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ガーデニング
河村ゆかり

植えっぱなしで数年楽しめる夏植え球根~おすすめ5品種の特徴と育て方~

暑い時期が植え時の夏植え球根植物は、育苗の手間もなく、プランターや庭に植えるだけと手軽です。そのうえガーデニングビギナーでも育てやすい品種が多数! ガーデニングの楽しみを味わえますよ。

夏植え球根植物とは?

「夏植え球根」は、夏の間に植え付ける球根植物のこと。植え付けから1カ月後には開花する品種もあり、早く花を見たいせっかちさんにも最適です。冬に養分を蓄えて春から夏までは休眠するのが特徴で、数年植えっぱなしでも問題なく育つものも多いため、ガーデニングビギナーにもおすすめ。

また、夏植え球根の多くは南アフリカやヨーロッパなどが原産地ですが、南アフリカやヨーロッパは夏の降雨量が少ない地域であることから、休眠期間中、水をやりすぎないことがうまく育てるポイントです。

夏植え球根の選び方

夏植え球根を選ぶ際に押さえておきたいのが「表面に傷がない」ことと「発根部が割れていない」こと。

また、夏植え球根には様々な種類がありますが、自宅で育てる際に、「庭に植える」のか、「鉢に植える」のかもポイントとなります。

冬の気温や日照時間等で育ちにくい品種もあるため、住んでいる場所の環境にあった品種を選ぶようにしましょう。

育てやすい夏植え球根5選

夏植え球根にはさまざまな種類がありますが、ここでは育てやすい夏植え球根を5つ、ご紹介します。

それぞれの植え方も解説しますので、ぜひ育ててみてください。

夏植え球根)サフラン

サフラン(アヤメ科)は、 早春に咲くクロッカスの一種。草丈10~15㎝のミニサイズの球根植物です。

濃い紫の花とともに大きな赤い雌しべが目立ちますが、この雌しべを乾燥させたものがスパイスとして利用されます。

サフランの球根は、ずっしりと重みのある大きいものを選ぶのがポイントです。植え付け適期は8月下旬~9月上旬。深さ5㎝くらいに穴を掘って植え付けると、やがて松葉のような細い葉が伸びてきて、10月中旬から花が見られます。

サフランは大変強健。土に植えなくても、半日蔭にそのまま球根を置いておくだけで花を咲かせるほど。水耕栽培も可能です。

サフランは植えっぱなしでも問題ありませんが、3年を経過すると子球が増えて窮屈になるので、球根を掘り上げるとよいでしょう。

 

夏植え球根)シクラメン・ヘデリフォリウム

シクラメン・ヘデリフォリウム(サクラソウ科)は原種系のシクラメンで唯一、常緑品種です。室内園芸でおなじみの、華やかで大ぶりな花をつける品種とは異なり、草丈も5~15cmのミニサイズ。10~11月に淡いピンク色の小さな花を咲かせ、楚々とした印象です。

シクラメン・ヘデリフォリウムは、マイナス15℃までは耐えられるほど寒さに強いので、プランターや鉢植えだけでなく、地植えでも栽培できます。

植えるときには、球根の頭が少し出る程度の浅植えにするのがポイント。球根はポツポツ突起のあるほうが上で、表面がツルツルしたほうが下なので、間違えないように注意しましょう。

地植えする場合には、水はけと風通しのよい場所を選んでください。鉢植えは、球根が育って窮屈になるため、1~2年に1回植え替えましょう。

 

コルチカム

コルチカム(イヌサフラン科)は、直径10㎝ほどの大きな球根が特徴。土に埋めなくてもテーブルなどに転がしておくだけで花を咲かせることで有名です。インテリアプランツとして、室内の窓辺で育てるのもおすすめ。花が咲いてから土に植えるという方法でも十分に育ちます。

土に植え付けるなら、8~9月に。地植えは、日当たりと水はけが良好な場所に、深めの植穴を掘り、球根の先端から地表までが5~6㎝になるよう土をかぶせます。鉢植えでは、鉢土の表面すれすれに球根の先端がくるようにしてください。9~11月に花が咲きます。

またコルチカムは乾燥には強いものの過湿は苦手です。鉢植えするときには鉢底石をしっかり入れて、水はけを確保しましょう。

一度植えれば、数年は植えっぱなしで問題ありませんが、混み合ってくる3年後に球根を掘り上げるのがおすすめです。休眠期に入る6月頃に行ってください。

 

ネリネ

ネリネ(ヒガンバナ科 )の別名は「ダイヤモンドリリー」。その名にふさわしく、ゴージャスな花が人気です。

ネリネの球根は、8月下旬~9月が植え付け適期。耐寒性が弱く、地植えでは冬越しが難しいため鉢植えがおすすめです。根を深く張らない性質なので、浅めの鉢がベスト。またネリネは加湿を嫌うため、小ぶりな鉢のほうが管理しやすくおすすめです。

ネリネの球根を植えるときには、肩の部分が出るくらいの浅植えにするのがコツです。3号鉢(直径約9㎝)ならば1球、5号鉢(直径約15㎝)ならに3球を目安に植えてください。

ネリネの花は10月中旬~12月にかけて咲きますが、花もちが良いので切り花にするのもよいでしょう。

 

オキザリス

雑草のカタバミの仲間であるオキザリス(カタバミ科)は、花は日中に日光を浴びると花開きますが、雨で薄暗くなったり夜を迎えたりすると閉じるのが特徴です。

日を浴びて大きく開いた花も魅力的ですが、傘を畳んだように花びらを巻き付けて閉じた姿も愛らしいもの。

オキザリスの球根の植え付けは、8~10月に。地植えの場合、球根は地表から約2㎝ほどの深さに、球根の間隔を約15㎝とって植えるとよいでしょう。数年は植えっぱなしでも大丈夫です。鉢植えにするのなら、5号鉢(直径約15㎝)に3球を目安に。

オキザリスは春植えのものもあり、品種によって花期が異なりますが、夏植えの場合、花期は10月下旬~2月にかけて。
オキザリスは寒さが厳しい時期、冬枯れしがちなガーデンに色を添えてくれる植物としても人気です。

 夏植え球根の花が咲き終わったら

夏植え球根の花が咲き終わった時に気を付けたいのが「花ガラを早めに摘み取る」ということ。

花ガラをそのままにしておくと余分な栄養を使いますし、カビや病原菌の元となることもあります。

花が咲き終わったら、なるべく早く摘み取るようにしてください。

おわりに

植えっぱなしでも翌年花をつけてくれる夏植え球根の数々、いかがでしたか? ぜひあなたの庭やベランダで育ててみてくださいね。