- 石原たきび
- ライター。たき火。俳句。酒。
編著に『酔って記憶をなくします』(新潮文庫)。
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“盆栽女子”増加中!ゆるふわ系アイドルもハマるのか検証してみた【後編】
「ゆるふわ系アイドルmeets盆栽」企画の後編。今回はついに、えりかちゃんが盆栽づくりに挑戦。ちなみに、嵐の松本潤さんやモデルのラブリさん、アーティストの水曜日のカンパネラ・コムアイさんも盆栽好きとして知られている。
前編では、さいたま市大宮盆栽美術館で盆栽の歴史や鑑賞法を学んだ葵井えりかちゃん。意外にも「育ててみようかな」という感想を述べていた。今回の取材がきっかけで、えりかちゃんがハマったとしても何の不思議もない。後編では盆栽園を訪れ、先生の指導のもと盆栽作りに挑戦しますよ。
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葵井(あおい)えりか
1992年2月5日生まれ T166cm 血液型0型
SUPER GT 2017 GT300のレースクイーン。第8回ミスヤングチャンピオンファイナリスト。サンテレビ『ぷるるん!トラベラー』準レギュラー。
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盆栽美術館を出た足で向かったのは、大宮盆栽村の清香園。170年もの歴史を持つ老舗だ。
▲道すがら「何でも盆栽に見えちゃう♡」とえりかちゃん
徒歩10分ほどで到着。広報の寄藤加奈子(よりふじ・かなこ)さんが出迎えてくれた。
▲じつは今回の先生でもある
寄藤さんは現在の園主・山田登美男(やまだ・とみお)さんが出演しているテレビ番組をたまたま見て盆栽に興味を持ったという。その結果、20代の若さでこの世界に飛び込んだ。自身でも数十鉢の盆栽を育てている盆栽愛好家だ。
▲寄藤さんが手がけた盆栽の一部
一番左はスイレンボクと斑入りタマリュウで、寄藤さんが初めて作った盆栽とのこと。
目次
「実もの盆栽」は観賞用なので、あまり美味しくないかも(笑)
では、園内に入ります。ここからは先生、よろしくお願いします。
▲「きゃー、真っ赤できれい!」
ーーこれはヤマモミジですね。よく見ると幹にシワがあるでしょう。樹齢が増すにつれてシワが増えるんです。(寄藤さん、以下同)
「へえ、人間といっしょで面白いなあ」
▲「実もの」と呼ばれる盆栽たち
「なんか、実が美味しそう」
ーー基本的には観賞用なので、あまり美味しくないかも(笑)。時期的には実もそろそろ終わりです。
▲上から園内を見下ろすとこんなかんじ
「うちにもこんな庭があったら毎日散歩するのに」
ーー左の大きい樹は桜で、満開の頃はすごくきれいですよ。さて、いよいよ盆栽作りを体験してみましょうか。
そのキャットフードみたいなのは何ですか?
「完全に素人なんですが、上手に作れますか?」
ーー大丈夫、難しい作業は私が手伝いますから。体験教室は女性にも大人気なんですよ。
▲「よろしくお願いします。」
ーー肩の力を抜いて楽しみながら作りましょうね。
▲こちらが盆栽制作セット
「そのキャットフードみたいなのは何ですか?」
ーー盆栽の植込み用土です(笑)。最初は排水性を高める小粒の赤玉土を敷いて、その上に2種類の極小粒の土をかぶせます。
▲いずれもホームセンターなどで購入できる
太い幹が手前にお辞儀しているアングルが正面
ーー今回使うのは長寿梅。といっても、梅ではなくて木瓜(ぼけ)の一種です。
「『盆栽』という字は書けたけど『木瓜』は書けないな。悔しい〜」
▲「えー、これでいいのかな。最初から難しい……」
ーー大丈夫。木のパワーをもらいながら進めましょう。ちなみに、盆栽には必ず正面があるんですが、どの向きかわかりますか?
▲「うーん」
▲「こっちかな?」
ーー正解! お見事。センスありますねえ。太い幹が「いらっしゃいませ」みたいに手前にお辞儀していて、さらにそこから伸びる枝が左右に大きく広がっているアングルが正面です。
特技や趣味もないし、友達も少ないし
「わーい、褒めてもらえると嬉しいです!」
▲次に根をぐいぐいとほぐす
ーー根に刺激を与えると、もっと伸ばそうという気持ちになるんです。人間でいう発毛促進ですね。
「なんだか、こうやって無心に作業してると人生を振り返っちゃいますね」
ーーえっ、どうしたんですか?(笑)
「こういう芸能の仕事をしてても、いまいちキャラが立ってないし、特技や趣味もないし、友達も少ないし」
ーー私も友達は多くないけど、こうやって生徒さんと話しながら盆栽を作るのは楽しいですよ。
▲鉢の中の水もちをよくするために、隙間なく土を埋め込む
「ほんとは大勢でわいわいやりたいのに、人見知りだし」
ーーそういう人にこそ盆栽をお勧めしたいですね。植物と向き合うことで人間とも向き合えるようになると思います。
▲針金をねじって全体を固定する
苔はパンケーキみたいでめっちゃ癒される〜
「先生は何か趣味はあるんですか?」
ーー盆栽は仕事になっちゃったけど、それ以外ではキャンプとかハイキングとかかな。自然が好きなので、そういう風景を盆栽のひと鉢で表現したいですね。
▲外に出てたっぷりと水をやる
「アウトドアにはあんまり興味が持てなくて」
ーー深く考えずに飛び込んでみるのもよいのでは。食べるのが好きならバーベキューも楽しいし。
▲最後に景色作りと保水のための苔を貼る
「苔はパンケーキみたいにモコモコしてて、めっちゃ癒される〜」
ーー最近は「苔ガール」もいますよ。苔をルーペで観察したり(笑)。
▲葵井えりかの初盆栽が完成!
すごくお上手ですよ。全然不器用じゃない
「え〜、かわいい! 私、超不器用でお裁縫とかお菓子作りとか無理なんですけど、なんとかできました」
ーーすごくお上手ですよ。全然不器用じゃない。
▲大好きなしば犬のフィギュアを添えて
ーー左下の余白に川のせせらぎや光の差し込みが見えてきませんか? これが盆栽で自然を再現するということなんです。
「ステキ。この子に名前を付けなきゃ。私、ニックネームが『えりぽん』だから盆栽の『盆』を取って『えりぼん』にしようかな」
ーー分身みたいでいいですね(笑)。たくさんかわいがってください。
▲「えりぼんちゃん、これからよろしくね」
「えりぽん」と「えりぼん」の共同生活が始まった
体験教室は1時間程度で終了した。料金は材料費込みで7,560円(税込)。作った盆栽はもちろん持ち帰ることができる。
▲「えりぼん」が入った紙袋を大事に持つ「えりぽん」
以上、ゆるふわ系アイドルの盆栽作り体験レポートでした。寄藤さんの盆栽愛あふれる指導と自然体トークで、進むべき道を見出したかもしれないえりかちゃん。「えりぼん」との共同生活で、彼女の人生はどのように変わるのだろうか。
体験取材から数週間後、「えりぼん」の様子を聞いてみた。すると……
「すくすく育っています。一人暮らしでマイペースに過ごしていたけど、えりぼんが来てから『水あげなきゃ!』って思うようになり、責任感が芽生えた気がします!!」とのこと。
今日のお仕事終了💕
盆栽ちゃんは寒いけど元気そう!
実はよく間違えてサボテンって言っちゃう( ˘ω˘ )
気持ちはわかるよね?( ˘ω˘ )#盆栽 pic.twitter.com/MjlUnw2yl3— 葵井えりか🦕👑えりぽん (@corin0205) January 22, 2018
おお、ゆるふわ系アイドルも盆栽の魅力をしっかりとキャッチしていた。盆栽ブーム、これから本格的に訪れるかもしれない。
取材協力:清香園
体験教室情報はこちら
撮影:池田博美
おお、ゆるふわ系アイドルも盆栽の魅力をしっかりとキャッチしていた。盆栽ブーム、これから本格的に訪れるかもしれない。