた甘いエッセンス「コーディアル」は、ヨーロッパを中心に世界各国で愛飲されています。

エルダーは、耐暑性・耐寒性に富み、樹高3~10mにも達する生育旺盛な中高木です。鉢植えの場合は根詰まりしやすいので、1年に1回ペースで植え替えを。地植えするときには大きくなることを考慮して、場所を確保しましょう。

比較的丈夫な性質ですが、日本の高温多湿は苦手です。葉を落とす秋から冬にかけて、枝を整理して夏越ししやすく剪定するのが栽培のコツ。

 

ハーブティーにおすすめの植物)レモングラス

レモングラス(イネ科)は、別名「アジアの薬草」。インドや中国では薬草として用いられてきました。最大の特徴は、含有成分「シトラール」が発するさわやかな香り。

リラックスやリフレッシュ効果があるだけでなく、抗菌作用に富み、胃腸の調子と整え消化を助けるのにも有効とされています。

レモングラスのハーブティーは、ティータイムはもちろん、食後のお茶としてもおすすめ。特に揚げ物や脂っこい肉料理などを食べた後、口内や胃腸をスッキリさせるのにぴったりです。

レモングラスは多年草ではありますが、熱帯性植物のため寒さが苦手。地植えで育てたい場合には、霜が降りる前に株元から10cmほどでカット。周囲の土ごと掘り上げて、春までは室内の明るい場所で育ててください。

 

おわりに

いずれも豊かな香りが魅力的なハーブティーになります。ティータイム、食後、朝の目覚めの一杯、夜眠る前になど、ぜひハーブティーを取り入れてみて。