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ガーデニング
河村ゆかり

美味しく収穫!レモンの育て方|プロ解説

家庭菜園でも人気の果樹・レモンの育て方を紹介。肥料の選び方、収穫時期、防寒対策、枝の剪定方法などプロに徹底解説してもらいました。美味しく収穫して、料理やジャムづくりに活用しましょう。【果樹の育て方シリーズ】

目次

国吉純

園芸家・レモン研究家。造園や植栽管理、園芸講座、執筆、造園などを通して、家庭園芸の普及に力を注ぐ。実体験をベースにしたベランダガーデニングや、園芸療法が得意。国吉さんHP「ジュリエッタ・ガーデン」

レモンについて

© sanpom/shutterstock

栽培の前に知っておきたい、レモンの特徴・品種についてご紹介します。

 

レモンの特徴

地中海のイメージが強いレモン(ミカン科ミカン属)ですが、意外にも原産地はインド北西部。

レモンの実は美容や健康に役立ち、かわいらしい花の香りにはリラックス効果も。そのうえ、花や実は観賞用としても楽しめることから、多くのガーデナーに愛されているんですよ。

レモンは柑橘類の中でも比較的丈夫な性質を持っているため、初心者でも無理なく育てられるはず!

 

  • 難易度 初~中心者向き
  • 耐寒性 やや弱い
  • 耐陰性 弱い
  • 耐暑性 強い
  • 乾燥 普通
  • 樹高 1.5~2m

 

レモンの品種

入手しやすく、家庭でも育てやすいレモン4品種をご紹介しましょう。

「マイヤーレモン」は、トゲが少なく耐寒性も問題なしと、育てやすい品種。完熟させると甘みを感じるくらい、酸味がまろやかです。

もっとも耐寒性が強いとされるのは「リスボン」ですが、関東より北の地域では鉢植えにし、冬季は防寒対策を施して。
立派なトゲはカットして栽培するとラクですよ。

「ユーレカ」はトゲが少なく、比較的樹勢が穏やかで、横に伸びる傾向があります。小さめに育てたい方におすすめ。

「ビアフランカ」は、「リスボン」と「ユーレカ」の中間的特徴をもつレモン。
トゲは少なく耐寒性は「やや強い」、しかも樹勢が穏やかなので、初心者向きの品種です。

 

レモンの育て方で押さえたい3つのコツ!

  • コツ1 水はけのよい土に植え、適度な湿度を保つ
  • コツ2 肥料は年に5回与える
  • コツ3 寒さに弱いから、防寒対策はしっかりと

 

レモンの育て方【基本編】

© I Water/shutterstock

水やりのタイミングなど、基本となるレモンの育て方をご紹介。

 

水やり

レモンは比較的乾燥に強い植物ですが、夏の高温や、雨がずっと降らない時期にはしっかりとした水やりが必要です。

表土の乾きや、葉っぱがしなびていないかを常にチェックして、乾燥している兆候があれば鉢底から流れ出るまでたっぷりと水をやりましょう。

また夏は水やりの際、葉の裏にしっかり水を当てて洗い流すようにすると、ダニ・カイガラムシ・アブラムシなどの防虫対策にもなります。

 

土の選び方・肥料

肥料は生育旺盛なレモンには必須。
3月に春肥から始まり、5月・7月・8月・10月の計5回、油粕と骨粉を2対1に混ぜた有機肥料を与えましょう。

ビギナーは、水はけがよく元肥も混ざった「果樹用」「柑橘用」などの専用培養土を利用するのがおすすめ。

自分でレモンの土を配合するなら、鉢植えの場合は中粒の赤玉土に対し、完熟したバーク堆肥(または腐葉土)を3~5割混ぜてください。

 

置き場所

レモンの生育適温は15度、温暖な気候でよく育ちます。

日当たりがよく、強い風の当たらない場所に置くのがポイント。
風が当たりすぎる場所に置くと、レモンの木を傷めてしまい、生育にも悪影響を及ぼすので注意しましょう。

 

レモンの育て方【シーン・トラブル編】

© Teri Virbickis/shutterstock

剪定や植え付け方法など、シーン別・レモンの育て方を紹介。
病害虫などトラブル対策も要チェックです!

 

剪定

レモンの剪定は、基本的に3〜4月中旬までに。
前年実をつけた枝や弱々しい枝は剪定しますが、春に伸びた枝に翌年実をつけるため、結実させたい枝は剪定しないのがコツです。

またレモンは生育旺盛なので、放っておいたら樹高がドンドン高くなり収穫が大変に・・・2m未満を目安に剪定を!

 

植え付け・植え替え時期

レモンの植え付け・植え替えは3~4月が適期。
鉢は水はけがよく、効率よく根がはれるスリット鉢がベスト。
さらにひと回り大きい素焼き鉢に入れて「二重鉢」にすれば、鉢の間に空気の層ができ、夏の土中の温度上昇を避けられますよ。

流通しているレモンの苗はほとんどがカラタチの木に接ぎ木したものなので、「深植え」に注意してください。
カラタチの枝が土に埋まるほど深く植えてしまうと、カラタチの性質が強くなってしまい、レモンが実らなくなってしまうこともあるんです!

植えつけ直後のレモンの苗は、風で揺らいで根付きが悪くならないよう、支柱を深く差して幹にしっかり固定すること。

また成長旺盛なレモンは、2~3年ごとに植え替えも行ってください。
もっと大きく育てたいなら、根鉢はそのままにして土や肥料を足し、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
サイズを変えたくない場合は根鉢を3割程度カットして、その分の土と肥料を足して元の鉢に戻します。

 

増やし方

レモンは、タネを育てる「実生」からでも増やすことができます。
その他、挿し木、接ぎ木、取り木など、さまざまな増やし方ができるため、お好みの方法を試してみて。

挿し木などは5月下旬~6月頃が適しています。

 

花・実のつけ方

レモンは四季咲き性があり、5月、7月、9〜11月の年3回ほど花が咲きます。
なかでも5月の花を大事にしてしっかり実を育て、収穫に導きましょう。
7月以降の花は、実になっても途中で寒さにあたって大きくなることができません。

レモンは「1個の実をつけるために25枚の葉が必要」と言われているため、健康的な木を育ててしっかり葉をつけさせるのが大切です。

葉をつけさせるためにも、乾燥しすぎず適度な湿度を保つ水やりをし、3~10月にかけて5回の肥料を欠かさないでください。
葉が黄色くなって落葉する場合はマグネシウム不足の可能性があるため、即効性のある液肥を与えて。

またレモンは「隔年結果」という、よく実る年と実らない年を交互に繰り返す性質があります。これを調整するには、つきすぎた果実を小さなうちに取ってしまう「摘果」を、8月中に行いましょう。

摘果を除いた収穫の目安は、10号鉢(直径30cm)に植えられた樹高1mのレモンで8~10個(約1kg)です。

 

収穫時期

収穫時期は11月中旬からで、翌年1月頃までに終わらせて。
12月の熟しきれた「イエローレモン」はもちろん、11月中の熟す前の「グリーンレモン」を収穫してもいいですよ。

収穫する際には、手でもぎとるのは避け、実のついた茎から1㎝ほど残して、ハサミでカットします。

ちなみにレモンの産地での収穫の目安は、実の一番太った部分の径が55㎜以上になった時なんだとか。

 

病害虫

レモンの病気で最も気をつけたいのが、実の痛みや落葉を招く「かいよう病」。
トゲや風による擦れによって実や枝に傷がつき、そこに病原菌が入って起こります。
「かいよう病」を防ぐためにもレモンのトゲを根からカットし、果実のまわりの不要な枝も剪定してください。

このほかレモンには、黒星病、灰色かび病などの病気も見られますので、早期のうちに薬剤を使用すると安心です。

害虫については、アブラムシやハダニが発生したら水で洗い流し、カイガラムシは歯ブラシなどでこすり落としましょう。
またレモンの葉はアゲハ蝶の幼虫がつきやすいので、見つけたら割りばしで取り除いて。

 

冬越し

一般的にレモンの体感温度はマイナス3度程度といわれているため、冬はしっかり防寒してあげましょう。

おすすめの防寒方法は、布団をかけるように、表土に腐葉土をまくこと。
寒冷紗や不織布ですっぽり覆ってあげるのも良いですね。

温室なら良いのですが、室内に取り込むのは日照不足と風通しの悪さからおすすめできません。

 

レモンの育て方Q&A

© PIXTA

レモンの育て方で初心者が「?」となりやすいことについて、国吉さんに教えてもらいました。

 

Q.レモンを庭に地植えする時の注意点は?

どんな植物もそうですが、レモンも地植えすると鉢植えよりも大きく育ちます。大きくなるのを想定して、植える場所を選びましょう。

庭に植えるときは、事前に完熟バーク堆肥、牛糞、腐葉土などを土によくすきこんでおきます。
なお地植えの場合、レモンの果実が収穫できるのは、植えつけてから3年後くらいから。

 

Q.レモンの苗を選ぶときのポイントは?

幹が太り、艶やかで濃い緑の葉をたくさんつけた3年苗を選びましょう。
特に、幹から2本のしっかりした枝がのびている苗は、そこからどんどん枝が増えるのでおすすめです。

 

Q.6月に花びらと小さな実が大量に落ちます。大丈夫でしょうか?

6月頃に小さな実が落ちる現象を「ジューンドロップ」といいます。
手入れの仕方が悪いのではなく、「こんなにたくさんのレモンを実らせるのは難しい」ということで、自然に実を落とすのです。

あまり心配しなくても大丈夫と思われますが、乾燥しすぎて落果することもありますので、水やりの頻度が適切かチェックしてみてください。

 

レモンの育て方はいかがでしたか? 
花や葉にも香り成分があるレモン。1鉢育てれば、一年じゅうさわやかな香りが楽しめるのも魅力です。