お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。
家事
佐藤 恵子

今さら人に聞けない!洗濯マークの正しい表示を知って楽しく洗濯しよう

洋服のタグの洗濯マークの表示が2016年12月に変わったのをご存知でしょうか?または、知っているけどよく分からないという方もいるのではないでしょうか?今回は新しくなった洗濯マークの意味とその洗濯方法を紹介します。

洗濯マーク5個の基本記号

洋服などのタグにある洗濯マークは家庭用洗濯機で洗えるのか?乾燥機はかけられるのか?クリーニング店に持って行く衣類なのか?といった洗濯方法の情報が表示してあります。洗濯マークの意味を理解して、衣類に合った洗濯方法で洗うことが大切です。

 

2016年12月にこれまではJIS(日本規格)だった洗濯マークの表示が、ISO(国際規格)に統一されました。それに伴い日本語表記もなくなりました。しかし、日本語の付記表記を使って、独自の洗濯マークを記載しているものもあります。

 

新しい洗濯マークは5個の基本記号と基本記号に付加記号の組み合わせで構成されています。洗濯マークの5個の基本記号は、家庭洗濯、漂白、乾燥、アイロン、商業クリーニングの処理記号を表します。

 

この中の家庭洗濯と漂白の洗濯マークは必ず表記されていますが、他の3つは省略されることもあります。その場合は洗濯マークの中の一番厳しい処理を適用します。

 

例えば洗濯マークの中のアイロンのマークが省略されていたら、その製品は高温アイロン処理ができるということになります。

 

家庭洗濯処理記号(洗濯桶)

JISでは家庭洗濯のマークは洗濯機と手洗いに分けて表示していましたが、ISOでは洗濯桶のマークで統一され、さらにその中で家庭用洗濯機で洗えるもの、手洗いするもの、家庭では洗えないものの大きく3つに分けられます。

洗濯桶マークの中に表示されている数字は液温の上限です。そして、洗濯桶マークの下の横棒は水流の強さを表していて、横棒が多くなるほど水流が弱くなります。水流の表示方法は洗濯機のメーカーごとに違うので、取扱説明書で確認が必要です。

 

衣類のタグに洗濯桶のマークがあれば、ほとんどの衣類は家庭で洗濯できます。また、手洗いのマークがついている場合でも洗濯機で洗えるものもあります。

 

自宅の洗濯機にドライモードや、手洗いモード、クリーニングモードなどのコースがあれば洗濯機で洗えますが、形くずれしやすい衣類やデリケートな衣類など心配なときは無理せずに手洗いするのがおすすめです。

 

漂白処理記号(三角:△)とアイロン仕上げ処理記号

漂白処理記号の洗濯マークは、JISではフラスコのマークで使える漂白剤を表示していましたが、ISOでは三角(△)マークで表示されます。三角マークの基本記号に付加記号を使って3つの表示に分けられています。

三角マークの中になにもないものは塩素系漂白剤も酸素系漂白剤も使えますが、三角マークの中に斜線が入っていると塩素系漂白剤は使えますが酸素系漂白剤は使えません。

 

三角マークにバツ印があるものは塩素系漂白剤も酸素系漂白剤も使えません。

 

アイロン仕上げ処理記号の洗濯マークは、JISではアイロン記号の中に高温・中温・低温とあて布の表記がありましたが、ISOではアイロン記号の基本記号と付加記号を組み合わせて4つに分けられています。

 

アイロン記号の中のドットの数でアイロンの底面温度の上限を表示していて、アイロン記号にバツ印があるものはアイロン仕上げ禁止です。

 

乾燥処理記号(四角:□)

JISの洗濯マークは洋服のマークで自然乾燥のみでしたが、ISOの洗濯マークは四角(□)マークで表示され、自然乾燥かタンブル式乾燥かを見分けられるようになっています。

 

自然乾燥は四角マークの基本記号に付加記号を組み合わせて8つの表示に分けられ、 タンブル式乾燥は同じく付加記号を使って3つの表示に分けられています。JISで使われていた絞り方の記号はISOにはありません。

 

自然乾燥の場合、四角マークの中の付加記号の縦線(|)はつり干し、横線(―)は平干し、斜線(/)は 陰干しを表し、縦線と横線が2本になるとそれぞれ、ぬれつり干しとぬれ平干しになります。例えば、日陰のぬれ平干しだと四角マークの中に横線2本と斜線が入った表示になります。

 

タンブル式乾燥の洗濯マークは、四角マークの中に丸(○)が入っていて、さらに丸の中のドットの数は排気温度を表示しています。四角マークと丸にバツ印があるものはタンブル乾燥できません。

 

 

商業クリーニング処理記号(丸:○)

JISの洗濯マークは、ドライクリーニングが可能かどうかの表記のみでしたが、ISOではドライクリーニングの種類や有機溶剤の種類、ウェットクリーニングも表示されるようになりました。丸の中にアルファベットのP、F、Wが入って分類されます。

 

Pはパークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングを表しています。
Fは石油系溶剤によるドライクリーニングの表示。

Wはウェットクリーニングの表示で専門家による水洗いが可能で、いずれも家庭では洗濯できません。

 

商業クリーニング処理記号の丸のマークと 家庭洗濯処理記号の洗濯桶のマークが併記してあれば家庭で洗濯が可能です。メーカーごとに表示方法が異なりますが、家庭用洗濯機のドライコースはドライクリーニングが可能という意味ではないので、間違ってドライクリーニングの衣類を洗わないように注意が必要です。

 

専門業者に依頼する洗濯マークとは

前述した商業クリーニング処理記号について、もう少し詳しく解説します。

 

洗濯マークに、〇にP文字が入っていたり、〇にFが入っていたり、時には〇にWが入っている洗濯マークがあります。それらは全て、専門業者に出してくださいという記号です。

 

以前の洗濯マークは、〇の中に波のうねりのような模様があり、ドライなどと日本語で書かれていました。現在はISOで設定された洗濯マークが、世界標準となっています。

 

洗濯マークの中にPがあるものは、パークロロエチレンまたは石油系溶剤によるドライクリーニングができるという意味で、〇の下に横線があれば、それは水流の弱さを指示しています。

 

洗濯マークにFが入っていたら、石油系溶剤によるドライクリーニングという意味です。この洗濯マークにも、〇の下に横線が入ることがあり、本数が多いほど水流を弱くすることを意味しています。

 

〇にWが入っているものは、間違っても家庭用洗濯機で洗ってはいけません。これは専門業者の特殊な技術が必要ですという意味です。

 

Wの入った洗濯マークがあったら、有機溶剤を使わずに行う専門業者の手洗い工程ということになります。

 

稀に〇に×が書かれている洗濯マークがあります。これは、業者によるドライクリーニングはしてはいけませんという記号です。ではどこで洗えば良いのでしょう。

 

その洋服を購入したときに、洗濯の方法なり、一切洗濯は出来ないという説明なりが書かれたものがあるはずです。捨ててしまわずに、必ず確認するようにしてください。

 

〇を黒く塗りつぶし、さらに×が書かれた洗濯マークもあります。こちらは、業者によるウェットクリーニングはできないという意味です。この場合も、添付された説明書を必ず確認するように注意してください。

 

洗濯マークに、〇にFの文字が入っていたとき、自宅の洗濯機のドライコースを試してみようとは考えないでくださいね。

 

洗濯機のドライコースは、デリケートな衣類をわずかな水流で、優しく手洗いするというイメージが一番近い洗濯方法です。あるいは、漬け置き洗いに近いともいえます。

 

洗濯マークが〇にWだったとき、洗濯機で洗っても、ウェットだから大丈夫と思ってしまうのも危険です。

 

洗濯マークに〇の記号を見つけたら、ためらうことなく、専門業者に任せましょう。また、専門業者にお願いしなくてはならない衣類は、乾燥やアイロンも難し場合が多いですから、手洗いは避けたほうが無難です。

 

洗濯マークやその見方、以前の洗濯マークとの比較などが一覧表になっているサイトを紹介します。

 

洗濯マーク一覧表

文章だけでは分かりづらいと思う人は、一度確認しておくと良いかもしれません。

 

海外の洗濯マークの違いは?

 

家に居ながらにして、海外のブランド洋服を購入するのも珍しいことではなくなりました。今までは統一されていなかった洗濯マークも、ISOによって統一され、洗濯方法を迷うことも少なくなりました。

 

以前国内で使われていた洗濯マークは、JIS記号といい、日本産業規格に即した日本独自の洗濯マークでした。

 

遅ればせながら日本も、国際規格であるISOの洗濯マークに、やっと統一された感があります。だから海外の洋服を購入した際の洗濯方法も、ISOの洗濯マークを覚えておけば、困ることはありません。

 

ただ1つ、洗濯マーク意外にも変わったことがあります。それは、衣類の衣類の品質試験も、ISOの基準に倣っているということです。これは国産の衣類にも、注意を払う必要があります。

 

ISO基準で品質管理がされている洋服は、洗濯マークで支持された内容を間違うと、衣類を傷めてしまうことになりかねません。

 

例えば、桶のマークに40という数字がある場合、この40は水の温度の上限です。JIS規格では推奨として扱われていたかもしれませんが、ISOの洗濯マークは、これ以上高い温度の水は使わないでくださいといっているのだと知っておく必要があります。

 

洗濯マーク自体はISOで統一されていますが、マークの下などに良く分からない単語が入っているのを見たことはありませんか?これをケアラベルといいます。より詳細な洗濯の注意事項が書かれています。

 

一番目に入ることが多い、英語で書かれパターンを、幾つか紹介しましょう。例えば温度を表す場合です。

 

Boilingは、最高温度95度を意味します。同じように、Very hotは70度。Hotは60度。Hand hotは50度。Warmは40度。Coolは30度。Coldは常温を意味します。CoolやColdに至っては、もっと冷たい水を想像してしまいがちです。

 

Hand washとあったら、最高温度40度のお湯で手洗いしてくださいという意味です。日本語に直訳すると、手洗いとしか思えません。それぞれの温度を表す単語に、rinseがついたら、すすぎの温度が指示されています。

 

それぞれの温度を表す単語の後ろに、ironがついたら、アイロンの上限温度を意味しています。Hotは200度、Warmは150度、Coolは100度となります。

 

その他、Remove promptlyとあったら、タンブル乾燥後は直ちに取り出し、たたむかハンガーに掛けるという意味になります。確かにタンブル乾燥をそのまま放置したら皺になるのは明白な事実ですが、こうした詳細まで記載しているのには驚きます。

 

おわりに

今までのJISの表記と比べてISOの洗濯マークの表記は細分化されていて、最初はよくわからないかもしれません。でも、数字は液温、ドットは温度などの一定のルールさえわかれば洗濯の方法もわかってきます。どうしてもわからないときは無理に洗おうとしないでクリーニング店などのプロに相談してください。