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家事
津久井 玲子

マスクの正しい洗い方を知って感染防止に役立てましょう!

新型コロナウィルスの感染拡大で従来の使い捨てマスクが品薄になり、繰り返し洗って使える布マスクやポリウレタン製のマスクが普及してきました。また、使い捨てマスクを洗って繰り返し使う方もいます。そこで今回は、マスクの正しい洗い方をご紹介します。

マスクの種類と効果

マスクには医療用のサージカルマスクと、一般に売られている不織布マスク、布マスクがあります。最近はポリウレタン製のマスクも出回るようになりました。

 

サージカルマスク、不織布マスク

医療用のサージカルマスクと不織布マスクは使い捨てで、一般的な風邪のウィルスやインフルエンザウィルスの感染予防効果があることがわかっています。ただ、隙間を作らないように身につけなければならないので、息苦しく感じることがある点が難点です。

 

布マスク

布マスクは残念ながらウィルスを通してしまいます。しかし、咳やくしゃみの飛散防止や飛散低減、または相手への感染防止に効果的です。布マスクをすることで口や鼻に直接触れるのを防ぎ、接触感染を予防することができます。

 

ポリウレタン製マスク

ポリウレタン製のマスクは花粉やホコリをカットしますが、ウィルス防止効果はあまり期待できません。ポリウレタン製のマスクは伸縮性があるので、顔とマスクの間に隙間ができにくく、どんな形の顔にも合うようになっています。

 

また、通気性もよくて肌にもやさしい素材です。布マスクとポリウレタン製マスクは洗って繰り返し使えるので、リーズナブルなマスクといえます。

 

 

布マスクを洗う前に準備するも

布マスクを洗うときには、そのための道具を準備する必要があります。布マスクの洗濯には、どのような道具を準備したらよいのでしょうか。

 

注意

「家庭で洗える」と表示されているマスクが洗濯可能です。

また、銀イオンなどによる抗菌マスクや色柄物の布マスクは、洗濯方法の表示に従って洗いましょう。

 

準備するもの

・使用済みの布マスク

・洗面器などの洗い桶

・衣料用洗剤(溶けやすい液体洗剤がおすすめ)

・漂白剤(布マスクの素材に合わせて塩素系と酸素系を使い分ける)

・清潔なタオル

・洗い終わった布マスクを干すための洗濯ばさみなど

・炊事や掃除に使用するゴム手袋

・スポンジ(口紅やファンデーションを落とすのにあると便利)

・メガネなど目を保護するもの(漂白剤を使うとき)

 

漂白剤は通常の白い布マスクであれば塩素系で問題ありませんが、色柄物の場合には酸素系漂白剤を使いましょう。

銀イオンなどによる抗菌マスクは、洗濯方法の表示に従って道具や洗い方を変えてください。

 

 

布マスクの正しい洗い方:洗剤

布マスクは使うたびに毎日洗うのがベストです。布マスクは毎日正しくケアしないと感染のリスクが高くなることもあります。また、界面活性剤入りの洗剤で洗うとウィルスが落ちやすいです。

 

注意

布マスクを洗うときは炊事用のゴム手袋をして、他の人が使った布マスクと一緒に洗わないようにしてください。同じ人が使用した布マスクなら一緒に洗っても大丈夫です。

 

手順1

炊事用のゴム手袋をはめたら、用意しておいた洗面器に衣料用洗剤を指定量温水に溶かした洗剤液を入れます。次にその中に布マスクを10分浸してから押し洗いしましょう。

 

布マスクの繊維を傷めることがあるので、もみ洗いはしないでください。

布マスクに口紅やファンデーションがついている場合には、台所用中性洗剤を直接つけてスポンジで塗り込むとスッキリ落とせます。

 

手順2

洗面器に水道水を入れて何度かためすすぎをしたあと、清潔なタオルで挟み込んで布マスクの水気を吸い取ります。これで布マスクの洗濯は完了です。

 

手順3

布マスクを洗った洗剤液とすすぎ水にはウィルスが含まれている可能性があります。そのため洗濯するときには、周りにウィルス入りの水が飛び跳ねないように注意が必要です。

 

また、使用した洗剤液とすすぎ水を処理するときは、1Lあたり15mlの塩素系漂白剤を入れて、10分放置してウィルスを殺してから捨ててください。

 

 

布マスクの正しい洗い方:漂白剤

塩素系漂白剤15mlを水1Lに溶かしたものを洗面器に入れます。布マスクを10分浸してから水道水で充分にすすいでください。ためすすぎを3回以上か、流水ためすすぎを2回以上が目安です。

このとき布マスクをラップの上などに置くと、置いた場所を汚さずにすみます。

 

塩素系漂白剤を使うときには、ゴム手袋で手を、メガネなどで目を保護し、換気をするのを忘れないようにしてください。

 

色柄物の布マスクを漂白する場合

最近は手作りマスクで色柄物の布マスクなども見かけるようになりました。色柄物の布マスクに塩素系漂白剤を使うと変色することがあるので、色柄物の布マスクには酸素系漂白剤の使用がおすすめです。

 

酸素系漂白剤を使う場合は、粉末タイプなら5g、液体タイプなら10mlを水1Lに溶かしたものを洗面器に入れ、その中に布マスクを30分浸します。あとは塩素系漂白剤と同じです。

 

漂白した布マスクは、清潔なタオルに挟み込んで水分を吸い取ります。洗濯機で脱水する場合は1分以内にしてください。

 

最後に布マスクを洗った後は、手をよく洗ってください。

 

 

布マスクの正しい干し方と注意点

布マスクの洗濯が終わったら、傷まないように気をつけて干しましょう。布マスクはどう干したらよいのでしょうか?

 

手順1

布マスクを洗濯すると、元のサイズより小さく縮んでしまうことがあります。タオルに挟み込むときに、ある程度でよいので形を整えておくと、仕上がりがキレイになるのでおすすめです。

 

布マスクを干す前には縫い目の方向にそって何度か引っ張り、そのあと横方向にも引っ張って形を整えてください。これだけで縮みやシワ、ヨレといった型くずれの予防効果があります。

 

手順2

乾燥機は使用せず、布マスクの本体を洗濯ばさみで留めて陰干しします。

花粉や黄砂の時期などには部屋干しもおすすめです。

 

注意点

陰干しせずに直射日光に当てると、生地が黄ばんだり傷みやすくなります。

また、布マスクを干すときに、紐やゴムの部分を留めないようにしてください。布マスクの重さで紐やゴムが伸びてしまいます。

 

 

ポリウレタン製のマスクを洗う前に準備するもの

ポリウレタン製のマスクも、毎日使った後には洗うことが大切です。そんなポリウレタン製のマスクを洗うには、布マスクとはまた違ったものを準備する必要があります。ではどのようなものを準備すればよいのでしょうか?

 

注意

布マスクのときと同様に表示を見て、洗濯可能かを確認してください。

 

準備するもの

・使用済みのポリウレタン製のマスク

・洗面器などの洗い桶

・衣料用中性洗剤(溶けやすい液体洗剤がおすすめ)

・清潔なタオル

・洗い終わった布マスクを干すための洗濯ばさみなど

・炊事や掃除に使用するゴム手袋

・スポンジ(口紅やファンデーションを落とすのにあると便利)

 

ポリウレタン製のマスクは、多くのものが衣料用中性洗剤を使うよう表記されています。また、塩素系漂白剤は使えません。酸素系漂白剤でも使えないものが多いので、確認はしっかりしましょう。

 

開封直後のポリウレタン製のマスクは、ときどきニオイが気になるものがあります。ニオイを消すには、一度陰干ししておくのがおすすめです。それでもニオイが消えないときがあります。そんなときはニオイを消すために、使用前に一度洗ってください。

 

ポリウレタン製のマスクの性質として、洗剤の香りが残りやすいというものがあります。洗剤の香りが気になる場合には、『微香性』の中性洗剤を選ぶようにしましょう。

 

 

ポリウレタン製のマスクの正しい洗い方

ポリウレタン製のマスクは速乾性があるのですぐ乾き、毎日洗濯しても型くずれや伸び縮みもなく、ネットに入れれば洗濯機で洗えて便利です。

 

ポリウレタン製のマスクの洗い方は、まず炊事用のゴム手袋をはめてから、衣料用中性洗剤を指定量だけ温水に溶かして洗剤液をつくります。その洗剤液を洗面器に入れ、手洗いで軽くもみ洗いしてください。

 

口紅やファンデーションの汚れは、スポンジでやさしくたたき洗いすると落としやすいです。

 

洗面器に水を入れ、ためすすぎでよくすすいだあと、両手で包み込むようにして絞ります。続けて乾いたタオルで挟み込んで、水分を吸い取れば洗濯完了です。

 

あるメーカーのテストでは、3回までは洗っても花粉やホコリをカットするフィルター性能に変化は無いとされています。もしフィルター性能が無くなったら、布マスクと同じように感染防止として使うとよいでしょう。

 

また、ポリウレタン製のマスクは使っているうちに色が変わってくることがありますが、ポリウレタン特有の現象で品質そのものに変化はありません。

 

 

ポリウレタン製のマスクの正しい干し方と注意点

ポリウレタン製のマスクも、より長く使うためには干し方が重要です。正しい干し方だけでなく、注意点も覚えておきましょう。

 

手順

布マスクと同様に、ポリウレタン製のマスクもまずは形を整えます。縮む原因にもなるため、乾燥機の使用は避けましょう。

 

顔の面に当たる部分の両端を洗濯ばさみで留めるようにします。後はそのまま陰干しにすれば大丈夫です。

 

注意点

ポリウレタンの性質上、直射日光に当たると劣化が進んでしまいます。

 

また、布マスクのときと同様に、紐やゴムの部分を洗濯ばさみで留めて干すと、マスクの重さで伸びてしまうのでおすすめできません。洗濯ばさみに引っ掛けて干せば洗濯ばさみの後はつきませんが、耳掛け部分が伸びてしまうので避けた方が無難です。

 

 

不織布マスクは洗える?

不織布マスクは洗うとフィルター効果が低下するので、基本的に毎日取り替えることが前提の使い捨てです。そんな不織布マスクでも、洗って再び使うことはできます。ただし、その場合の品質は保証できません。布マスクと同じように感染防止と思って使いましょう。

 

不織布マスクの洗い方は、まず衣料用中性洗剤を指定量だけ温水に溶かして洗剤液をつくります。その洗剤液を洗面器に入れたあと、やさしく押し洗いしてください。

 

そのあと洗面器で3回ぐらいためすすぎをして、乾いたタオルで挟み込んで水気を吸い取れば洗濯完了です。干し方は布マスクやポリウレタン製のマスクと同じで問題ありません。

 

水を使わないのであれば、使った後の不織布マスクを袋などに入れて、清潔な状態で3~5日ウィルスにふれないような場所に放置しておいてください。不織布マスクについたウィルスが死んでしまうので、また不織布マスクを使うことができます。

 

どうしても洗いたくなければこの方法もありますが、あまり現実的ではありません。

 

 

おわりに

どのマスクも洗い方は、衣料用洗剤を入れた洗剤液に浸してから押し洗いして、よくすすいだあとに乾いたタオルで水分を吸い取り、そのあと陰干しすることがポイントでした。

マスクは毎日使うごとに洗うことが感染予防には大切です。そのためにはマスクのスペアを何枚か用意して、目的によって使い分ける必要があります。

マスクで100%感染を防ぐことはできませんが、マスクの正しい洗い方を身につけて、少しでも感染を防ぐ努力をしていきたいですね。